見出し画像

DeepSeek、評価額710億ドルで追加調達へ ― わずか1カ月での急拡大とIPOに向けた布陣

中国発の大規模言語モデル開発企業DeepSeekが、新たな資金調達交渉に入っていると2026年7月14日付のBloombergが報じ、TechCrunchが同日伝えた。報道によれば、同社は、約710億ドルの評価額で約15億ドルの新規調達を目指しており、並行して、2027年のIPO(新規株式公開)実現に向けた準備も進めているという。前回の大型調達からわずか1カ月というスピード感は、AI業界における資金調達競争の激しさを改めて示す事例と言える。


1. わずか1カ月での評価額急伸


DeepSeekは、2026年6月中旬、初の外部資金調達となる70億ドル規模の調達を約500億ドルの評価額で完了させたばかりだった。それから約1カ月後の今回、Bloombergの報道によれば、同社は、約710億ドルの評価額で約15億ドルの追加調達交渉に入っているという。

1-1. IPOの前倒しも視野に

同社は2023年設立の中国企業で、当初は2027年のIPO実現を目指していたとされるが、報道では、「年内に前倒しされる可能性もある」と伝えられている。短期間での評価額の急伸とIPO準備の並行進行は、投資家からの期待の高さを反映していると見られる。

2. トークン処理シェアで存在感を拡大


DeepSeekの実際の利用状況を示すデータとして、企業向けAIゲートウェイを運営するVercel社の報告が挙げられている。同社によれば、2026年6月時点でDeepSeekは、数十兆トークン規模の全処理量のうち約23%を占めたという。これは同時期にAnthropicが占めた32%に次ぐ水準であり、DeepSeekが単なる話題性にとどまらず、実際の利用量においても米国大手モデルに迫りつつあることを示している。

3. 米輸出規制下での技術基盤


DeepSeekは、2025年初頭、米国のモデル開発企業と比較して効率性とコスト面で優れたAI技術を発表し、大きな注目を集めた経緯がある。以降も同社は、米国の半導体輸出規制が続く中にあっても、中国発のオープンソースモデルが最先端の米国AI研究機関に近い性能を発揮できることを示し続けているとされる。

同社のクラウドサービスは、中国Huawei Technologies製のチップ上で稼働しているとBloombergは報じている。これは、米国による対中半導体輸出規制の影響下でも、中国国内で独自の技術基盤を構築できることを示す事例として注目されている。

4. 主要投資家の顔ぶれ


Bloombergの報道によれば、DeepSeekの投資家には、Tencentと北京市が関与する国家級ファンド「北京市人工知能産業投資基金」が名を連ねているという。国内大手テック企業と政府系ファンドの双方が支援に回っている点は、同社が中国国内で戦略的に重要な位置づけを与えられていることをうかがわせる。

オススメ記事


Next Big Wave——成長株・アイデアの種・トレンド深掘り



いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー