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Groq、6.5億ドルの新規調達 ― Nvidiaへの200億ドル規模「非買収型」移籍から半年

ライバル企業に幹部とIPを「実質的に持っていかれた」企業は、その後どう立て直すのか。AIチップスタートアップのGroqが、その一つの答えを示している。


1. Groq、6.5億ドルの新規調達を確認


6月22日(月)、Groqは、新たに6.5億ドルの資金調達ラウンドを発表し、5月末に報じられていた観測を確認した。この調達は、Nvidiaが、昨年12月にGroqの技術に関する非排他的ライセンス契約を結び、創業者でCEOのJonathan Ross氏や社長のSunny Madra氏ら複数の従業員を引き入れてからおよそ半年後のタイミングとなる。なお、Groqは新たな企業評価額を公表していない。直近では昨年9月の7.5億ドル調達時に69億ドルの評価額がついていた。

2. Nvidiaとの「非買収型」ディールの全容


2-1. 契約の構造と幹部移籍

昨年12月の契約は「買収」ではなく「ライセンス契約」という体裁を取った点が特徴的だった。Groqは声明で、Groqの推論技術に関してNvidiaと非排他的ライセンス契約を結んだとし、価格は公表しなかった。一方で、この契約に伴い、創業者でCEOのJonathan Ross氏と社長のSunny Madra氏、その他複数の上級幹部がNvidiaに移籍し、ライセンス技術の推進・拡大を支援すると説明された。報道では、この取引はNvidiaにとって過去最大の買収・取引になるとされている。

取引金額については、Groqの直近ラウンドを主導したDisruptiveのCEOであるAlex Davis氏によれば、Nvidiaは、現金約200億ドルでGroqの資産を取得することで合意したとされている。なお、大半の株主は200億ドルの評価額に応じた配分を受け取る形となり、約85%が前払い、残りは2026年半ばと年末に段階的に支払われる仕組みだったと報じられている。

2-2. Nvidiaにとっての狙い

Ross氏はもともとGoogle出身で、同社のAIチップ「Tensor Processing Unit」の開発に関わった人物として知られている。Nvidiaにとっては、競合になり得る存在を取り込みながら推論向け技術を取得する一手だったとの見方がある。実際、GroqのIPがNvidia側に渡ったことを受け、Nvidiaは、3月のGTCで自社のハードウェアクラスター「Nvidia Groq 3 LPX」を発表している。

3. Groqの事業転換 ― ニアクラウド事業へのピボット


3-1. 新体制の経営陣

幹部の大量移籍を受け、Groqは経営陣の再構築を進めている。Ross氏と共にGoogleからGroqを立ち上げたDoug Wightman氏がNvidiaとの契約後も残り、CEOに就いた。さらに、米海軍出身でxAIやMetaでの経験を持つAlan Rice氏をCOOとして新たに採用した。加えて、企業向けクラウドソフトウェア企業Apprendaを創業したSinclair Schuller氏がCTOに、同社で共に働いたRakesh Malhotra氏がCPOに就任した。両氏は、その後、2024年にEYに買収されたソフトウェア企業Nuvalenceを共同創業した実績を持ち、Malhotra氏はMicrosoftのクラウド製品部門で約10年間の経験を積んでいる。

3-2. 事業規模を示す数字

Groqが現在力を入れているのは、もともとMadra氏が手がけていたニアクラウド(neocloud)事業だ。この事業は、2024年にGroqが、Madra氏のAIデータ分析企業Definitive Intelligenceを買収したことから始まり、現在は、北米・欧州・中東・アジア太平洋地域にまたがる13のデータセンターまで拡大している。同社によれば、500万人を超える開発者と数千社のAI企業にサービスを提供し、週あたり数兆トークン規模の処理を行っているという。

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