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資産形成は、何をやるかより「順番」で決まる

資産形成ではときに、やることが多すぎるから迷います。

NISAを始める。
固定費を下げる。
副業をする。
防衛資金を作る。
家計簿をつける。
節税を考える。
投資先を選ぶ。

どれも大事そうに見えます。
実際、大事なものも多いです。


ただ、全部を同時にやろうとすると、かなり苦しくなります。

そして、順番を間違えると、せっかく行動しているのに資産形成が進みにくくなります。


私は、資産形成は「何をやるか」と同等かそれ以上に「どの順番で整えるか」が大事だと考えています。

この記事では、資産形成を「稼ぐ・貯める・守る・増やす」の4つに分けたうえで、どこから整えるべきかを整理します。



4つの力は、それぞれ役割が違う

資産形成は、大きく分けると4つの力で考えると整理しやすいです。

  • 稼ぐ力。

  • 貯める力。

  • 守る力。

  • 増やす力。

この4つは、どれか1つだけあればいいものではありません。

全部が同じ役割を持っているわけでもありません。


稼ぐ力は、外からお金を入れる力です。
本業収入、副業収入、事業収入などがここに入ります。

貯める力は、入ってきたお金を残す力です。
支出管理、固定費の見直し、生活水準のコントロールなどです。

守る力は、想定外の出来事に耐える力です。
防衛資金、保険、税金、生活の安定などが関係します。

増やす力は、余剰資金を時間に預ける力です。
NISA、投資信託、アセットアロケーションなどがここに入ります。


どれが一番偉いという話ではありません。
それぞれ役割が違います。

ここを混ぜて考えると、資産形成は急に難しくなります。


たとえば、収入が少ない悩みと、支出が多い悩みは別です。

貯金がない不安と、投資先が分からない悩みも別です。

副収入が増えても、生活水準が上がれば資産は残りません。

投資を始めても、防衛資金が薄ければ下落時に不安になります。


だからこそ、まずは自分がどこで詰まっているのかを分けて考える必要があります。

この4つの考え方については、以前こちらの記事でも詳しく書いています。



基本は「貯める→守る→増やす」。必要なら「稼ぐ」を先に見る

資産形成の順番は、人によって多少変わります。
ただ、基本形としては、

  1. 貯める

  2. 守る

  3. 増やす

この順番がかなり大事です。


まず、貯める力がないと、お金が残りません。
どれだけ収入があっても、同じだけ使っていれば資産は増えません。

次に、守る力がないと、資産形成を継続できません。
急な出費や収入減があったときに、投資資産を売らざるを得なくなるからです。

そのうえで、ようやく増やす力が機能します。
投資は、余剰資金を長期で置いておくからこそ力を発揮します。
短期で必要になるお金まで投資に回してしまうと、相場に振り回されやすくなります。


ただし、例外もあります。

そもそも収入が足りず、毎月の生活がかなり苦しい場合は、「稼ぐ力」を早めに見直す必要があります。

固定費を下げても限界がある場合、収入そのものを増やさないと前に進みにくいからです。


つまり、順番としてはこうです。

生活が赤字、またはほぼ残らない。
この場合は、貯める力と稼ぐ力を同時に見る。

生活は回っているが、貯金が少ない。
この場合は、まず貯める力と守る力を整える。

防衛資金もあり、毎月の余剰もある。
この場合は、増やす力に進む。

投資はしているが、資産形成が進んでいる感覚がない。
この場合は、投資先より入金力を見直す。


このように順番を決めるだけで、やることはかなり絞れます。



いきなり増やそうとすると、なぜ苦しくなるのか

資産形成というと、最初に投資を思い浮かべる人は多いと思います。

NISA。
投資信託。
インデックス投資。
高配当株。
アセットアロケーション。
などなど……。

こうした話題は目立ちますし、調べていても楽しいです。
実際、投資は資産形成において重要です。


ただ、投資は最後に回した方が安定します。

理由は、投資が「土台の上に乗るもの」だからです。


貯める力が弱いと、毎月の入金が続きません。

投資は始めたものの、出費が増えた月に積立を止める。
ボーナス月だけ入れて、普段は入れられない。
この状態だと、投資以前に入金の仕組みが不安定です。


守る力が弱いと、下落時に耐えられません。

相場が下がったときに、生活費や急な支出が重なると、投資資産を売る選択肢が出てきます。
本来は長期で持つはずだったものを、悪いタイミングで手放すことになりかねません。


