【夜の静寂🌙、昼の気配】(6)休止符のない揺れ
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年が明け、
新しい仕事の課題が、
容赦なく目の前に突きつけられた。
この瞬間、私はひとりだ。
この事務所の社員ではない。
肩書きも、守られる立場もない。
与えられたのは、成果だけだった。
派遣の彼女の姿が、視界の端に入る。
だが、
このときばかりは、気にしている余裕がない。
頭の中は、課題で埋め尽くされている。
不思議なもので、
こういう局面では、
普段は温厚に見える社員たちでさえ、
どこか冷たく感じられる。
質問一つ、視線一つが、距離を測るものに変わる。
──ここで踏ん張れるかどうか。
こういうときこそ、自分の真価が問われる。
逃げ場はない。
考え抜き、整理し、
ようやく一つの方向性が見えた。
胸の奥で、小さく息をつく。
その瞬間だった。
ふと、彼女の姿が目に入った。
主観なのだろう。
だが、
彼女の目が、いつもより冷えて見えた。
冷徹というより、
そこに暖かさがない、と言ったほうが近い。
あの部署で、
相変わらず男性社員たちの中心にいるのだろうか。
それとも、
今日は静かに仕事をしているのだろうか。
距離があるからこそ、
想像だけが先に立つ。
なぜか、今週は、
彼女の目が空虚に見える。
焦点が合っていないような、
感情が抜け落ちたような。
心が、そこにない。
そんな印象すら受ける。
もちろん、そんなはずはない。
彼女は彼女の仕事をしているだけだ。
それ以上でも、それ以下でもない。
だが、
これまで「気配」や「温度」として感じていたものが、
急に途切れたように思えて、
私は戸惑っていた。
仕事に集中すべきなのに、
視線が、意識が、わずかに揺れる。
──これは、彼女の変化なのか。
──それとも、私の側の問題なのか。
答えは、まだ見えない。
ただ確かなのは、
年が変わっても、
昼の現実は容赦なく続き、
夜に持ち越される感情だけが、
静かに形を変えているということだった。
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