流行りのリスキリングはなぜ失敗するのか?ー 海外事例から見えた、スキル付与より大切なアンラーンと組織改革 🔄🧠
皆さん、こんにちは。Social Pentagon マーケ部(仮)です 👋
私たちは、社会に潜む見過ごされがちな課題を「ビジネスの力」で解決しようと取り組んでいる、ソーシャルビジネスのスタートアップです 🚀
ここ数年、政府の旗振りもあり「リスキリング(学び直し)」という言葉は、日々のニュースだけでなく、企業の経営方針や社内報でもすっかりお馴染みのキーワードになりました。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の文脈で、全社員にAIやプログラミング、データ分析のオンライン研修を導入する企業も急増しています。
しかし、現場からはこんな声が聞こえてきませんか?「動画学習のノルマをこなすだけで精一杯」「資格は取ったけれど、今の業務で全く使う機会がない」「そもそも、なぜこれを学ばされているのか分からない」。
実は、日本のみならず世界中で「リスキリング施策の約7割が期待した成果を上げていない」という調査結果もあります。なぜ、これほどまでに投資されているリスキリングが空回りしてしまうのでしょうか? 🔍
2. 名言の引用:21世紀の「読み書き」とは 💡
名言 of the Day:(アルビン・トフラー / 未来学者)
「21世紀の文盲とは、読み書きができない人ではない。学ぶこと、アンラーン(学習棄却)すること、そして再学習することができない人のことである。」
新しいスキルをインストールする前に、古くなった過去の成功体験や固定観念をアンインストールしなければ、新しい知識は正常に機能しません。リスキリングのつまずきは、このOSのアップデートを無視している点にあります 🤔
3. 【海外の失敗事例】ツールの丸投げが招く悲劇と流出 📉
「とりあえず学ぶ環境を与えれば、社員は勝手に成長するだろう」という考えは、世界共通の陥りやすい罠です。
欧米の多くの企業が、初期のリスキリングにおいて「UdemyやCourseraといったオンライン学習プラットフォームのアカウントを全社員に配布し、自由に学ばせる」という手法をとりました。しかし、これが大失敗に終わります。
会社の戦略(どの事業を伸ばし、どんな人材が欲しいか?)と紐付いていないため、社員は何を学べばいいか分からず受講率は低迷。逆に、モチベーションの高い優秀な社員は自らプログラミングなどを学びますが、社内にそのスキルを活かすポジションも評価制度もないため、「会社のお金でスキルを身につけ、より高い給料をくれる競合他社へ転職してしまう(リスキリング・トゥ・クイット)」という皮肉な結果を招いたのです。
ツールや環境を与えるだけでは、組織の成長には繋がりません。
4. 【海外の成功事例】AT&Tが断行した痛みを伴う透明性 🇺🇸
一方で、世界で最も成功したリスキリング事例として有名なのが、アメリカの巨大通信企業「AT&T」です。同社は約10億ドル(約1,500億円)という巨額を投じて「Future Ready」という大規模なプログラムを実施しました。
彼らが凄かったのは、研修を用意する前に「今のあなたのスキルは、あと3年で社内で不要になる」と社員に残酷なまでの事実(ファクト)を突きつけたことです。
その上で、「今後数年でどの部署のどんなポストが増え、そこにはどんなスキルが必要か?」という社内の労働市場マップを完全に透明化しました。社員は「このままでは自分の居場所がなくなる」という危機感を持ちつつ、「このスキルを学べば、データサイエンス部門に異動して給料が上がる」という明確なキャリアパスが見えたため、必死に再学習に取り組みました。結果として、対象者の半数以上が新しい職種への転換に成功しています。
5. 根本的な課題はスキルではなく、組織システムとマインド 🏢
AT&Tの事例が教えてくれるのは、リスキリングとは「教育研修のアップデート」ではなく、「人事評価と組織構造の抜本的な改革」であるという事実です。
日本企業の多くは、既存の「メンバーシップ型雇用(人に仕事をつける)」のまま、新しいスキルだけを上乗せしようとしています。しかし、「Pythonが書けるようになっても、評価軸は年功序列のまま」「新規事業のスキルを学んでも、配属されるのは既存のレガシー部署」という構造では、社員のモチベーションが続くはずがありません。
リスキリングを成功させるためには、以下の3つをセットで行う必要があります。
経営戦略との連動:
会社がどこへ向かうから、どんなスキルが必要なのかを明確にする。出口(ポジション)の用意:
学んだスキルを実践でき、正当に評価(昇給・昇進)されるポストを用意する。アンラーン(学習棄却)の促進:
過去の成功体験にしがみつく管理職の意識改革を行う。
6. まとめ:リスキリングを個人の自己責任にしない ✨
流行りの言葉に踊らされ、「うちはリスキリングを推進している」と研修ツールを導入して満足してしまうのは非常に危険です。
リスキリングがうまくいかない最大の理由は、会社側が「変わるべきは社員のスキルだ」と個人に責任を押し付け、組織自体が変わる覚悟(アンラーン)を持っていないことに尽きます。
テクノロジーが進化し続ける現代において、学び続けることは確かに重要です。しかし、社員が安心して新しい自分へと脱皮するためには、会社側もまた、古い評価制度や硬直化したキャリアパスを破壊し、再構築する痛みを引き受けなければならないのです。
あなたの会社で行われているリスキリングは、組織の未来とちゃんと繋がっていますか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました 🙏
いかがでしたでしょうか。「会社から言われたから学ぶ」「とりあえずツールを導入する」といった表面的な取り組みから一歩踏み込み、個人と組織が共にアップデートしていくための新しい関係性について、見つめ直すきっかけになれば幸いです。変化の激しい時代だからこそ、小手先のスキル以上に、組織全体のOSを見直す勇気が必要なのかもしれませんね。
次回も一緒に、ビジネスと社会の関わりについて考えていきましょう 🤝
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