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🌹**【願い】**第三章(3) 最強な奴が現れた




これは、暗闇のどん底から
色々な人に助けてもらいながら

自分自身で這い上がってきた
”エナ”
という一人の女性の物語です。

自分を否定し、暴力を経て、
誰にも相談できない子育てのしんどさ、病気…

それでも人は

__心から幸せだと感じられるようになる__

エナの ”生きて” きた道

『願い』 全五章



初めての方はこちらからご覧ください↓


前回のお話はこちら↓


続き↓
******


私たちは自然とずっと一緒にいるようになり、はる君は一人暮らしの私の部屋に、ほぼ毎日泊まりに来るようになりました。


ある夜、はる君がベロベロに酔っ払って終電で帰ってきた時、私が何気なく

「お腹すいた~」と言うと

「えなぢゃんおながすいだん?なんか買てくるぶぁ」

と呂律も回ってない状態で、閉店間際のスーパーへ行ってしまったんです。

そして帰ってきて袋を渡されました。
その中には…



白ごはん・食パン・もやし・片栗粉


……


これをどうしろと。


買った本人は気持ちよさそうに夢の中。


おやすみなさい。


____



またある夜。

その日は友達の結婚式。二次会の出し物で女装をするとは聞いていたんです。
「ただいまー」と玄関を開けたはる君の顔を見て衝撃を受けました。


なんと、顔が、おてもやん。


スーツ姿で短髪。シルエットはいつも通りのシュッとした姿。


でも、顔は、分厚いアイシャドウに真っ赤なほっぺた。

そう、おてもやん。


なんならうけてなんぼやから誇張された、おてもやん。

「え!!どしたんその顔?」

はる君は、靴を脱ぎながらしばらく考えて
「あーわかる?」と…

「いやいやいや、わかる?て!すごい顔やで!それで電車乗って帰ってきたん?」

「え、うん。顔洗うのめんどくさいからそのまま帰ってきた。」

「やばーーー!周りの人やばいやつ電車乗ってきたと思ったで!」

「いや誰も見てないやろ」

いやいやいやいや、その顔を見てない訳がない。
二度見せんわけがない。

その姿で電車で1時間かけて帰ってきたと思ったら、もう笑いが止まりませんでした。


最強すぎるはる君。


____


そしてまたまた
あるかんかん照りの暑い日。

その日はゴミの日だったのですが、はる君がマンション下まで出しに行ってくれました。
少し時間が経ち「遅いなぁ」と思っていると、雪崩のように汗をかき、はぁはぁと言いながら帰ってきました。

「どしたん?!」そう聞くと、

「ゴミのトラックが行ってしまってて、追いかけてんけどな」

「うんうん」

「スリッパで走りにくかったから、スリッパ脱いで裸足でトラック追いかけてん。トラックの人びっくりしてたわ」


かんかん照りの中、片手にスリッパ持って、片手にゴミ持って汗だくで裸足で必死に追いかけてくる男。

そらびびる。



……


あぁ、私はこの人とこれからも一緒にいるんやろうなぁ。


そう感じるようになっていました。


え、どこでそう思った。




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