HSP管理職が気づいた「全員を救おうとする上司」が結局一番チームを壊すという罠
こんにちは、ふたみです。
100人規模の管理職経験者として、「管理職が罰ゲームだという風潮を諦めたくない」
そんな思いで、マネジメント業務が少しでも楽しくなるような考え方やノウハウを現場目線で発信しています。
📝 この記事はこんな方におすすめです
✅️ 部下の悩みや不調を見ると、放っておけないと感じる管理職・リーダーの方
✅️ チームのために尽くしすぎて、自分のメンタルが限界に近づいている方
✅️ HSP気質があり、部下の感情を受け取りすぎて消耗しやすい方
「管理職なんだから、それくらいできて当然」という呪い的な何か
「管理職たるもの、部下の微細な変化にいち早く気づきなさい」
こんなことを言われ続けて育ってきた方も、多いのではないでしょうか。
例えば朝の挨拶のとき
部下の表情が曇っていたり、
いつもより視線を逸らしていたり、
どことなくコミュニケーションを遠ざけていたり。
「これらは何かの合図だから、管理職はいち早く気づいて手を打つべきだ」
「管理職なんだから、それくらいできて当たり前でしょ?」
こういう「管理職はこうあるべき論」が、私はそもそも嫌いです。
なぜなら、この「べき論」に真面目に応えようとした人ほど、
苦しみを抱えている現実を10年間ずっと見てきたからです。
部下の変化に気づく
→気になって声をかける
→話を聴く
→フォローする
あれ、別の部下も様子がおかしい
→また気になって声をかける
→話を聴く
→フォローする
そうやって毎日、誰かのために動き続けて
なんだか自分だけが削られていくような感覚、感じることはありませんか?
この記事では、そんな「全員を救おうとして、自分が倒れる」という悲しい構造を解説します。
そして、自分のメンタルを守りながらチームを支えるための、現実的な防衛線をお伝えします。
▼ この記事を読むとわかること
なぜ「全員救おうとする上司」ほど先に倒れるのか
HSP気質の管理職が特に陥りやすい「共感の罠」
自分を守りながらチームを支える、具体的な5つの考え方
「気づける管理職」ほど、なぜ先に壊れるのか
「べき論」の何が問題かというと、
責任感の強い人、HSP気質の人、観察眼のある人ほど、
この「べき論」を真に受けてしまいます。
気づく能力があって、
放っておけない性格で
「自分がやらなければ」と思ってしまうから。
チームの誰かが抱える問題は、解決しても必ず次の問題が来るもので、
問題なんてものは際限なく在り続けるものです。
そしてそれらに全力で応え続けると、当然リソースはゼロになります。
つまり、現代的で優秀で優しい管理職ほど、このスパイラルにはまりやすいものかと。
ただ、リソースがゼロになった管理職はチームを守ることができません。
例えば飛行機の酸素マスクは、
緊急時に親が子供より先に装着することが世界共通のルールらしいです。
これは、まず自分の安全確保をしないことには、子のサポートなんでできないという考えによるものです。
「部下のために頑張る」という姿勢自体は美しいものですけども、
自分を犠牲にし続けることは、決してチームへの貢献ではないという観点も持つべきだ。
それが、私が10年かけてやっと理解したことです。
「気づける管理職」を目指した私が挫折した話
私は長年、大手企業で100名規模の営業組織を率いてきました。
HSP気質があるため、
メンバーの表情の変化や空気の変化に敏感に観測してしまいます。
最初はそれを誇りに思っていました。
「部下の変化に気づける管理職だからこそ、チームを守ることができる」と。
誰かがつらそうだと感じると、放っておけないし、
様子を聞いている部下のその奥にまた暗い顔をした別の部下が目について、
目の前の部下への声掛けと同時に、その奥に居る別の部下への声掛け予約をインプットし続けるような、
「気にかける」の連鎖的マルチタスクで頭がいっぱいになっていました。
その状態の連続は、確実に自分を削っているものでした。
「困っている部下を助けてあげるべきだ」という気持ちがあるのに、
問題はどんどん観測し続ける一方、対処が一向に追いつかない。
何年もこの状態が続いたのち、気付きました。
無理だな、と…
「管理職はこうあるべき」という呪いを、 誰よりも真面目に守ろうとした結果、
盛大に挫折したわけです。
そんなこんなで「気づける人」ほど、防衛線が必要だということを痛感したので、
今この記事を書いています。
自分のメンタルを守る「5つの防衛線」
1️⃣ 「全員救う」という前提を手放す
まず、ここが本当に大前提。
全員を救うことはできません。
これは決して諦めではなく、現実です。
チームの中には、
手を差し伸べても 受け取らない人や変わらない人もいます。
「救えなかった」は、マネジメントの失敗ではない。
