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マネージャーから、人に戻る。     ~目覚めよマネージャー最終話~ <管理職・マネジメント・リーダーシップ・子育て・キャリア>

マネジメントとは、誰かを動かす技術である前に、

「自分が信じてきた正しさと、
静かに距離をとる仕事」

なのかもしれません。

はじめまして、JINYOKUです。

このシリーズは、
マネージャーという役割の中で起きる、
言葉になりにくい違和感を言語化する試みでした。

今日で一区切りにします。


少し前、メッセージをもらいました。
※内容が伝わる範囲で、一部表現を変更しています。

「優秀なマネージャーほど、“自分がいないと回らない組織”を作ってしまう。」の記事を読みました。とても共感します。まさに今の家庭がその状態です。「自分でやった方が早い」と思い、家事・育児・学校や習い事の対応まで一人で抱えてきました。その結果、夫も子どもも家庭のことがほとんどできない状態になっていると感じます。少しずつもし自分がいなくなったらどうなるのだろう、とふと考えることもあり、自分で自分の負担を大きくしてしまっている面にも気づきました。少しずつでも、家のことを分担していく必要があると感じています。」

正直、驚きました。
組織の話を書いたつもりだったので。

でも読んだ人には、

子育ての話として届いていた。

その瞬間、少しだけ思いました。

ああ、

このシリーズで本当に書きたかったのは、

マネジメントではなかったのかもしれない、

と。

振り返ると、
ずっと同じことを書いてきた気がします。

正しくやっているのに、
どこかズレている。

ちゃんとしているのに、
何かが噛み合わない。

成果は出ているのに、
満たされない。

その違和感の正体を、ずっと探していました。

たぶん答えは一つではありません。

でも今なら、こう言えます。

私は長い間、
役割を上手にこなすことばかり考えていました。

良いマネージャーになること。

期待に応えること。

成果を出すこと。

正しい判断をすること。

でも気づけば、

「自分は本当はどう思っているのか?」

を考える時間が少しずつ減っていました。

このシリーズを書きながら、
自分でも気づいたことがあります。

私は昔から、
違和感を無視しないタイプでした。

「これ、なんかおかしい」

と思ったら考え続けた。

答えが出なくても、

仮説を立てて、

検証して、

また考えた。

仕事でも、人間関係でも、
自分自身に対しても同じでした。

でも正直に言うと、

その「考え続けること」
自体がしんどい時期もありました。

やめてしまえば楽になる。

正しさに乗っかっていれば、とりあえず回る。

そっちの方がずっと簡単でした。

実際、やめかけたことが2回あります。

一度目は、100名規模の組織を統括していた頃。

とにかくトップダウンで回していた時期で、
考えることより動かすことの方が求められていました。

そっちの方が楽だった。

二度目は、ゼロから組織を立ち上げた初年度。
後に、400名弱の組織になるその始まりです。

業務は崩壊しかけていて、
人との摩擦も多く、
正直ストレスで限界でした。

もう考えるのをやめて、
正しいとされるやり方に乗っかってしまおう

と思いました。

それでもやめなかったのは、

たぶん怖かったからです。

考えることをやめた瞬間に、
自分が自分でなくなる気がして。

その感覚だけが、

踏みとどまらせていました。


「自分の言葉を持つ」

というのは、聞こえはいいですが、

実際はかなり地味な作業です。

誰にも見せない前提で書き出す。

うまくまとまらなくて当然。

むしろまとまらない方が自然です。

それでも続けていると、

ある日ふと、

「あ、自分はこう思っていたのか」

という瞬間が来ます。

その瞬間は小さい。

劇的でも何でもありません。

でも、
その小さな瞬間が積み重なると、

少しずつ自分の言葉が育っていきます。


昔の私は、
正しいマネージャーになろうとしていました。

今は少し違います。

正しい人になろうとも思っていません。

ただ、

昨日の自分より少しだけ誠実でいたい。

それくらいです。

分からないことは分からないと言う。

迷っている時は迷っていると言う。

助けてほしい時は助けてほしいと言う。

昔の私は、それらを隠していましたが、

自分に素直になることで、
周りとの距離は確実に近くなりました。

でも、

組織も、仕事も、家庭も、友人関係も、

案外そんなものなのかもしれません。


正しさと距離をとるというのは、

正しさを捨てることではありません。

ただ少しだけ、

「これが唯一の正解だ」

という確信を緩めることです。

迷っていてもいい。

揺れていてもいい。

途中のまま話してもいい。

そう思えるようになると、

不思議なことに、人との距離が近くなります。

完璧な人より、

ちゃんと向き合っている人の方が信頼される。


これはマネジメントの話ですが、

たぶん子育ての話でもあるし、

夫婦の話でもあるし、

自分自身の話でもあります。

あの主婦の方が教えてくれたことは、
そういうことだった気がしています。


このシリーズはこれで一区切りにします。

答えを出すためのものではありませんでした。

むしろ、

「答えを持ちすぎないことも、
生きることの一部だ」

ということを、

自分自身に
確認するための時間だったのかもしれません。


最後に一つだけ、問いを残します。

あなたが今、守っている正しさは、

本当にあなたを自由にしていますか。


それとも、

少しだけあなたを縛っていませんか。

正しさは必要です。

でも、

それだけでは人も組織も動き続けられません。

その間にある曖昧さの中に、

たぶん人間らしさがあります。

マネージャーをやめる必要はありません。


$${\Largeただ、時々、人に戻ればいい。}$$



ここまで読んでくださった皆さま、
本当にありがとうございました。

全11話の長いシリーズでした。

でも振り返ると、私が書いていたのは、
マネージャーに限った話ではありませんでした。

役割を背負いながら、生きる人の話でした。

そしてそれは、あなたの話でもあります。


もし何か感じたことがあれば、
一言でも気軽にメッセージください。

うまくまとまらなくて大丈夫です。

まとまらない言葉の方が、たいてい本音だから。

JINYOKU


Thank you for reading!