傘がない ③【連載台本・世にもになるまで書いてみた・68作目】
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〇 夜の歩道
雨はさらに激しさを増す。
通行人(男性) 傘を差しながら帰路についている。
そんな彼に男がぶつかってくる。
男のカバンから持ち物が飛び出る。濡れた路面に物が散乱する。
彼 うわぁ・・・! だ、大丈夫ですか・・・?
男 ・・・気をつけろ!
男 慌てて持ち物を拾い、再びホームセンターを目指す。
彼 あの! これ忘れてますよ!
彼は男に声を掛けるも時すでに遅し。
彼が持っているのは「折り畳み傘」。
〇 ホームセンター・出入口付近
閉店時刻まで残り15分。客数も数える程度しかいない。
男 店員に声を掛ける。
男 (声だけ)・・・おい。
店 いらっしゃいま・・・ え!? お客様どうされましたか・・・?
男の全身が映る。
さらにずぶ濡れになり、転んだせいもあってコートは泥だらけに。
男 (小声で)・・・傘。傘売り場はどこだ。
店 傘売り場でございますね! ご案内いたします!
店員 大慌てで男を傘売り場に案内する。
〇 ホームセンター・傘売り場
男 店員の案内で傘売り場にやってくる。
店 こちらです・・・
男 ・・・・・・・・・おい。
店 (男の口調にイラっとしながらも)はい?
男 ・・・・・・こん中で一番丈夫な傘はどれだ。
店 丈夫・・・ そうですね・・・
店員 持ち前の知識をフル回転させ、大量の傘から一番丈夫な物を選ぶ。
店 こちらですかね・・・?
男 ・・・ん。
男 礼も言わず、店員から傘を奪い取る。そのまま会計に向かう。
店 な、なんなんだ一体・・・
店員 面倒な客に当たってしまい、思わずため息が漏れる。
〇 ホームセンター・出入口
店 (声だけ)ありがとうございましたー
男 会計を済ませ退店。
手には買ったばかりの新品の傘。
スマホで時刻を確認する。もうすぐ9時。
そのまま「どこか」へ走って向かう。傘もささずに。
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