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AIは終わらない。でも主役は変わる——半導体の次に伸びる「生産性・効率化」銘柄の探し方

BlackRockの投資ポッドキャスト「The Bid」では、Carrie King(Fundamental EquitiesのGlobal CIO)が2026年の株式市場を、(1)利益成長と(2)どの倍率(PER)を市場が許容するかに分解して語りました。司会のOscar Pulidoも「2025年とは違う景色だ」と前置きし、AIは続くが“勝ち組の顔ぶれ”は変わり得る、という論点が中心です。


1. リターンの源泉は「利益成長×PER」——“22倍は高い”をどう扱うか


Carrieは、「今の懸念はPERの高さ(22倍前後)」と認めつつ、高PERそのものが強気相場を止めるとは限らない、そして、企業の“質”が過去より上がっているという見立てを提示します。これは「ドットコム期と同じ倍率だから危険」といった単純比較へのアンチテーゼです。
実際、S&P500のフォワードP/Eが22倍台という水準感自体はデータでも確認できます。
ポイントは「倍率の議論をするなら、同時に“利益の持続性・資本効率・バランスシート”まで見よ」ということです。

2. AIは続くが、主役は「Picks & Shovels」から“生産性の受益者”へ


番組ではAI投資の“段階”が整理されます。

  • 2022〜:半導体・製造装置など「picks and shovels(ツルハシとシャベル=基盤供給者)」

  • 2025:データセンター建設が波及し、電力・空調・部材などインフラ銘柄へ

  • 2026:焦点が「CAPEX→コスト削減・効率化」へ移り、受益企業が広がる

ここで重要なのは、AI関連の“成功”が売上の急拡大だけでなく、「コスト削減」「業務時間の短縮」として可視化され始める点です。IBMのCEO調査でも、「2027年までにAI投資がROIを生む」と見込むCEOが多数という結果が出ています。
つまり、2026年は、「AI=一部の超大型テック」ではなく、AIを使って利益率を上げる企業が評価されやすい年、という読みになります。

3. 最大の落とし穴は「投資と回収のタイミングずれ」——レバレッジの論点


Carrieが繰り返し注意するのが、AIは“世代を代表する技術”である一方、支出(投資)とリターン(回収)の間にタイムラグが生じることです。番組内でも「timing mismatch」という言葉が出てきます。

ここが、2026年のボラティリティ要因になります。とくにデータセンターや周辺インフラでは設備投資が膨らみ、資金調達(負債活用)が増えれば、金利環境や需要の読み違いに敏感になります。だからこそ、彼女は「フリーキャッシュフローが厚い大型株が“安全な遊び方”」と述べ、財務体力を重視します。

4. 米国“以外”も見直し:新興国と日本(家計の現金偏重×改革圧力)


2025年に米国以外が健闘した流れを受け、Carrieは2026年の機会として

  • 新興国:世界的な利下げの追い風、サプライチェーン再編

  • 日本:デフレからインフレへの転換、企業統治改革、株主還元の改善
    を挙げます。

日本については、番組で「家計資産の過半が現金」という趣旨が語られますが、直近データでは、現金・預金は約49%と報じられており(依然として突出して高いが“50%超”は状況次第で変動)、論点としては「現金偏重がリスク資産シフトの余地を残す」という理解が妥当です。

5. 2026年の投資家への“実務的”チェックリスト


最後に、番組のメッセージを行動に落とすなら、次の順が堅いです。

  1. 利益成長の中身:売上増だけでなく、AIによる粗利・販管費・生産性の改善が出ているか

  2. 財務体力:AI投資を「借金」で回していないか/FCFで耐えられるか

  3. 受益バケットの拡張:半導体だけでなく、運用最適化・効率化で利益が増える産業を探す

  4. 分散の錯覚に注意:AIに紐づく銘柄は相関が上がりやすい。必要なら“中身の違う”分散へ

Carrieの言葉を借りれば、2026年の合言葉は 「Embrace volatility(ボラを受け入れろ)」。一直線に上がる相場を前提にせず、利益の質と財務の質で“次の勝ち組”を拾う年になります。

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