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AIでコピーが作れる時代に、「顧客の声」が最強の販促資産になる理由

生成AIを使えば、広告のキャッチコピーやLPの文章は、驚くほど簡単につくれるようになりました。

「この店舗のキャッチコピーを10案考えて」
「ファミリー向けの訴求に変えて」
「SNS広告用に短くして」

こんな指示を出せば、数秒でそれらしい文章が返ってきます。

便利ですよね。

少し前まで、こうした販促メッセージを考えることには、それなりの専門性と時間が必要でした。

でも、AIによって「文章をつくること」そのもののハードルは、急速に下がっています。

では、誰でもコピーをつくれる時代に、店舗の販促はどこで差がつくのでしょうか。

私は、

「どう書くか」以上に、「何を言うか」を見つけられることが重要になる

と考えています。

そして、その答えを見つけるための材料として、とても面白いのが顧客の声です。

今回は、ある施設に寄せられた数百件のクチコミをAIで分析し、実際に販促メッセージを考えてみました。


約450件のクチコミを分析してみた

今回分析したのは、あるアウトドア施設に寄せられた453件のクチコミです。

平均評価は4.46。星4〜5の評価が91.2%を占めています。

そのうち、本文が投稿されている371件について、「お客様は何を評価しているのか」を分析しました。

特に多かったのが、次のような内容です。

ここで面白かったのは、この施設の分かりやすい魅力である「景色」だけが評価されていたわけではないことです。

むしろ、最も多く言及されていたのは設備の清潔さでした。

シャワーや炊事場、スタッフの対応についても多くの声があります。

つまり、顧客の声から見えてきたのは、

「自然の中で過ごす非日常感」と「家族や初心者でも安心できる快適さ」が両立している

という価値でした。

単に「景色の良いキャンプ場」ではない。

この組み合わせこそが、この施設の“勝てるポイント”なのではないか。

そんな仮説が見えてきました。

店舗が思う「強み」と、顧客が感じる「価値」は少し違う

店舗の販促を考えるとき、

「うちの強みは何だろう?」

と考えることは多いと思います。

立地がいい。
設備が充実している。
スタッフの対応がいい。
品ぞろえが豊富。

もちろん、自分たちで強みを整理することは大切です。

ただ、本当に知りたいのは、

「自分たちが何を強みだと思っているか」ではなく、「お客様が何を理由に選び、何に価値を感じたのか」

ではないでしょうか。

今回のケースも同じです。

「景色がきれい」という事実だけであれば、比較的簡単に気づけます。

でも、数百人の声を重ねてみると、

「自然は楽しみたい。でも、家族に不便な思いはさせたくない」

「アウトドアには行きたい。でも、水回りが汚いところは避けたい」

「初心者でも安心して楽しめる場所を選びたい」

といった、もう一段深いニーズが見えてきます。

ここまで分かると、販促で伝えるべきことも変わってきます。

実際に、どんなコピーにしたのか

では、この分析をもとに、どんな販促メッセージを考えたのか。

たとえば、クチコミに書かれている言葉をそのまま使えば、

「設備がきれいなキャンプ場」

「シャワーや炊事場も充実」

となります。

間違ってはいません。

ただ、これでは設備の説明で終わってしまいます。

そこで、

なぜ、お客様は設備の清潔さをそこまで評価しているのか?

