【閑古鳥雑貨店のプク】カチッと掃除をおすすめする女。静かに後押しする猫|Scrubbing Bubbles 流せるトイレブラシ
トイレ掃除をサボった日だった。
そんな日にかぎって、
プクが懐くような、ちゃんとした人がやってくる。
しかも「これが工夫です」なんて言って、
カチッと流せる掃除道具を差し出された。

雨が止んだあとの昼下がり。
窓の外では、風に揺れる木の葉だけが、しゃらりと音を立てていた。
開店してからもうすぐ四時間。
レジの横で丸くなっているプクが、ついに二度目のあくびをした。
「ねえ、プク……。今日は、いまのところ“ゼロ”ですね」
返事のかわりに、小さくしっぽをふりふり。
それは、まるで「まあまあ、いつものことだし」とでも言っているようで。
私がカウンターからのびをすると、プクがにゃあと鳴いた。
「掃除でもしますか。トイレのブラシ、あんまり見たくないけどねぇ…」
プクはちょっと目を細めて、ふみふみふにゃ〜。

そんなとき、ちりんとドアベルが鳴った。
「こんにちは。猫ちゃん、いるって聞いて、つい…」
白いシャツに黒いパンツ、長い髪をゆるく束ねた女性が立っていた。
静かな店に、さわやかな風が吹き込んだようだった。
「ご近所で、家事代行の仕事をしていて。このへん、よく通るんです」
名刺を受け取ると、そこには
『ていねい日和 スタッフ・真帆』の文字。
プクはすっと近づき、足元にごろん。
「わぁ…猫ちゃんに懐かれるの、ちょっと嬉しいです」
真帆さんはしゃがんで、やさしくプクの背中をなでた。
「それにしても、このお店、なんだか落ち着きますね。
……お仕事、いま、お邪魔でしたか?」
「いえいえ、もう今日のピークは終わりましたので」
思わず言った自分のひと言に、プクと一緒にふたりでくすっと笑った。

「ところで、トイレ掃除って、どうされてます?」
ふいに聞かれて、私は正直に言った。
「じつは…今日サボりました。あの、使った後のブラシが、どうにも…」
すると真帆さんは、バッグからひとつの箱を取り出した。
『Scrubbing Bubbles 流せるトイレブラシ』
香り付きの替えが16個も入ったお得なセット。

「これ、すっごく便利なんですよ。使い終わったら、そのまま流せます。
ぬれたブラシを見なくて済むって、意外とストレス減ります」
カチッと取りつけて、さっと磨いて、ポイッと流す。
その一連の動作だけで、あの“見なかったふり”の時間がなくなるのかと思うと、なんだか気持ちが軽くなった。
「家事って、完璧じゃなくていいんです。気がラクなほうが、続きますよ」
プクが、ちらりとこちらを見た。
「どうせ使うなら、かわいくて、ラクなほうがいいじゃない?」
そんな目に見えたのは、私だけだろうか。

真帆さんは店を出るとき、「また来ますね」と手を振ってくれた。
プクはテラスまで見送り、ちゃっかり背中をなでてもらっていた。
さてと、私も見習って、トイレ掃除をひとつ。
“流せる工夫”、さっそく始めてみよう。
今日もご来店ありがとうございました。
トイレがきれいだと運気が上がると思いませんか?
またのお越しを、プクと一緒にお待ちしております。
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