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ジャンヌ・ダルク 農家の娘がいきなり祖国の救世主に【手のひらの偉人伝6】

1400年代のフランスに、ジャンヌというごくふつうの農家の娘がいました。

彼女は17歳のとき、英仏の戦争で、フランスの重要な都市オルレアンがイギリス軍に包囲されたことを知ると、「戦って国を救え」という不思議な声を聴き、立ち上がります。

まず、彼女に説得された親戚のおじさんとともにフランス軍の司令官の1人を訪ね、「王太子シャルル(当時の最も有力な権力者)に取り次いでほしい」と懇願します。

そして、ふつうはあり得ないことですが、希望が実現。王太子や周囲の学者も、最初は彼女を疑いましたが、対話を重ねるうちに信じるようになります。ジャンヌは数千の兵を与えられ、オルレアンに派遣されました。

そして、オルレアンの軍人・兵士も、彼女を受け入れます。彼女にはもちろん軍事の経験はなかったのですが、その的確な指揮によってイギリス軍は敗走してしまいました。

彼女に会った人は、最初は「この娘、頭が変」と思います。しかし、やがて信じてしまう。

ジャンヌの活躍が後押しして、シャルル王太子は国内のライバルとの権力争いに勝利し、シャルル7世として王位につきます。

しかし、事態が落ち着くと、彼女は「危険人物」とされて孤立していきました。そして、フランス国内の敵対勢力に捕えられ、イギリス側に引き渡されて19歳のとき火あぶりにされました。シャルル7世は、彼女を見殺しにしました。

以上は史実です。この驚異の出来事は、当時の人びとの信心深さや愛国心の芽生え、危機における「奇跡への願望」などが重なった結果です。条件がそろえば、「ジャンヌ・ダルク」はまた現われるかも。

そして、そんな救世主は、直面していた危機が去ると、結局は主流派によって排除されるでしょう。ジャンヌがそうだったように。

*ジャンヌ・ダルクの生没年 1412~1431

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*古今東西の偉人を数百文字で切り取って紹介した記事を、その都度思いつきでアップしています。

(参考文献)
・池上俊一『世界史のリテラシー  少女は、なぜフランスを救えたのか  ジャンヌ・ダルクのオルレアン解放』NHK出版、2023年

「手のひらの偉人伝」のつぎの記事。マガジンにもまとめています。

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