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ゴールドマンCEOが読む2026年:AI×M&Aで“追い風”、ただし政策ノイズ

「AIは“実験”から“産業の設備投資”になった」——。ゴールドマン・サックスのデビッド・ソロモンCEOは、AI・M&A・市場環境をまとめて語る中で、2026年の景色をかなり強気に描きました。一方で、CEOたちの心理は楽観一色ではなく、“政策ノイズ”への警戒も強い。今回の発言は、投資家・経営者が「次の追い風」と「落とし穴」を同時に点検するための材料になります。


1. 市場:2026年は「リスク資産に追い風」だが、ノイズが怖い


ソロモン氏は、2026年のマクロ環境を「リスク資産と市場にとってかなり良い」と表現し、背景に金融緩和やAIインフラ投資の拡大など“刺激的な要素の重なり(confluence)”を挙げています。

ただし、楽観の裏側には不安がある。Fortuneは、企業トップが感じる懸念を彼の言葉で紹介しました。
「ワシントンの外の“ノイズ”が大きい」、そして、政策運営が「shotgun approach(散弾銃のように散らばる)」で一貫性に欠ける——。

1-1. “政策の一貫性”が、投資判断のブレーキになる

彼の論点はシンプルです。CEOは投資したい。しかし「予測可能性」がないとアクセルを踏み切れない。だからこそ「ノイズを減らし、成長機会に集中してほしい」という要望になる。

2. M&A:規制環境の転換で「過去最高クラスの年」も


最も強気なのがM&Aです。ソロモン氏は、ここ数年の規制環境では、CEOが当局に相談しても「質問が何であれ答えは“No”だった」と振り返りつつ、現在は風向きが変わったと示唆しました。
そして核心の一言。「大きな外生ショックがなければ、2026年はM&A史上最高の年の一つになり得る」。

2-1. “案件が回る”こと自体が、金融株の追い風になる

実際、ロイターは、2025年に取引・ディール回復がゴールドマンの追い風となり、同社がM&A助言で大きな案件を手掛けたことを報じています(投資銀行業務の楽観見通しにも言及)。
つまり、投資家視点では、M&Aの回復は、「市場心理」だけでなく「手数料ビジネス(収益)」にも直結します。

3. AI:バブル論より「設備投資と生産性」の現実


TIMEのインタビューでソロモン氏は、AIを“景気を押し上げる構造要因”として説明しています。ポイントは、AIがソフトウェアの流行ではなく、資本支出(AIインフラ投資)としてGDPに効いているという見立てです。

さらに、いわゆる「AIバブル」論に対しては、長期で見れば生産性向上は、“巨大に建設的(hugely constructive)”だと強い期待を示しています。一方、短期では資本形成やバリュエーションが先走りやすい——と、温度差も認めています。

3-1. 経営者が見るべきは「導入の設計図」

彼の話を事業側に翻訳すると、論点は3つです。

  • どこで生産性が出るか(フロントだけでなくバックオフィス・業務プロセスまで)

  • どれだけ投資が必要か(AIは“GPU・電力・データ”が要る)

  • 評価が先行していないか(短期の期待と長期の実装のギャップ)

4. まとめ:2026年の「攻め筋」と「落とし穴」


ソロモン氏の見取り図は、攻めの材料が揃った年——金融緩和×AI投資×規制の追い風——というものです。
ただし落とし穴は“ノイズ”。政策の予測不能性や地政学が、センチメントを急変させるリスクとして残る。だからこそ実務では、次の問いが効きます。
「追い風は何で、止まるとしたら何が引き金か」。M&Aの回復とAIの設備投資を軸にしつつ、外生ショック耐性(資金繰り・在庫・投資ペース)まで点検する——それが、彼の強気コメントを“使える示唆”に変える読み方です。

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