2026年「買うべき株」は“メガテック”じゃない?──小型株・エネルギー・コモディティ相場の勝ち筋
この回の面白さは、銘柄当てよりも先に「人間が市場で負けるパターン」を解剖している点にあります。象徴的なのが、バフェットのLTCM(ロングターム・キャピタル)評です。
「必要のない利益のために、必要な資産を危険にさらした」
という趣旨の話は、2026年の“強気相場っぽい空気”の中でこそ刺さります。
そして、ゲストのJC(テクニカル分析家)は、才能やIQではなく、行動設計が勝敗を分けると繰り返します。要するに「予想」より「ルール」。
1. 2026年の大前提:相場は“トレンド”で動き、商品は“長い波”になりやすい
冒頭で語られるのは、金を含むコモディティ上昇の“加速”です。彼らは「年初から突然の別の強気相場が始まった」感覚を共有し、さらに重要な観点として、
コモディティの強気相場は、歴史的に数四半期で終わりにくい
10年単位の“サイクル”になりやすい
という“時間軸”の話をします。
ここでの示唆はシンプルです。
「短期の上下で勝負する」より、長期で伸びやすいテーマに乗り、降り方(出口)を先に決めるほうが合理的、という立場です。
2. 投資家がまず学ぶべき「崩壊の型」:賢い人ほどやられる
2-1. LTCMの教訓=“正しさ”より“レバレッジ”が破壊する
番組内では、LTCMを「超優秀な委員会」が運用していた点を強調します。つまり、破綻は能力不足ではなく、
過信(自分たちは分かっている)
レバレッジ拡大(100倍→200倍→さらに…)
不要な追加リスク(すでに富裕なのに取りに行く)
で起きる。これは個人投資家に置き換えると、
「勝っている時ほど、ポジションサイズが膨らむ」問題です。
2-2. アイザック・ニュートンの寓話=FOMOは天才でも止められない
彼らは“バブルの古典例”として南海泡沫事件のニュートン話を出し、
「隣人が儲けているのを見て、降りた後に再参加して天井で買う」
という、人類共通の事故パターンを語ります。天才でも負けるのは、相場が「論理」より「群衆心理」に支配される局面があるから。
3. 2026年の“ノイズ”を減らす:JC流「4つのフェード対象」
JCが提示するのは、情報が多すぎる時のフィルターです。ポイントは「全員が同じ方向を向いた時」に逆が出やすい、という整理。
3-1. フェード対象①:ウォール街のアナリスト(コンセンサス)
利害・キャリアリスク・横並び圧力があるため、全員一致はむしろ危険信号になりやすい。
3-2. フェード対象②:資産運用業界のポジション“偏り”
先物などのポジションが極端に傾いた時、逆に振れた瞬間の損切りで“踏み上げ”が起きる、という発想。
3-3. フェード対象③:一般メディアの「テーマ化」
「株の話がメインストリーム化したら終盤戦」という見方。特に雑誌の表紙は、時間差で“みんなが知った”サインになりやすい。
3-4. フェード対象④:経済学者の“市場コメント”
経済学は重要だが、「市場は正しい/間違い」ではなく価格が先に動く。したがって、株式市場のタイミング議論は外れやすい、という立場。
4. 2026年の「買う候補」:番組に出た銘柄群を“型”で読む
ここは誤解しやすいのですが、彼らは「この銘柄が安いから買い」ではなく、“強いものを買う”(ブレイクアウト、上昇トレンド)を徹底しています。エピソードの番組説明も「2026年に見るべき株」をテーマに掲げています。
4-1. 金融:強気相場の“土台”としての金融株
会話で挙がる代表例は、Morgan Stanley(MS)、Goldman Sachs(GS)。
彼らの論点は「個別というよりセクター全体が強い」というもの。IPO・M&A・資産価格上昇など、金融の収益源が複数同時に追い風になりやすい、という整理です。
4-2. 半導体装置:相場の中核が“ソフト”から“セミ”へ広がる可能性
具体名として、KLA(KLAC)、Lam Research(LRCX)が登場。
ただし、「高値で飛びつけ」とは言っていません。むしろ、上昇トレンドの銘柄ほど短期で10%級の揺さぶりが起きる前提で、エントリーの仕方(押し目・節目)を重視するニュアンスです。
4-3. 商業不動産の“嫌われ領域”:CBRE
CBREは、「みんなが嫌う業界なのに株価が崩れない」タイプとして語られ、抵抗線下での保ち合い→上抜けのセットアップを高評価しています。
重要なのは、「ニュースや評判より、価格が先に答えを出している」点。
4-4. エネルギー:2026年の“主役候補”としての油田サービス
彼らが強い熱量を見せるのが、エネルギー(特に油田サービス)。例として Exxon(XOM)、Baker Hughes(BKR)、Halliburton(HAL)、そして、個別名として、Solaris Energy(SEI)も登場します。
ここは「原油がまだ本格上昇していなくても、サービス株が先に動く」可能性が語られ、需給とポジショニングの歪み(誰も持っていない)が火種になる、という見立てです。
4-5. 暗号資産周辺:マガジン表紙と需給の変化に注目
暗号資産領域では、MicroStrategy(MSTR)とCoinbase(COIN)が話題になります。特に「IBIT(iShares Bitcoin Trust)にオプションが上場した後、MSTR/BTCの関係が変わった」という“市場構造の変化”に言及しており、単なる強気弱気ではなく「代替手段の登場で需給が変わる」点を見ています。
5. 結論:2026年は「K字」を前提に、“勝ち方”を単純化する
番組の終盤で、彼らは2026年を「全部が上がる年」ではなく、
大勝ち銘柄
大負け銘柄
横ばい
が混在する “K字”になりやすい、と語ります。だからこそ、個人がやるべきは難しい予想ではなく、
「計画(ルール)に従って、脳を排除する」
という運用に寄せること。
具体的には、
入る前に「撤退条件(価格 or 時間)」を決める
コンセンサスが揃ったら一歩引いて確認する
“嫌われているのに強い”ものを候補に残す
「理由が分からないから買えない」を減らし、価格の事実を尊重する
この4つだけでも、2026年の“ノイズ”はかなり減ります。

