(No.9)RHS 10〜12週間目のあなたへ | 米国で顔面麻痺になったら: 【実務編・保存版】 リタ姐式ルーティンと 回復を守る実践Tips
この記事は、RHS(ラムゼイ・ハント症候群)発症後の回復期に、
私が毎日続けていたセルフケアの方法と、
暮らしの中の注意点をまとめた実践編です。
10〜12週間目は、劇的な変化が毎日起こるような時期では
ないかもしれません。
でも、目に見えない場所では、神経も筋肉も、
静かに回復へ向かって働き続けています。
この時期に大切なのは、“もっと頑張ること”より、
“回復を邪魔しない暮らし方”を整えることだと言えるでしょう。
*セルフケアの方法は、症状の段階や個人差によって
合う・合わないがあります。
必ず医師や理学療法士に相談の上、
「やさしく、心地よく」の範囲で行ってください。
ここに書かれているのは、あくまでリタ姐視点、
一人の患者としての実体験です。
リタ姐式 まぶたと頬、口元のテーピング
(動画付き)
閉じきらない目を乾燥と事故から守る、
就寝前の大切な儀式——テーピング。
発症初期の頃は、目が全く閉じなかったので、
日中もずっとテーピングしていました。
また、私は麻痺した側の頬や口元も、皮膚に負担が出ない範囲で、
支えるようにテープで補助していました。
これだけで、しゃべることも、食事をすることも
ずいぶん楽になりますよ。
言葉で説明するより、
見ていただくのが一番早いので、
私が実際に行っているテーピングの様子を、動画にしました。

ポイントは以下の6つ。
① テープは肌にやさしく、かつ剥がれにくいものを使ってください。
最初にまぶたを閉じるのには、No.7で紹介した、
「3M Transpore Surgical Tape」がおすすめですが、その上から「使い捨てアイパッチ」を貼るとより固定されて良いですよ。
No.7の記事は画像をクリックすると見れますよ。

頬や口元の引き上げには、
同じく「3M Transpore Surgical Tape」がおすすめです。

② まぶたを指でそっと閉じてから、上から留める。
③ 日中目をテーピングする際は、目薬の点眼と夜間の軟膏は忘れずにね。
④ 頬や口元はしっかり引き上げてください。
⑤ はがす時は、絶対に引っ張らない。
はがす方向は下から上へゆっくりと丁寧に。
雑にはがすと、まつげが抜けてしまうので注意してね。
⑥ 閉じない目も時間が経つと少しずつ開いてきます。
その際、目とテープが接触しないよう気をつけてください。
リタ姐式ルーティン|1日3回、6つのステップ
No.7でご紹介した道具たちを使った、
実際のリタ姐式ルーティンをご紹介します。
私はこれを、朝・昼・晩の1日3回、各ステップ1分から2分、
せっせと続けていました。
一回のセッション10分くらいを目処に。
とにかく気持ちがいいっていう感覚をつかみとってみてください。
さあ、皆さんご一緒に🎵
① あたためコロコロ(ゲルマニウムローラー)
ローラーの先を熱いお湯に浸して温めます。
「ちょうど気持ちいい」温度になったら、
麻痺した右半分をやさしくコロコロ。
熱すぎないように、温度にはくれぐれも注意してね。
大切なお顔は、麻痺していてもとても敏感なんです。
コロコロする順番は特にありませんが、
下から上へ転がすと、お顔の引き上げ効果も期待できるかも。

② 頭皮マッサージ(頭皮エステ)
頭皮と顔は、一枚の皮膚でつながっています。
耳の上から頭頂部へ、肌を持ち上げるように。
顔を直接マッサージすることは避けたいので、
頭皮から刺激を送ることによって、
顔への負担は少なく感じられました。
強度は一番弱くしてください。

③ レッド・ライトセラピー(Baby Quasar MD Plus)
麻痺した側に、ゆっくり赤い光を当てていきます。
必ず、使い捨てアイパッチと、アイマスクで、
目を保護して使用してください。
閉じきらないまぶたは、光にも無防備です。
これは、決して省略しないでくださいね。

④ やさしくブラッシング(フェイスブラシ)
ふわふわの毛先で、顔全体をなでるようにブラッシングしてください。
「今日もおつかれさま」とお顔に感謝しながらね。
とっても気持ちがいいですよ。

そして、道具を使わない2つのステップ。
ここからが、今日の本題です。
⑤ 耳たぶもみ
耳たぶを親指と人差し指でそっとつまみ、
やわらかく、もみもみするだけです。
ゆっくり、やさしく回したり、軽く、引っぱってください。
耳のまわりには、顔につながる神経や血流の通り道が集まっています。
麻痺側の耳は過敏になっていることが多いので、
「痛気持ちいい」の手前、「ただ気持ちいい」の強さでね。

⑥ 舌でおこなう、口内マッサージ
口を閉じたまま、舌先で、頬の内側を——
麻痺した側の内壁を、内側からゆっくり、押してください。
内側からの刺激なので、強さを調節しやすく、
無理なく続けやすい方法です。
円を描くように、下から上へ、奥から前へ。
食事の前に行うと、口の準備運動にもなりました。
道具もお金も要らず、待合室でも、ベッドの中でもどこでもできる。
リタ姐式ルーティンの、隠れた主役です。

