すんで社の決算を、公認会計士が斬る!急成長の裏にある、残酷な真実

すんで南(以下、南):
すんで社の5月末の決算(第6期)が締まったということで、公認会計士・税理士のつーもさんに、私たちの決算書を丸裸にして、分析してもらおうという企画です。
つーも(以下、つーも):
こんばんは、よろしくお願いします!
いやあ、X(旧Twitter)でのすんで社や岡野社長の発信を見ていると、いつも「イケイケドンドン」なので、正直、「どこかに無理をして歪みが出ているんじゃないか?」と、プロの目でバッサリ斬る気満々で来ました(笑)。
南: お手柔らかに、お願いします(笑)。
26年5月期はまだ最終の精査中ですが、速報値も含めて、24年5月期からの3期間の数字をベースに、アドバイスをいただければと思います。
📌 目次
年中繁忙期の会計士と、組織に戻りたくない2人
税理士・会計士の超多忙ルーティン
組織に縛られない、令和の働き方
【PL編】売上10億規模へ。成長を支える2つのエンジン
仲介手数料売上が「計算通り」に3倍になった理由
買取再販事業:浦和・大宮・都心の「強いエリア」への集中
グッズ販売やYouTubeは「大赤字」でいい?
日本橋オフィス移転という「攻めの投資」
【BS編】赤字掘りからの脱却と、一人前の納税企業へ
2億円の在庫と銀行融資の裏舞台
ついに繰越赤字を解消。黒字転換の価値
【CF編】レバレッジをかけて、さらに攻めるフェーズ
成長期特有のキャッシュフローの形状
攻めの財務戦略
まとめ:イケイケの裏にある、超優等生な財務基盤
求める人材と、今後の全国展開
1. 年中繁忙期の会計士と、組織に戻りたくない2人
南: 本題に入る前に、つーもさん、最近の調子はどうですか? 相変わらずお忙しそうですが。
つーも: そうですね、結局ずっと「年中繁忙期」みたいな感じなんですよ(笑)。
直近だと、法人の源泉所得税の集計をやっていますし、それが終わったら今度は3月決算の上場会社さんの第1四半期、9月決算の法人対応、年末調整、個人の確定申告……と、ここ3年くらい同じルーティンを繰り返しています。
でも、組織のしがらみがなくなって、こうして自由に発信したりスペースを開けたりできるのは本当にありがたいですね。
南: つーもさんの発信、いつも面白いですよね。 少し前に話題にされていた、令和の若手問題に関する投稿も「中間管理職や上司の気持ちがすごく分かる!」と思って見ていました。
理不尽な環境に追い込まれた人間がどうなるか……みたいな(笑)。
南: 水ダウですよね。あれは本当に思い当たる節がありますよね(笑)。
つーも: 私もかつて組織にいた人間として、いろいろ直面していたなと思い返しながら、同時に「自分は組織にはもう二度と戻りたくないな」と再認識しました(笑)。
さて、そんな組織を飛び出して急成長している、すんで社さんですが、まずはメインの「損益計算書(PL)」から見ていきましょうか。
2. 【PL編】売上10億規模へ。成長を支える2つのエンジン
仲介手数料売上が「計算通り」に3倍になった理由
つーも: まず売上高ですが、すんで社さんは今や「売上10億円規模」の会社になったと伺いました。
過去の数字を追っていくと、仲介手数料の売上が、
24年5月期:約9,500万円
25年5月期:約2億2,000万円
26年5月期:約3億超
ここだけでも、倍以上に増えています。 さらに直近の26年5月期では、さらに大きく伸ばしていますよね。
この短期間でこれだけ仲介手数料を伸ばせたバックグラウンドには、何があるんですか?