を考えてみます。

すると、設備そのものではなく、

「自然を楽しみたいけれど、快適さまで犠牲にはしたくない」

という気持ちが見えてきます。

そこで、メインの訴求として考えたのが、

自然を楽しむ。でも、快適さまで諦めない。

というコピーです。

家族や初心者を意識するなら、

家族みんなが心地よく過ごせる、アウトドア体験を。

もう少しブランド的に表現するなら、

絶景だけじゃない。心地よさまで、思い出に。

といった方向も考えられます。

大切なのは、AIにいきなり、

「この施設のキャッチコピーを考えて」

と聞いたわけではないことです。

先に顧客の声から「選ばれている理由」を見つけ、それを顧客にとっての価値へ翻訳し、最後にコピーにする。

流れとしては、

顧客の声 → 選ばれる理由 → 顧客価値 → 販促メッセージ

です。

AIは最後の「言葉にする」ところだけでなく、その前段の分析にも使えるようになった。

ここが大きな変化だと思っています。

不満の声からは「買う前に知りたいこと」が見える


さらに、分析するのは良いクチコミだけではありません。

低評価のクチコミや改善要望にも、販促のヒントがあります。

今回のケースでは、

  • 混雑や周囲の音

  • サイト選びの分かりにくさ

  • 天候や環境への不安

  • 設備の利用方法

などについての声がありました。

一見すると、ネガティブな情報です。

ただ、見方を変えると、

これから予約する人が、事前に知っておきたい情報

でもあります。

たとえば、「どのサイトを選べばよいか分からない」という声があれば、それぞれの特徴を比較したコンテンツをつくる。

初心者の不安が多ければ、設備や持ち物を写真・動画で紹介する。

天候への不安があれば、季節ごとの服装や過ごし方をまとめる。

そう考えると顧客の声は、広告コピーだけでなく、

Webサイト、SNS、動画、FAQ、予約ページなど、販促全体を改善するためのデータ

として使えます。

AIで「大量の言葉」をマーケティングデータにできる

こうした分析は、以前から不可能だったわけではありません。

ただ、数百件の自由記述を一件ずつ読み、分類し、共通点を見つけるのはかなり大変です。

AIを使うことで、

  • 評価されているポイントを分類する

  • よく出てくるテーマを集計する

  • 不満や不安を整理する

  • 顧客ニーズの仮説をつくる

  • ターゲットごとの訴求を考える

  • 広告やLPのメッセージへ展開する

といったことが、かなりやりやすくなりました。

個人的に面白いと思っているのは、これまで扱いづらかった「言葉」が、マーケティングデータとして使いやすくなったことです。

POSを見れば、「何が売れたか」は分かります。

アクセス解析を見れば、「何を見たか」が分かります。

広告データを見れば、「何をクリックしたか」が分かります。

そして顧客の声には、

「なぜ良いと思ったのか」

が残っています。

AIによって、この「なぜ」を大量に読み解けるようになったことは、店舗マーケティングにとってかなり大きな変化だと思います。

AIでコピーが作れるからこそ、「元データ」が重要になる

ここで、冒頭の話に戻ります。

生成AIによって、コピーをつくること自体は、これからますます簡単になるはずです。

広告コピーを10案つくる。
LPを書く。
SNS投稿をつくる。

競合も同じようにAIを使えます。

では、どこで差がつくのか。

私は、

AIに何を書かせるかより、AIに何を渡せるか

が重要になってくると思っています。

「キャンプ場の魅力を伝えるコピーを考えて」

だけなら、AIは一般的なキャンプ場の知識から、いくらでも案をつくれます。

一方、

「実際に利用した371人は何を評価していたのか」

というデータがあれば、話は変わります。

そこには、実際の顧客体験に根ざした、その施設ならではの情報があります。

つまり、コピーそのものの希少性が下がるほど、

コピーの根拠となるデータの価値は、相対的に高くなる。

顧客の声は、その有力な一つだと考えています。

さらに、顧客の声は「AIに理解されるための情報」にもなる

もう一つ、これから重要になると思っていることがあります。

顧客の声は、人に向けた販促メッセージをつくる材料になるだけではありません。

AIが、その店舗を理解するための材料にもなっていく

ということです。

お店探しではすでに、「子連れで行きやすい店は?」「初心者でも相談しやすい店は?」といった、条件を文章で伝えてAIに候補を探してもらう体験が生まれています。Googleマップでも、クチコミの要約や場所について質問する機能など、AIが店舗情報を整理する体験が広がっています。

このとき、

「最高のサービスです」
「設備が充実しています」

という店舗側の説明だけでなく、

「子ども連れでも安心して利用できた」
「初めてでもスタッフが丁寧に教えてくれた」
「景色だけでなく水回りも快適だった」

といった具体的な顧客体験が存在する。

さらに、それらを分析して、

「初めて利用する人向けのページ」
「家族で利用するときの楽しみ方」
「設備や過ごし方を詳しく紹介する記事」

といったコンテンツにしておく。

そうすることで、

「この店舗は、誰の、どんなニーズに応えられるのか」

をWeb上でより具体的に表現できます。

もちろん、こうしたコンテンツをつくれば、必ずAIに推薦されるという話ではありません。

ただ、AIがWeb上の情報やクチコミなどをもとに店舗を理解し、ユーザーの条件に合う場所を整理するようになるほど、店舗の特徴を具体的に説明できる情報が存在することは重要になっていきます。

ここでも、起点になるのは顧客の声です。

顧客の声を「評判」で終わらせない

クチコミというと、

「星の評価を上げる」
「件数を増やす」
「悪いクチコミに返信する」

といった評判管理の視点で語られることが多いと思います。

もちろん、それも大切です。

ただ、AIで大量の言葉を分析できるようになったことで、使い道はもっと広がりました。

顧客の声から、選ばれている理由を見つける。

そこから販促メッセージをつくる。

WebサイトやSNS、広告へ展開する。

そして、顧客体験を具体的に伝える情報をWeb上に蓄積していく。

こう考えると顧客の声は、単なる「評価」ではなく、

次の集客を生み出すための販促資産

として見ることができます。

AIがコピーを作ってくれる時代だからこそ、人間にしか生み出せない実際の顧客体験を、どれだけ集め、残し、活用できるか。

少し逆説的ですが、AI時代だからこそ「人の声」の価値が上がっているのかもしれません。


最後に少しだけ、スタッフバリューのご紹介

私たちが提供している「スタッフバリュー」は、来店したお客様が自身の体験を振り返り、スタッフや店舗へのメッセージとして残せる仕組みです。

集まった声をスタッフへの称賛として届けるだけでなく、クチコミやWebサイト、SNSなど、店舗の魅力を伝える情報資産として活用していくことを目指しています。

「クチコミを増やす」だけではなく、

なぜ選ばれ、何が評価されているのかを、顧客の言葉で残す。

そこから店舗の強みを見つけ、次の集客につなげていく。

スタッフバリューでも、そんな顧客の声の活用を広げていきたいと考えています。