*⑤⑥は私が自分の体と相談しながら工夫してきた方法です。
症状によっては適さない場合もあるので、医師やPTに確認の上で。
回復期の暮らし、6つの大切なTips
Tip 1|目が完全に閉じないうちは、運転を控える
私の実際の失敗談からお伝えできる、最初のTipです。
右目が完全に閉じない時期であるにもかかわらず、
運転に慣れている私は、あまり考えずに鍼治療のクリニックまで
自分で運転して出かけました。
眼帯をして運転を始めたら——視界が狭くて、怖い。
危ないと思い、途中で眼帯を外したら——今度は目が乾いて、痛い。
眼帯をすれば視界を失い、外せば角膜が危ない。
つまり、どちらを選んでも、安全に運転できないのです。
どうしても移動が必要な時は、家族や友人に頼る、
タクシーやUberなどの配車サービスを使うという、
「自分で運転しない」という選択が、あなたと、他の誰かを守ります。

Tip 2|台所では、いつもの倍、慎重に
片目の視界と、今までと違う距離感のまま包丁を持つのは、
思った以上に危険です。
まな板の位置をよく確認して、急がず、ゆっくり。
スローペースで無理せず、すでに切ってある食材や、
包丁いらずの調理に頼る日があってもいいですよ。

Tip 3|イヤーバズやイヤホンは、健康な側の耳だけに
麻痺側の耳は、音に過敏になっています。
(私の右耳は、日常の音が爆音のように聞こえました)
私はイヤーバズを左耳だけにして、右耳はできるだけ休ませました。
音量も、いつもよりずっと控えめにね。

Tip 4|口の中を、いつも以上に清潔に
口がうまく動かないと、
食べ物が麻痺側に残りやすくなります。
食後はこまめに歯磨きをしましょう。
特に麻痺側は、時間をかけて、いつもより丁寧に。
仕上げにマウスウォッシュでうがいをして、
口の中をとにかく清潔に保ってください。
回復に専念すべき時期に、口内トラブルを増やさないために。
ちなみに、私も歯磨き、気をつけたつもりでしたが、
数ヶ月後に麻痺側に大きな虫歯が発見されてしまいました。とほほです。

Tip 5|階段は、手すりを持って、ゆっくり
RHSは、なんとバランス感覚にも大きく影響します。
慣れた道、慣れた家の中でこそ、油断が生まれます。
特に階段は、必ず手すりを。
ヨガで鍛えたバランス感覚を過信してはいけませんね。
安全より大事な急ぐ用事は、ひとつもありません。

Tip 6|変化は、必ず訪れます
麻痺がひどい時期は、「本当に回復するのだろうか」と、
信じる力そのものが弱ってきます。
私も、何度もそのジレンマにおそわれました。
でも、変化は、必ず訪れます。
昨日と同じに見える今日の中でも、
神経は静かに回復に向かっています。
その日その日を、「回復を待つだけの日」としてだけではなく、
「貴重な経験をしている日」として、大切に過ごしていきましょう。

最後まで読んでくれてありがとう❤️
お疲れ様です。
テーピングにルーティンに、暮らしのTipsまで——
今日も盛りだくさんの内容に、
お付き合いくださって、本当にありがとうございました。
そして、気づけばこのシリーズも、今回でもう9本目。
こうして、あなたと一緒に振り返り、進んでこれたこと——
リタ姐は、それが本当に、うれしいです。
一人で通り抜けた道でも、
誰かと一緒に振り返れば、それはもう、
一人の道ではなくなるのですね。
最後に、この時期のあなたへ、いちばん伝えたいことを。
麻痺がひどい時期は、「本当に回復するのだろうか」と、
信じる力そのものが、弱ってきます。
私もそうでした。
派手な奇跡は早急には起こりません。
ていねいなテーピング、地道に続けるルーティン、
そして日常の知恵と工夫。
その小さな積み重ねの先に、ちゃんと、変化は待っています。
「特別な道具より、毎日の小さな習慣。
焦らずていねいに、今日を生きる工夫。
その向こうに、いつだって小さい変化は見つかります。」

リタ姐も通った道。あなたにも、きっと、きっとできます。
ありがとう、そして、Ganbatte!
振り返り漫画: (No.9)RHS 10~12週間目のあなたへ
ここで少し、No.9の内容を漫画で振り返ります。
下の「ビューアを開く」ボタンを押すと、
振り返り漫画をご覧いただけます。
日本語漫画形式のため、ビューアを開いた後は、
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次回予告|最終回・番外編|
Vipassana瞑想という、もう一つの処方箋
このシリーズも、次回でいよいよ最終回です。
最後にお話ししたいのは、病院でも、薬局でも、
決して処方されない、
けれど私の回復を最も深いところから支えてくれたもの——
Vipassana(ヴィパッサナー)瞑想です。
RHSのような顔面麻痺の回復に、瞑想が役立つ。
これは、他ではあまり語られてこなかったことだと思います。
でも、私にははっきりとした実感があります。
かつて10日間の瞑想合宿で身につけた
「体のすみずみを観察する訓練」があったからこそ、
私は麻痺した右の顔の、内側からの微細な変化を——
神経がふたたび伸びようとする、その静かな気配を——
感じ取ることができたのです。
そして、不安や恐怖に呑み込まれそうになった時、
瞑想は私を、何度も「今、ここ」へ連れ戻してくれました。
顔面麻痺と、2600年前の瞑想法。
一見、無関係に見えるこの二つが、どう結びつくのか。
リタ姐コード闘病記の締めくくりに、じっくりお話ししたいと思います。
そして、この瞑想とヨガこそが、
Studio JMCの、次の旅への扉になります。
最終回、どうぞお楽しみに。
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リタ姐コード|Studio JMC
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