南: おかげさまで、仲介は私たちの大きな柱です。
一番分かりやすい要因は
「営業マンが増えたこと」
「彼らに担当してもらう案件が増えたこと」ですね。
数年前は5人ほどだった営業メンバーが、今は10人以上にまで増えました。
つーも: なるほど、前線部隊が倍になったと。
南: はい。しかも大きな変化として、昔は私や、代表の岡野もプレイヤーとして営業に入っていたのですが、今は現場を外れています。
役員の仕事は、色々な場所で人と会い、話をしながら「営業のネタ(種)」を仕込んでくること。
そしてその種を、営業マンにトスアップする体制に変えました。役員がお客様を担当することは、基本的になくなりましたね。
おかげさまで、すんで社の知名度が上がったことで、種自体も増え、営業マンがしっかりと打席に立てるようになったのが大きいです。
もちろん、まだまだ数は増やしていかなければいけないし、歩留も上げていく必要はありますが。
つーも: 素晴らしいですね。 ようやく岡野さんと南さんが、プレイヤーではなく「経営者」として俯瞰して動ける組織になった。
サラリーの話もちらっとお聞きしましたが、モチベーションを高めるインセンティブの仕組みも、しっかり数字に繋がっているのが見えて素晴らしいです。
買取再販事業:浦和・大宮・都心の「強いエリア」への集中
つーも: もう一つの大きなエンジンが「不動産買取再販」です。
こちらも24年5月期の3,000万円台から、25年5月期には1億超、26年5月期は8億超へと急増しています。
手当たり次第に仕入れるのではなく、市場のニーズに合わせたエリア戦略があるように見えますが、このあたりの経営戦略はどうなっていますか?
南: 実は、最初から狙い通りにいっていたわけではないんです(笑)。
3年前、最初にやったのが埼玉の物件だったのですが、広域で集客するのが難しく、結果はほぼトントン、利益はほとんど残りませんでした。
人件費を考えれば、赤字といっていいですね。
つーも:なるほど。最初からうまくいったわけではないのですね。
南: はい。その次にやった浦和の物件では黒字が出て、その後に日本橋でコンパクトな物件をやった時は、また赤字で……。
そうやって3件、4件と経験を積み重ねていくうちに、方針が固まりました。
「やはり、グロス(総額)が大きいファミリー向けの都内、もしくは浦和・大宮といった強いエリアを柱に据えるべきだ」と。
つーも: やはり、人気のエリアでないと回転させるのは難しいですよね。
南: そうなんです。
安易に「仕入れ値が安いから」と飛びついてしまうと、そもそも需要(パイ)が少ないので、売れ残るリスクが高くなります。
身をもって学びながら、今の強いエリアへの集中投資に切り替えていきました。
リーグ戦でいえば、6勝3分1敗くらいの感覚です。
グッズ販売やYouTubeは「大赤字」でいい?
つーも: PLを見ていてもう一つ気になったのが「その他売上」です。
すんでショップでのグッズ販売の収益が含まれていると思いますが、これってぶっちゃけ黒字なんですか?
南: 赤字です!(笑)
原価だけで見れば痕跡は黒字なのですが、そこに関わっている人件費やイベントの運営コスト全体を考えると、単体では利益は出ていません。
つーも: やっぱりそうですよね。
私もすんで社さんのイベントに参加させていただきましたが、かなりの人数を投入していますし、場所も(今年は本社オフィスでしたが)一等地の良いハコを借りています。
これ、今後のビジネスとして、積極的に黒字化していこう、という狙いではないんですよね?
