北海道の廃線跡探訪 第116回 深名線(4/7)政和~朱鞠内間
1.ごあいさつ
ご訪問ありがとうございます。
北海道の廃線跡探訪 第116回深名線その4 政和~朱鞠内間です。
政和駅舎は改修が甚だしいですが、一応残存、添牛内駅舎は近年修復され、きれいになっています。
なお、これからの投稿予定路線などは、初回記事にありますので、そちらをご覧ください。
2.政和~添牛内

深名線廃止後に食堂に転用されていた政和駅舎は、閉店後も残っていたが、今は農機具車庫となり、正面側とホーム側は全面開口の扉にされている。
ホーム側の差しかけ屋根は、屋根や勾配も違い、柱も鉄骨だから、新たに設置したらしい。
そのため駅舎の面影を残すのは屋根と妻板だけだが、一端の柱に縦型駅名標「せいわ」(複製品?)がつけられ、所有者の思いも感じられる。



政和を出ると次第に国道と離れていき、五線川橋梁を渡るが、ここには近づけなかった(航空写真を見る限り、橋自体は撤去済み)。
八線川橋梁の前後の路盤は農地となり消え、橋の跡もないが、十線川橋梁の添牛内方の橋台だけ残っていた。



仮乗降場出身で、1990(平成2)年9月に廃止された新富には、取付道路と集荷所だったブロック造の建物があるだけで、路盤も牧草地のなかに消えている。その手前の十三線川に架かるポプウナイ川橋梁の跡もない。

深名線は新富の先で国道とクロス、西側に移る。踏切で直交するため曲がっていた国道はゆるいカーブとなり、路盤も消えている。
再び国道と接近するあたりに、深沢川に小さいアーチの紅葉川橋梁があり、ほかにも小コンクリート橋があった。


早雲内川を渡るソウウンナイ橋梁は、両側に築堤が残るだけで、橋の跡はなかった。
苫前町古丹別に抜ける国道239号の跨線橋をくぐると、添牛内となる。

3.添牛内

ここには駅舎と一部崩れてはいるがホームが残り、線路があれば営業当時と変わらないほどの雰囲気が残っていた。


かつては駅前の農家が、駅舎を買い取り、倉庫に使っていたが、所有者のかたは、毎年雪下ろしがたいへんと話していた。
しかし、使われなったため、ホーム側の差しかけ屋根がなくなり、正面車寄せや共栄方の屋根も痛みが進んでいった。


しかし、2017年有志により、正面の駅名板がつけられ、まわりの整備もなされた。

さらに地元で保存会が設立され、クラウドファンディングで資金を調達、2022年秋には美しい姿になっている。


高齢化や過疎化が進み、深名線を知る人が少なくなる一方、地域の歴史を残そうとする取り組みが行なわれていることは頼もしい。


国道沿いの添牛内市街地は、駅と少し離れた朱鞠内方にあり、立派なバス待合室もそこにある。
4.添牛内~朱鞠内
添牛内のすぐ先の増田の沢川には橋台が残っているが、大曲附近の路盤は放牧地となり消えているところもある。


国道は2回雨竜川を渡るが、一度対岸になった深名線が再び接近すると、両側から山も近づいてくる。
国道の共栄跨線橋から見ると、路盤は初春には確認できるが、季節が進むとたちまちヤブに覆われる。

共栄手前の第4雨竜川橋梁にも橋の跡はなく、JR昇格組の共栄駅も路盤だけで痕跡はない。


第1雨竜トンネルへは共栄の踏切跡から路盤を歩いていく。
トンネルポータルには金網がかぶせられ、下半分は土砂でふさがれていた。朱鞠内方も国道トンネルの東下方にある。


続いて渡る第5雨竜川橋梁のあたりには、国道の橋から橋脚が1本立っているのが見える。

雑誌連載時には深名線のものと勘ちがいしたが、営業当時の写真から、第5雨竜川橋梁の橋脚は円柱であり、さらによく見ると、その奥に四角い土台のある橋脚があるのがわかる。これが現存する橋脚らしい。
国土地理院の旧版地図や空中写真を見ても、深名線の旧線なのか、あるいは旧道のものかはっきりしない。

いすれにしろ、苦労して国道からササが密生したヤブをこいだのはなんだったのか。この逆U字型の橋脚は、国道から見える以外に、朱鞠内方の川岸にも1本立っていた。

雨竜川を渡ると、国道から樹林のなかに並行する路盤が見えるが、赤松川には橋の痕跡はなく、朱鞠内の手前で道路化され、そのまま駅構内へと入っていく。

5.朱鞠内
朱鞠内は、末期には深川~名寄間の全線直通列車が1往復しかなかったので、長時間の接続待ちを余儀なくされた駅だった。
1964(昭和39)年5月の朱鞠内市街の大火で類焼後再建された駅舎は、深名線随一の近代的な建物で、廃止後はバス待合所になっていたが、今は新しいバスターミナルが建てられている。
駅を偲ばせるものは、幌加内同様、駅名標と線路のモニュメントだけである。



廃止前の混雑対応で増結、積雪期ではないのにすべて2基エンジン車 1995年8月撮影


キハ53 502は、前後で顔が異なる珍車として有名だった 1995年8月撮影
今回はここまでです。
おしまいまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回は朱鞠内から白樺へ向かいます。
