業界別・深掘り⑧:『分かりにくい!』が『怒り』に変わる時 —『通信業界』のダークパターンと、『カスハラ』という第二の被害
皆さん、こんにちは。Social Pentagon マーケ部(仮)です 👋
私たちは、社会に潜む見過ごされがちな課題を「ビジネスの力」で解決しようと取り組んでいる、ソーシャルビジネスのスタートアップです 🚀
今回の『業界別・深掘り』シリーズは、もはや私たちの生活インフラ(電気・ガス・水道)と同じ、いや、それ以上に密着している「通信業界」(スマホ、ネット回線)のお話です。
「料金プランが、複雑すぎて比較できない」 「気づいたら、使った覚えのないオプション料金が引かれていた」 「解約しようとしたら、異常に手続きが面倒だった」
…こうした「不満」や「分かりにくさ」は、単なる愚痴ではありません。 総務省がまとめた最新(2024年度)の統計によると、全国の消費生活センターなどに寄せられる「通信サービス」に関する苦情相談は、
「大手携帯キャリア」だけで、年間約1万6,000件
「光回線」だけで、年間約1万6,200件 と、携帯と光回線を合わせるだけで年間3万件を超える深刻なトラブルとして、「増加傾向」にすら転じているのです。
これは、この業界の「分かりにくさ」が、もはや仕様ではなく、看過できない社会課題であることを示しています 🔍
2. 名言の引用:「理」を尽くさなければ、人は動かない 💡
日本の元内閣総理大臣である田中角栄氏は、交渉事についてこう語っています。
「(交渉事は)真正面から理を尽くせば、相手は必ず分かる」
「理(り)を尽くす」とは、物事の道理や筋道を、きちんと相手に説明する、ということです。 では、今の「通信業界」の契約プロセスは、私たち消費者に対し、果たして「真正面から理を尽くして」いるでしょうか。 「分かりにくさ」で煙に巻き、後から「契約(同意)しましたよね?」と迫るやり方だからこそ、トラブルが絶えないのです 🤔
3. 【課題1:消費者側】分かりにくさで縛るダークパターン
まず、この業界特有の、非常に巧妙な「ダークパターン」を見ていきましょう。 これらは全て、私たち消費者の「情報の非対称性」や「デジタルデバイド(情報格差)」につけ込む手口です。
この業界の分かりにくさは、意図的に設計されている、とさえ私たちは考えています。 例えば、異常に「複雑怪奇」な料金プラン。 「ギガ」や「放題」といった言葉が並び、無数の割引(家族割、光回線セット割)が複雑に絡み合う。その結果、A社とB社のプランを「公平に比較する」こと自体を、意図的に困難にしています。
次に、「初月無料」という自動付帯のワナです。 「この便利なオプション、初月は無料ですから」と、契約時に(半ば強引に)「同意」させられる。しかし、無料期間が終わる頃に、消費者自身が忘れずに「解約」しなければ、翌月から自動的に有料オプションに切り替わる。これは、消費者の解約忘れを狙った、不誠実な「リテンション」です。
極め付けは、「実質0円」のカラクリです。 「このスマホ本体、実質0円です!」という魅力的な言葉。しかし、その実態は「高額な本体代金(例:10万円)を、2年や4年かけて分割払いし、その分割代金とほぼ同額を、月々の通信料から割り引く」という、異常に複雑な契約(同意)です。もし、途中で解約すれば、残った本体代金(残債)だけを、一括で請求されるワナが待っています。
4. 【課題2:現場側】分からないが怒りに変わる。カスハラという第二の被害
さて、ここからが本題です。 こうした「分かりにくい」契約(=未読同意・形骸化した同意)のしわ寄せは、いったい、どこに向かうのでしょうか?
それは、皆さんの街のケータイショップ(キャリアショップ)で働く、「現場のスタッフ」の皆さんです。
「スマホの使い方が、分からないじゃないか!」 「こんなオプション契約した覚えはないぞ! 解約しろ!」 「話が違う! 高い金を払わせる気か!」
…こうした、特にデジタルに不慣れな(=デジタルデバイド)方々による、「分かりません」という不安が「どうしてくれるんだ!」という怒りに変わり、現場のスタッフに「カスタマーハラスメント(カスハラ)」として、日々ぶつけられています。
これは、深刻な社会問題です。 もちろん、ハラスメント行為は許されません。 しかし、その根本原因を作ったのは、一体誰でしょうか?
消費者が「契約時には(よく分からないまま)未読同意し、後から『話が違う!』と怒る」 この構図は、 「そもそも、そうとしか契約させられない不誠実なシステム(ダークパターン)」 を設計した、企業(キャリア本体)側にあるのではないでしょうか?
現場のスタッフの皆さんは、企業の「不誠実なシステム」の盾にされ、消費者の正当な不満(あるいは理不尽な怒り)を受け止める「第二の被害者」となっているのです。
「誠実な同意」の欠如が、現場の疲弊と離職(=さらなる社会問題)を生んでいるのです。
5. 【国の動き】この不誠実さを、国も変えようとしている ⚖️
「こんな分かりにくい契約が、まかり通っていいのか?」 「現場のカスハラの原因は、この契約プロセスにあるのではないか?」
この問題は、ついに「国」も動かし始めています。 つい先日(2025年11月)、消費者庁は、まさに「消費者契約法」と「特商法」の、本格的な見直し(検討会の設置)を発表しました。
これは、私たちがこの連載でずっと指摘してきた「ダークパターン(不誠実な勧誘)」や「不当な契約条項」を、法律(ルール)そのものをアップデートして、デジタル時代に適応させようという、非常に大きな潮目の変化です。
6. まとめ:誠実な同意は、三方を守る 🚀
私たちが目指す「誠実で、分かりやすい同意」の仕組み(Social Pentagon DIGESTの理念)は、決して「消費者だけ」を守るものではありません。
消費者を、「不利な契約」や「借金の沼」から守る。
企業を、「顧客からの信頼失墜(ブランド毀損)」や「不毛な訴訟リスク」から守る。
そして何より、現場のスタッフを、「分かりにくさ」が生み出す「理不尽なカスハラ」から守る。
この「三方よし」の社会を実現するために、私たちは、この「分かりにくい契約(同意)」という社会課題に、「ビジネスの力」で挑み続けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました 🙏
いかがでしたでしょうか。『通信業界』の分かりにくい契約が、いかに『現場のカスハラ』という第二の被害を生んでいるか、何か新しい気づきがあれば幸いです。
次回も、皆さんの生活に潜む「同意」や「契約」にまつわる課題について、一緒に考えていきたいと思います 🤝
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