南: ないですね。 これは利益を出すための事業ではなく、「お客様とのタッチポイントを増やすこと」を目的にしています。
もちろん売上の目標はあるし、お買い上げいただくのは嬉しいのですが、それ以上に、社員が新鮮なアイデアを出し合い、私たちのプラットフォームに関わってくれているメンターさん同士、お客様同士が交流する場を作ることが、メインの目的です。
つーも: なるほど。 ただ広告費を使うのではなく、コミュニティとしての付加価値をつけながらファンを増やす。
他でしっかり利益が出ているからこそできる、非常にうまい広告宣伝のやり方だと思います。
日本橋オフィス移転という「攻めの投資」
つーも: 売上が伸びる一方で、「販管費(コスト)」の増え方も健康的です。
創業期のベンチャーにありがちな
「売上が伸びていないのにコストだけが先行して膨らむ」
という悪いパターンに全く陥っていない。
売上の増加に対して、販管費の増加が綺麗にコントロールされています。
南: ありがとうございます。
コストの最近のトピックで言うと、日本橋(八重洲)へのオフィス移転ですね。 家賃として、月に数百万円を支出しているので、インパクトは大きくなっています。
ただ、一箇所に社員が集まれる場所として、またお客様に来ていただきやすい拠点として、決断しました。
つーも: 職場環境って、大事ですからね。
オフィスが綺麗だと、働くメンバーのモチベーションも「会社に貢献しよう」という意欲も上がります。
これはコストというより、持続的な成長のための「良い投資」だと思います。
純利益を見てみると、24年5月期の約1,400万円から、25年5月期には約2,900万円へと倍増。 26年5月期は精査中ですが、営業利益としては1億超の予定です。
しっかり足元の利益を残している、良質なPLだと思います。
3. 【BS編】赤字掘りからの脱却と、一人前の納税企業へ
つーも: 続いて、2枚目の「貸借対照表(BS)」を斬っていきましょう。 ここにも、すんで社の今のフェーズが如実に現れています。
2億円の在庫と銀行融資の裏舞台
つーも: まず資産の部を見ると、「販売用不動産(在庫)」が25年5月期に約2億円計上されています。
24年5月期はこれが「ゼロ」だったので、仕入れた物件が期末に在庫として残った形ですね。
不動産は1件のグロスが大きいので、これが滞留すると一気にキャッシュが回らなくなりますが、ここのコントロールはどうなっていますか?
南: そこは、米国公認会計士の資格を持っている役員の「浦和かずき」が、日々シビアに管理してくれています。
幸い、かずきさんの尽力もあり、すんで社は銀行との関係が非常に良好で、前向きに資金を貸してくれます。
「仕入れて、綺麗にリフォームして、しっかり売って融資を返す」
という実績を積み重ねているので、次の融資もスムーズに引っ張れる体制が整っています。
つーも: 融資が引ける最大の理由は、さっき見たPLが綺麗だからです。
銀行は「この会社はちゃんと利益を出して回せる能力がある」と判断しているからこそ、気持ちよくお金を貸してくれるわけですね。
ついに繰越赤字を解消。黒字転換の価値
つーも: BSの中で安心したのが、「利益剰余金」です。
実は24年5月期までは、過去の累積赤字が数百万円ほど、残っていました。
いわゆる、ベンチャーが初期に投資を先行させて「赤字を掘っている」状態だったわけです。
それが25年5月期でしっかり利益を出したことで、累積赤字をすべて一掃し、ついに利益剰余金がプラス(黒字転換)になりました。
南: そうなんです。 創業から3期目くらいまでは、あえて黒字を無理に出さず、投資を先行させて大きな夢を追うという、ベンチャーの流行りに乗っていた部分もありました。
でも、目の前の利益を疎かにして潰れていく会社も多い中、ようやく累積で「健全に黒字を出している会社です」「法人税をしっかり払っています」
と胸を張って言えるようになったのは、大きな転換点ですね。
つーも: 本当にそう思います。
創業5〜6年で、過去に掘った赤字を完全に埋めて健全な財務基盤を作るというのは、実は簡単ではありません。
これによって銀行からの格付けも一気に上がります。
南: 税金の話でいうと、でも、変な節税対策をして利益を無理に減らすくらいなら、しっかり稼いで、真っ当に税金を払って、残ったお金を内部留保として会社に貯めていこう、という方針です。
つーも: その方針、良いと思います。
世の中には税金を払いたくないあまり、期末に無駄な経費を使って無理やり利益を削る経営者がいますが、それは自分の会社の基礎体力(自己資本)を削っているのと同じです。
正々堂々と納税して内部留保を厚くする方が、結果的に会社を一番強くします。
すんで社さんは、名実ともに「一人前の優良企業」になったと言えますね。
4. 【CF編】レバレッジをかけて、さらに攻めるフェーズ
つーも: 最後に、私がPLとBSから独自に作成した「キャッシュフロー(CF)計算書」を見てみましょう。
会社のライフステージで見ると、すんで社さんのキャッシュフローは、
営業キャッシュフロー:マイナス
投資キャッシュフロー:マイナス
財務キャッシュフロー:プラス という形になっています。 これ、実は「絵に描いたような、教科書通りの成長期」の形なんです。
南: 本業のお金を表す「営業CF」がマイナスなのは、問題ないんですか?
