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【4/11 - 4/17】注目の海外スタートアップの大型資金調達

2026年4月11日〜17日の米国スタートアップ資金調達ランキングで、輸送(EV・自律輸送)とバイオテックという二つのテーマが突出した週となった。最大案件は、Slate AutoのSeries C(6億5,000万ドル)で、Jeff Bezos出資・今年中の初出荷を目指す低価格EVピックアップトラックメーカーだ。AIソフトウェア開発・フィンテック・半導体・宇宙テックも上位に名を連ね、10社合計は約14億ドルを超える。


1. Slate Auto——6億5,000万ドル・Jeff Bezos出資のローコストEVピックアップ


ミシガン州トロイ拠点のSlate Autoが、TWG Global主導のSeries Cで6億5,000万ドルを調達した。Jeff Bezosが出資する同社は、カスタマイズ可能な低価格EVピックアップトラック(SUVへの変換も可能)を開発しており、今年中に顧客への初出荷を計画している。

先週のSlash Financial記事でも触れたが、本週のFintech枠でも登場するSlashと並び、今週は「複数回登場する投資家」が目立つ。Khoslaは、Slate(今週4位のFactory)とZum(6位タイ)の両方に絡んでおり、「輸送の電動化・自律化」という一つの大きなテーマへの集中投資として読み取ることができる。

Ford CEOのJim Farleyが先週のインタビューで指摘した「手頃な価格のEVが市場を牽引している」という観察と合致しており、政府補助なしで稼働する低価格EVセグメントへの資本流入が加速している。

2. Beeline Medicines——3億ドル・ステルス明け即大型調達


ボストン拠点のBeeline Medicinesが、Bain Capital主導のSeries Aで3億ドルを調達しステルスから出た。Bristol Myers Squibb(BMS)からライセンスされた5つのプログラムを含む初期ポートフォリオで、自己免疫疾患・炎症性疾患向けの精密療法を開発する。

Bain Capitalがリードという点は注目に値する。同社はBain Capital Life Sciences(バイオ特化の投資部門)を持つが、ここ数年で「ステルス明け即大型調達」というモデルが増加している。これは「プログラムとチームの質を事前に確認した上で、ビルド段階から支援する」という確信投資のスタイルを反映している。BMSからのライセンス取得というリスク低減策も、この段階での巨額調達を可能にした要素だ。

3. Glydways——1億7,000万ドル・専用レーンを走る自律ポッド


サンフランシスコ拠点のGlydwaysが、鈴木自動車・ACSグループ・Khosla Ventures主導のSeries Cで1億7,000万ドルを調達した。専用レーンを走る個人用自律ポッドの開発会社で、今年中に3都市での運用パイロットを立ち上げる計画だ。

鈴木自動車の参加は興味深い。日本の大手自動車メーカーが、米国の「ポスト自家用車」インフラスタートアップに直接投資するという動きは、モビリティ産業の再編が従来の自動車メーカー×新興EV企業の対立軸だけでなく、「都市交通インフラ全体の再設計」という方向に広がっていることを示している。Khoslaは今週Factoryへの投資と合わせてこれがWeek内2件目の案件になる。

4. Factory——1億5,000万ドル・評価額15億ドル・AIコーディング自律化


サンフランシスコ拠点のFactoryが、Khosla Ventures主導のSeries Cで1億5,000万ドルを調達し、評価額15億ドル(創業3年)を達成した。ソフトウェアエンジニアリングへの自律性の導入を目指すスタートアップで、先週のOpenClaw・Peter Steinberger氏のセッションで語られた「AIエージェントがコードを書く時代」の実装プレイヤーの一つだ。

「ソフトウェア開発の自律化」という文脈で、先週のAll-In Podcastで言及されたOpenClaw(GitHub史上最速成長)・先週Crunchbase週次で紹介したDash0・Auctor(ERP実装AI)など、「開発者ツール×AIエージェント」分野への資本集中が複数週にわたって続いている。

5. Terremoto Biosciences——1億800万ドル・がん・希少疾患向け低分子医薬


サウスサンフランシスコ拠点のTerremoto Biosciencesが、Series Cで1億800万ドルを調達した。RA Capital Management・Deep Track Capital・Osage University Partners・BeOne Medicinesが出資者に名を連ねる。がん・希少疾患向けの低分子医薬品を開発しており、先週のSidewinder Therapeutics(バイスペシフィックADC)・Stipple Bio等と合わせて「精密バイオ」への資本流入が続いていることを示している。

6. Zum(同率6位)——1億ドル・K-12生徒送迎プラットフォーム・TPG出資


カリフォルニア州レッドウッドシティ拠点のZumが、TPGから1億ドルの新規調達を完了した。K-12(幼稚園〜高校)の生徒送迎を最適化するプラットフォームで、2015年創業。累計調達額は約5億ドルに達する。「生徒の輸送」という一見地味なセクターへのTPG(大手プライベートエクイティ)の投資は、「AI×自律化×学校インフラ」という長期テーマへの賭けと読める。Ford CEOが語った「ブルーカラー職の人材不足」と連動するインフラ投資という文脈でも位置付けられる。

7. Neomorph(同率6位)——1億ドル・がん治療・Series B・Deerfield主導


サンディエゴ拠点のNeomorphが、Deerfield主導のSeries Bで1億ドルを調達し、臨床試験を支援する。がん治療薬の開発会社で、今週のビオテック3社(Beeline・Terremoto・Neomorph)は合計5億800万ドルを調達した計算になる。

8. Slash Financial(同率6位)——1億ドル・評価額14億ドル・フィンテックユニコーン


先週本誌で詳細に報じたSlash Financialが今週のランキングにも登場した(調達発表タイミングによる集計の都合)。Ribbit Capital・Khosla Ventures・Goodwater Capital主導のSeries Cで1億ドルを調達し、評価額14億ドルのユニコーン認定を受けた。24ヶ月で年収1,000万ドルから2億5,000万ドルへの成長という実績は、先週の記事で詳述した。

9. nEye——8,000万ドル・光インターコネクト・Sutter Hill主導


シリコンバレー拠点のnEyeが、Sutter Hill Ventures主導のSeries Cで8,000万ドルを調達した。データセンター接続向けの統合光インターコネクト開発会社で、累計調達額は1億5,200万ドルに達する。2020年創業。

先週の記事でも取り上げたが、データセンターの物理インフラ——電力・冷却・接続——への資本集中が続いている。光インターコネクトは「データセンター内のGPU間接続をより高速・低電力で実現する」ための技術で、AIコンピュートの需要増に直結する課題を解く。「GPUを持っているだけでは足りない。つなぎ方が次のボトルネック」という文脈での投資だ。

10. Turion Space——7,500万ドル超・Series B・宇宙偵察インフラ


本週のCrunchbaseランキングの10位には、先週詳細に記事を書いたTurion Spaceが入った。Washington Harbour Partners主導のSeries Bで7,500万ドル超を調達。SpaceForceのAndromedaプログラム(18億ドルのIDIQ契約)への選定・年産8機→40機という5倍増計画・DROID衛星の累計4万枚以上の偵察画像提供という実績が評価されている。

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