むしろ、すべての責任を負おうとする姿勢は、優しさではなく支配的思想に近いです。
相手の人生を、自分がコントロールしようとしていることになります。
「私にできることはした」と言えるラインを事前に決めておくことが大切です。
2️⃣ 「聴く時間」に上限を決める
HSP気質の管理職に多いのが「話を聴きすぎて消耗する」というパターンです。
共感力が高いため、相手の感情をそのまま受け取ってしまいます。
気づけば30分、1時間、、延々と話を聞いた結果、自分のエネルギーはゼロに。
共感は武器ではありますが、
無制限に共感できる容量があるわけでは決してありません。
例えば、
「今日は20分だけ聴く」と決める。
「今は時間がないので、明日改めて」と伝える。
これは冷たいことではありません。
持続可能な支援のために必要な境界線です。
1on1の前に「今日は何分話せるか」を自分の中で決めてから入りましょう。
3️⃣ 「抱える」と「預かる」を使い分ける
部下の悩みを聞いたとき、
「抱える」とは、自分が解決しようとすること。
「預かる」とは、一緒に考える関係者になること。
全員の問題を「抱える」と、管理職はパンクします。
「預かるけど、一緒に考えよう」というスタンスが、持続できる関わり方です。
「私が何とかします」ではなく、
「どうしたら一緒に動けるかを考えましょう」というスタンスを持つこと。
言葉一つで、管理職の消耗度は大きく変わります。
「私が解決する」ではなく「一緒に考える」を、口癖にしてみてください。
4️⃣ 「動かせない人」への投資を意識的に減らす
10年のマネジメント経験の中で気づいたことがあります。
何度時間をかけて支援しても、状況が変わらない人がいます。
それは、変わる気がない、ということです。
もちろん、タイミングの問題もありますけども、
でも、管理職の時間とエネルギーは有限です。
変わろうとしている人に使うエネルギーと、
そうでない人に使うエネルギーを、
同じにしてはいけない。
これは冷酷ではなく戦略です。
限られたリソースを効果のある場所に使う。
それが、チーム全体をより良くすることに繋がります。
支援の投資先を例えば3ヶ月単位で見直してみましょう。
変化のない人への関わり方を量から質にシフトし、関わり方を変化させるべきです。
5️⃣ 「自分の不調サイン」を先に決めておく
これは決して、ないがしろにしてはいけないポイントです。
「自分が限界を超えてから気づく」では遅すぎます。
例えば、
「睡眠が2日以上浅い」
「食欲が落ちた」
「朝、仕事のことを考えると気が重くなる」
こういうサインが出たら、仕事量を減らす。
このラインを先に決めておくということです。
「頑張れるうちは頑張る」という定性的なラインではなく、
なるべく定量的かつ具体的に、自身のレッドラインを先に設定しましょう。
手帳やメモに「私が疲れているときのサイン3つ」を書いておきましょう。
❓Q&A
Q1.「でも、気づくのが管理職の仕事では?」
A.「気づくこと」と「全部引き受けること」は、別の話です。
気づいた上で、誰に任せるか。
どこまで自分が関わるか。
それを判断するのが、管理職の仕事です。
気づいて、全部抱える。
それはある種、傲慢な考え方なのかなと思います。
Q2.「部下を見捨てるということ?」
A.「今は救わない」ことと「見捨てる」ことは、別物です。
まずは管理職であるあなたが機能し続けること。
それ自体が、チームへの最大の貢献です。
Q3.「上司がそこまで考えなくていいのでは?」
A.考えなくていい時代は終わっています。
メンタルヘルスの問題はチームの生産性に直結します。
ただし、「対応する」と「全部抱える」は違います。
仕組みで対応し、感情で抱えない。
これが、現代の管理職に求められるスタンスかと思います。
Q4.「HSP気質だから、感情を切り離せない」
A.切り離す必要は全然ありません。
感情を感じながらも、行動の境界線を持つことはできます。
「感じること」と「全部引き受けること」は別のことです。
HSPの観察眼と共感力は、あなた自身の強みです。
でも、その強みを守るための仕組みが必要です。
📌 まとめ
あなたが倒れたら、誰がチームを支えるのか
今日お伝えしたことを、振り返ります。
全員を救おうとする管理職は、最初に倒れる
「聴く時間」「関わり方」「投資先」に、意識的な上限を設ける
自分の不調サインを先に決め、レッドラインを越える前に動く
優しい管理職の方ほど、
「もう少し頑張れる」
「まだ誰かが困っている」と限界を超えてしまう可能性を秘めています。
でも、部下を持つあなたが倒れたあと、誰がそのチームを支えるのでしょうか。
自分を守ることは、チームを守ることと同義です。
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