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AIコーディング企業Cognition、「友達のように話すAI」Poke買収 ― 評価額は9桁前半

AIコーディング企業のCognition(コーディングエージェント「Devin」の開発元)が、2026年7月23日、テキストメッセージで「友達のように」やり取りできるAIアシスタント「Poke」を手がけるThe Interaction Company of Californiaを買収したと発表しました。買収額は「9桁前半(low nine figures)」規模とされています。本稿では、Cognition公式ブログとTechCrunchの報道をもとに、今回の買収の狙いと、その背景にある業界トレンドを整理します。


1. Pokeとは何か ― 「友達のようなAI」


Cognition共同創業者のスコット・ウー氏は、買収発表のブログ投稿で次のように説明しています。

「Pokeを使ったことがあれば、私たちがなぜこれほど興奮しているか分かるはずだ。Pokeはあなたのテキストメッセージの中に住むパーソナルエージェントであり、自分からメッセージを送り、フォローアップし、ソフトウェアというよりも友人のように感じられる」

同氏によれば、Pokeは、過去3カ月だけで1億通以上のメッセージをユーザーとやり取りしており、Apple Messagesでネイティブにテキストを送ることが認められた唯一のAIエージェントだといいます。

TechCrunchの報道によれば、Pokeの特徴は、ユーザーのリクエストに対して単なる「ツール」としてではなく、より親しみやすい形で対話する点にあります。友人のように応答し、スラングやユーモアを交えることさえあるといいます。The Interaction Company共同創業者のマービン・フォン・ハーゲン氏は、TechCrunchのインタビューでこう説明しました。

「ロボットのような同僚よりも、個性のある同僚のほうが好ましいはずだ。ソフトウェアエンジニアである同僚が冗談を言えば、それを面白いと感じ、楽しめるだろう」

2. なぜCognitionはPokeを欲しがったのか


Cognitionの狙いは、Pokeが持つ対話モデルや「性格」を、自社のコーディングエージェント「Devin」に取り込むことにあります。ウー氏は次のように述べています。

「Interactionチームは、人々に愛されるエージェントを作り上げた。プロアクティブで、あなたのことを理解していて、話していて楽しい。それこそがDevinで働く体験として目指すべき姿であり、今後は一緒にそれを作っていける」

TechCrunchは、今回の買収が、「AIアシスタントがユーザーとどう関わるか」ということ自体が、その基盤となるモデルの性能と同じくらい価値を持つようになりつつあるという、業界の認識の変化を象徴していると分析しています。Cognitionは、Devinを単なるソフトウェアではなく、より「同僚」らしく感じられる存在にしたいと考えているといいます。

なお、ウー氏と同社共同創業者のウォルデン・ヤン氏は、これまでもThe Interaction Companyの初期エンジェル投資家として同社に関わってきたことも明かされています。

3. Pokeの現状と、収益化の課題


Pokeは、2026年3月に正式にローンチされ、ユーザーはiMessage、SMS、Telegram、一部市場ではWhatsAppといった好みのメッセージアプリを通じてAIエージェントとやり取りできます。旅行、健康、金融、スケジュール管理、教育など幅広い用途で利用されており、フォン・ハーゲン氏によれば、メール管理やリマインダー、タスク管理といった生産性関連のタスクが最も一般的な利用例だといいます。

同氏は、Pokeが、数十万人規模のユーザーに利用されている一方で、運用コストが高く、黒字化が難しい状況にあったことも明かしています。今回のCognitionによる買収を通じて、PokeはCognitionのモデルとインフラを活用することで、より高速かつ安定的なサービスへと改善される見込みだとされています。

なお、Pokeは、2026年6月、AppleのMessages for Businessプラットフォーム上で稼働が承認された初のAIエージェントとなっており、このプラットフォーム上での提供は今後も継続される予定です。

4. 今後の展望 ― PokeとDevinの統合はどこまで進むか


今年いっぱいは、Pokeにユーザー側から見て大きな変化はない見込みですが、来年にかけて両社は具体的な連携を試していく計画です。Pokeは一部のタスクにおいて、Cognitionの最新ソフトウェアエンジニアリングモデル「SWE-1.7」を活用する予定とされ、両プロダクトの完全な統合も選択肢として排除されていません。

フォン・ハーゲン氏は、将来的な統合の方向性について次のように語っています。

「長期的には、Pokeがこうしたコーディングタスクのオーケストレーションにおいて、より信頼性の高い存在になれると思う。同時に、DevinがよりPokeのような存在になっていく可能性もある」

同氏は、現状のDevinが一度に1つのプルリクエストしか扱えない点を挙げ、「Pokeが複数のDevinセッションをオーケストレーション(統括)することには大きな価値があると思う」と述べました。さらに、Pokeがセッションをまたいでタスクを記憶する役割を担うことで、Devinがより「持続的な同僚」のような存在になり得るとの見方も示しています。

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