🌹**【願い】**第三章(10) ようこそ
これは、暗闇のどん底から、
色々な人に助けてもらいながら、
自分自身で這い上がってきた
”エナ”
という一人の女性の物語です。
自分を否定し、暴力を経て、
誰にも相談できない子育てのしんどさ、病気…
それでも人は
__心から幸せだと感じられるようになる__
エナの ”生きて” きた道
『願い』全五章
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夏の終わり、雨が沢山降る日に、待ちに待った赤ちゃんは元気に産まれて来てくれました。
40時間かかった難産。もうずっと痛みで叫び通していました。やっと出てきてくれた時は感情がぐちゃぐちゃで涙が止まりませんでした。
予定日より9日遅れで出てきた赤ちゃんは産声をあげてから、ずっと泣き叫んでいました。
よっぽどお腹が居心地良かったのかな。
私も同じぐらいずっと泣いていて、助産師さんに
「親子揃って泣き虫やねぇ」そう笑いながら言われたことを思い出します。
赤ちゃんの名前は ”守” と書いて ”まもる”
はる君と考えました。
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まもる、よく頑張ったね。
ようこそ。産まれてきてくれてありがとう。
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そしてはる君は…
私が丸一日以上陣痛で苦しむ中、ほとんど寝ずに一緒に居てくれました。
”頑張ってえなちゃんの腰をさすらないと!”
そう思っていたようで、寝てしまわないようにスマホでゲームをしていたはずが…
いつの間にかそっちに夢中になり、私が腰をさすって欲しいと言うと
「えぇ?」とめんどくさそうな顔を見せられた事は心に刻み続けます。一生言い続けてやります。
そしてこの時、予想以上に陣痛が長く続いたので、私のお母さんに電話をして数時間付き添いを交代してもらいました。
本当は翌日、自分の手術を控えていたお母さん。
なのに何も言わず私についていてくれました。
後で知った事でした。
相変わらず雨が沢山降る中、私たちはまもると一緒に家に帰りました。
まもるはもう本当に可愛くて可愛くて。
家の空気がそれまでとは全くちがう。
何かに包み込まれる様な感覚でした。
おさんぽに行っても可愛い、お昼寝をしても可愛い、お風呂に入れても可愛い、泣いても可愛い、夜もスヤスヤとよく寝てくれる子でした。
とても幸せでした。
……
なのに、事件は起こります。
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