日本で一番スキー場に近い駅:上志文駅
「日本で一番スキー場に近い駅」と言われていた通り、上志文駅の背後には、岩見沢萩の山市民スキー場が迫っています。
実はこの駅舎、スキー場だけではなく、民家にも驚くほど近いのです。

駅からほんの数歩、歩いただけで個人宅の庭と接しています。
上の写真も、庭に足を踏み入れないように気をつけて、シャッターを押して写したものです。
駅というより、民家に近い印象で、違和感なく景色に溶け込んでいるように思いました。
それでは、駅舎を時計回りに見ていきましょう。
駅の左側へ行くと、記念碑が立っており、この地に鉄道が通っていたことを静かに物語っています。

続いて、プラットホーム側に来ました。


駅舎の中をガラス越しに見ると、除雪機やスノーダンプなどが並んでいます。どうやら、現在は倉庫として使われているようです。
一瞬、「えっ、物置にされるなんて…」と思いました。
でも、よく見ると、出入り口には階段がなく、除雪機の出し入れをスムーズに行えそうです。その上、石造りの頑丈なつくりなので、除雪機の保管場所としては最適なのかもしれません。
廃線後、駅舎のまま美しく保存されているところもあれば、日高線の日高門別駅のように、地域の交流の場・観光案内所に生まれ変わるところもあり、さまざまです。
取り壊される駅舎もあるなか、倉庫として「第二の人生」を歩んでいる姿は、どこか誇らしげに見えてきました。
さあ、今度は、右側へ回ってみましょう。
石が、レンガのように秩序正しく積み重ねられています。
やさしいアイボリー色も、良い風合いを出していますね。

駅舎を一周した後、駅の背後に広がるスキー場を仰ぎ見ました。


夏のスキー場もさわやかで良いものです。
緑のゲレンデと赤いロッジの鮮やかな対比は、見ているだけで気持ちが晴れやかになります。
冬になれば、一体どんな銀世界が広がるのでしょう。
なだらかな斜面の感じから、ファミリーゲレンデ、あるいは学校のスキー学習の場として、格好の場所に思われます。
ゲレンデを眺めていると、キハのディーゼルカーから、スキーをかついだ小学生がわいわいと降り立つ姿が浮かんできました。
冬のキーンとした冷たい空気の中、吐く息が白く見えます。
ロッジ前に集合して、先生から渡されたリフト券を嬉しそうにウェアのそでにつけ、ゲレンデへ向かう子どもたち。
そういえば、私が子どもの頃、故郷のスキー場では、リフトに乗るたびに、係員のおじさんが改札ばさみのような道具で、リフト券にパチンと切れ目を入れてくれたものでした。
ときには、切れ目を入れるふりをして、「1回サービス」なんてこともあったな…。
さて、スキー学習を終え、雪焼けした子どもたちが駅に戻ってきました。
どの顔にも、達成感がにじみ出ています。
「今日、何回リフトに乗った?」
「オレ、10回」
「すげー‼」
「わたし、シュテムターンができるようになったよ!」
「よかったね。おめでとう」
そんな弾んだ会話が、プラットホームで響いていたのかもしれません。
帰りの列車の中では、心地良い疲労感に包まれながら、こっくりこっくりと船を漕ぐ姿。
そんな様子を、上志文駅は何年も見守ってきたのでしょう。
私は、駅舎の石壁を見つめながら、駅が紡いできた物語に思いを寄せていました。
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