稼ぐ力が弱いと、少額の値動きに感情が揺れやすくなります。

入金力が小さい状態では、含み損や評価額の変動が大きく見えます。
その結果、投資判断が感情に寄りやすくなります。


つまり、増やす力だけを先に鍛えようとしても、土台が弱いと苦しくなります。


投資で資産形成を進めたいなら、投資だけを見ない方がいいです。

投資を続けられる状態を先に作ることが大事ということです。



順番を間違えると、行動しているのに進まない

資産形成で厄介なのは、間違った順番でも「頑張っている感」は出ることです。


たとえば、貯める力が弱いまま副業を始める。

副収入は入るけれど、その分だけ外食や買い物が増える。
結果として、忙しくなったのに資産はあまり増えない。

これは「稼ぐ力」を増やしているようで、実際には「貯める力」が追いついていない状態です。


守る力が弱いまま投資額を増やすケースもあります。

毎月の積立額は大きい。
でも、現金が薄い。
急な出費が来ると、投資を止めるか、売却する必要が出てくる。

これは「増やす力」を鍛えているようで、実際には「守る力」が不足しています。


逆に、増やす前に完璧を求めすぎるケースもあります。

もっと勉強してから。
もっと貯金してから。
もっと相場が落ち着いてから。

こうしているうちに、いつまでも少額の積立すら始められない。
これもまた、順番の詰まりです。

守ることは大事ですが、守りすぎて一歩も進まないなら、少額で増やす経験を持つことも必要です。


順番を間違えると、行動量のわりに成果が出にくくなります。

逆に、順番が合っていれば、少なくとも前に進みます。



フェーズ別に、今どこから整えるか

ここからは、もう少し具体的に考えます。


🥵生活が毎月ギリギリの人

まず見るべきは、貯める力です。

毎月の収支がギリギリなら、最初に投資先を調べるより、支出の構造を見た方がいいです。


特に固定費です。

家賃、通信費、保険、サブスク、車、ローン。
このあたりは、一度見直すと効果が続きます。


ただし、削れる支出に限界がある場合は、稼ぐ力も同時に見ます。

転職、副業、スキルアップ、残業代、資格手当など、方法は人によって違います。

大事なのは、「支出だけでどうにかする」と決めつけないことです。


生活が毎月ギリギリの人にとって、投資は悪ではありません。

ただ、優先順位としては、まず生活が回る状態を作ることです。


🥶貯金はあるけれど、不安が強い人

この場合は、守る力を整える段階です。

貯金があるのに不安が強い人は、金額そのものより、何に備えているのかが曖昧なことが多いです。


生活費何か月分なのか。
収入が止まった場合に何か月耐えたいのか。
家族構成や働き方を踏まえて、どれくらい現金を置くべきなのか。

ここを言語化すると、不安はかなり整理されます。


防衛資金は、不安をゼロにするためのお金ではありません。

投資を売らずに済む状態を作るためのお金です。

防衛資金の決め方はこちらで詳しく書いています。

また、防衛資金があっても不安が消えない場合は、お金の額ではなく、不確実性との付き合い方が課題になっていることもあります。


🤓防衛資金もあり、毎月の余剰もある人

この段階に来たら、増やす力に進みやすくなります。

最初から大きな金額でなくても構いません。
月数千円でも、まずは投資を生活の中に置くことが大事です。


投資は、知識だけでは分からない部分があります。

実際にお金を入れて、値動きを見て、自分がどう感じるか。
下がったときに放置できるか。
積立を続けられるか。

これは経験しないと分かりません。


そのうえで、目標として分かりやすいのはNISAの積立投資枠です。

つみたてNISAの時代であれば月3.3万円ほど。
現在の新NISAであれば、積立投資枠は月10万円です。

もちろん、最初から満額を入れる必要はありません。
ただ、目標があると、どこを目指せばいいかは分かりやすくなります。


防衛資金を決めたあと、いくらから投資に回していいのかについてはこちらで整理しています。


🤔投資はしているのに、資産形成が進まない人

この場合は、投資先より入金力を見る方がよいです。

投資商品を見直すことも大事ですが、資産形成の初期から中期では、毎月いくら入れられるかの影響が大きいです。


月1万円を年利5%で運用するのと、月10万円を年利5%で運用するのでは、当然結果は大きく変わります。

利回りを少し上げるより、入金額を上げる方が効く場面も多いです。


入金力は、稼ぐ力だけで決まりません。

収入が増えても、生活水準も同じだけ上がれば残りません。
副収入が入っても、その分を使い切れば資産形成にはつながりません。

だからこそ、稼ぐ力と貯める力はセットで見た方がいいです。


副収入の扱い方については、こちらもご参照ください。



私の考え方

私自身は、資産形成は順番ゲーだと思っています。

まず、生活を崩さないこと。
次に、守るためのお金を決めること。
そのうえで、毎月の投資額を固定すること。

この順番です。


投資額は、相場で変えません。

上がっているから増やす。
下がっているから減らす。

そういう判断を毎月していると、結局感情に引っ張られやすいからです。


見直すとしたら、生活や収支が変わったときです。

収入が増えた。
固定費が下がった。
家族構成が変わった。
大きな支出予定が出てきた。

こういうときに、投資額や現金比率を見直します。


また、私の中ではEA(FX自動売買)や副業による副収入も「増やす力」ではなく「稼ぐ力」に近い位置づけです。

目的は、インデックス投資の入金力を上げることです。

投資で一発当てるためではなく、毎月の積立を続けやすくするために、稼ぐ力を補う。

この整理の方が、自分の中ではしっくりきています。


増やす力は、最後に回す。
ただし、最後まで何もしないという意味ではありません。

少額でも始める。
値動きに慣れる。
毎月の入金額を固定する。
生活が整ったら少しずつ増やす。

このくらいの方が、長く続けやすいと思っています。



まとめ

資産形成は、何をやるかも大事です。
ただ、それ以上に、どの順番で整えるかが大事です。

稼ぐ。
貯める。
守る。
増やす。

この4つは、同じものではありません。
それぞれ役割があり、整える順番があります。

貯める力がないまま稼いでも、残りません。
守る力がないまま増やしても、続きません。
増やす力だけを見ても、入金力が弱ければ進みにくいです。

まずは、自分が今どこで詰まっているのかを見つける。
そして、今やるべき1つを決める。


資産形成は、特別な正解を探すより、順番を間違えないことの方が大事です。

焦らず、今のフェーズに合った一手を積み上げていきましょう。

それでは。


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