つーも: このフェーズにおいては、全く問題ありません。
なぜなら、さっき見た「販売用不動産(在庫)」を仕入れるために、積極的にお金を使っているからです。
将来の売上を作るために、今は投資として現金が出ていっている状態なので、前向きなマイナスです。
そして、それらの投資を補うために、銀行からしっかり資金を調達できている(財務CFがプラス)という構造になっています。
南: 代表の岡野がよく言っているのは、「借りられるだけ借りて、そのレバレッジを使って大きく稼いでいくんだ」という方針です。
なので、今後も借入金はどんどん膨らんでいくと思います(笑)。
つーも: 非上場ベンチャーにおいて、外部の株主を入れて経営権を握られるリスクを取るくらいなら、銀行からデット(融資)でレバレッジをかけて引っ張るのが正解です。
「借りてはしっかり返す」という信用サイクルが回っている、流れに乗っているからこそできる、攻めの姿勢ですね。
仕込んだ在庫が次の期に売却され、今度は営業キャッシュフローがドカンと大きなプラスに大逆転していく……。
まさに今、そんなダイナミックな成長期のど真ん中にいることが、キャッシュフローの数字からも証明されています。
5. まとめ:イケイケの裏にある、超優等生な財務基盤
つーも: 一通り3表を斬ってみましたが……正直、ケチをつけるところがありませんでした。
めちゃくちゃ綺麗で、無理のない優等生な決算書です。
発信を見ていると破天荒なイメージがありますが(笑)、中身を開けたら、堅実で真っ当な経営をされていますね。
南: ありがとうございます(笑)。
財務や守りの部分は、ガチガチに固めていこうという方針なので、プロのつーもさんにそう言っていただけると本当に安心します。
売上は10億超の規模まで来ましたが、私たちの目指すスピードからすると、まだまだ拡大のペースが遅いと思っています。
もっと一気に、次のステージへ駆け上がりたい。 そのためには、圧倒的に「人」が足りていません。
つーも: 今、具体的にどんな人材を求めているんですか?
南: 営業職はいつでも大歓迎なのですが、今回言及したいのは、「バックオフィスで、営業の種(トスアップ)を作るマーケティングや企画」のポジションです。
全国にいるすんでのメンター(アドバイザー)さんたちと関わりながら、色々な企画を立ち上げたり、イベントを運営したり、ショップの物販をやったり。
不動産業界には珍しく「土日祝休み」の働き方を想定しているので、異業界からでも興味のある方は、ぜひカジュアル面談に来ていただきたいです。
つーも: 一都三県だけでなく、今や主要都市にメンターのチャネルが広がっていると伺いました。 順張りでしっかり市況の波に乗りながら、次の仕掛けを打っているすんで社さんのこれからが、本当に楽しみです。
次回は、26年5月期の正式な確定値が出たタイミングで、さらに深掘りした「第2回決算分析」をやらせてください!
南: 本日はありがとうございました!
