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【6/13 - 6/18】注目の海外スタートアップの大型資金調達

米国スタートアップの大型資金調達ランキングによると、2026年6月13日から18日の週は「大型ディールにとって特に活発な週ではなかった」という。それでも、AI世界モデルからフィンテック、量子計算、サイバーセキュリティまで幅広い分野で目立つ調達が相次いだ。本稿では、投資家・ビジネスパーソンの視点から主要なディールを整理する。


1. 首位はAI世界モデル企業Odyssey ― 評価額14.5億ドル


週間最大の調達は、カリフォルニア州メンロパークに本社を置くOdysseyによるものだ。Natural Capitalが主導するシリーズBラウンドで3.1億ドルを調達し、評価額は14.5億ドルに達したという。出資者には、Amazon、AMD Ventures、EQT、Google Ventures、IQT、SignalRankが名を連ねている。Odysseyは、現実世界の環境を多モーダルでシミュレーションする「AI世界モデル」を開発する企業で、これまでの累計調達額は3.37億ドルになったとされる。

2. フィンテック・プライベートマーケット領域の動き


2位はニューヨークを拠点とするChronographで、Sixth Street Growthが主導するプライベートエクイティラウンドで1.4億ドルを調達した。同社は、プライベートキャピタル投資家向けのポートフォリオモニタリング・レポーティング・デューデリジェンスソフトウェアを提供しており、プライベート資産市場の拡大を背景に重要性が高まっている分野だという。累計調達額は1.6億ドルに達した。

3. 1億ドル調達が4社並ぶ ― AI基盤・サイバー・国防・量子


3-1. AIインフラとサイバーセキュリティ

3位タイには4社が並んだ。コロラド州ボルダーのHydra Hostは、Kindred Ventures主導のシリーズAで1億ドルを調達。10x Founders、ARK Investment Management、Comcast Ventures、Founders Fund、Nvidiaなど多数の投資家が参加した。同社は、分散型AIコンピューティング基盤に顧客を接続する「ベアメタルGPUプラットフォーム」を運営しており、累計調達額は1.19億ドル弱となっている。

サイバーセキュリティ領域では、カリフォルニア州サンタクララのEnt.AIが、ステルスから登場し、Decibel Partners主導のシードラウンドで1億ドルを調達したと発表した。元RiskIQ幹部やMicrosoft Security Copilotチームの出身者が創業した同社は、「ユーザーやAIエージェントの行動をリアルタイムで分析し、サイバー脅威を未然に防ぐ」AI搭載のワークスペース・セキュリティ基盤を提供するという。

3-2. 国防テックと量子コンピュータ

国防テック分野では、バージニア州アーリントンのTwenty Technologiesが、評価額10億ドルでシリーズBを実施し、1億ドルを調達した。Accelが主導し、米軍・諜報機関向けにAIを活用したサイバー戦システムを開発、攻撃的サイバー作戦の自動化・高速化を支援するという。累計調達額は1.38億ドルに達している。

量子計算分野では、カリフォルニア州バークレーのAtom Computingが、Third Point Ventures主導のシリーズCで1億ドルを調達し、累計の民間調達額は1.91億ドル超となった。さらに注目すべきは、CHIPS・科学法に基づき米商務省から1億ドルの意向表明書(LOI)を受けたという点だ。これは政府が少数株を取得する形での公的支援であり、中性原子方式の量子コンピュータを開発する同社にとって、民間資金と公的支援を組み合わせた珍しい事例となっている。

4. バイオテック・半導体・その他の調達


バイオテック分野では、マサチューセッツ州ウォータータウンのTriveni Bioが、Ascenta CapitalとJanus Henderson Investorsの共同主導でシリーズC6,500万ドルを調達。免疫・炎症性疾患向けの抗体医薬を開発しており、累計調達額は2.72億ドルに達した。

半導体インフラ領域では、メンロパークのAttoTudeが、The Westly Group主導でシリーズC5,200万ドルを調達。AIおよびハイパースケール・データセンター向けの高速インターコネクト技術を開発しており、累計調達額は1.42億ドルとなっている。

その他、AI音声エージェントを手がけるBland AIが、Dell Technologies Capital主導でシリーズC5,000万ドルを調達(累計1.06億ドル)、ブルックリンの決済プラットフォームInterchecksが、シリーズC5,000万ドルを調達(累計7,900万ドル弱)、生物システムのシミュレーション・予測AIを開発するRadical Numericsが、ステルスから登場しEmergence Capital主導でシード5,000万ドルを調達したことも報告された。

5. 米国外最大のディール ― DeepSeekの異例の資金調達


米国外では、中国のAIチャットボット企業DeepSeekが、創業者Liang Wenfeng氏を通じて初の外部資金調達を実施したと報じられた。報道によれば調達額は約74億ドル規模というシリーズAだが、構造はかなり異例だという。出資者が取得するのはDeepSeek本体の株式ではなく、Liang氏が支配するLLC(有限責任会社)の権益にとどまり、5年間のロックアップが課され、投票権も付与されないとされている。同社は2025年初めにAI関連株を一時的に揺るがした企業として知られている。

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