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15. 院内推し活【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】


※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。

おはようございます。
スットンキョウと申します。

院内では、基本ヒマです。

ヒマな患者と忙しいスタッフさんが同じ空間に集まると、何が起こるか。

推しができます。

正確には、病棟には看護師さんと看護助手さんがいます。

制服の色も違っていて、
看護師さんは紺色または白、
看護助手さんは水色。

最初は見分けがつきませんでしたが、慣れてくると自然と区別できるようになります。

私のいた病棟は、早朝・日勤・夕勤・夜勤の4交代制で、平日は1日15人くらいのスタッフさんがいたと記憶しています。

私の理解では、

看護師さん
・医師のサポート
・薬を渡すことができる
・患者さんとのコミュニケーションも仕事の一つ

看護助手さん
・食事の配膳
・入浴介助
・物品の貸し出しなど、生活面のサポートが中心

ざっくりこんな役割分担です。

なので、看護師さんを麻雀に誘うと、手が空いていればメンツに入ってくれます。

一方で、看護助手さんは基本的に参加できません。

どうやら看護師さんは、患者と一緒に遊ぶこともコミュニケーション業務の一つという扱いだったようです。

ここからは、まとめて「スタッフさん」と呼びます。

患者にとってスタッフさんは、まともに、そして優しく話してくれる貴重な存在です。

「調子どうですか?」
「眠れてますか?」

そんなふうに気にかけてもらえるだけでも嬉しくなります。

いつしか、
「あ、この人とは話しやすいな」
というスタッフさんができてきます。

それが、そのまま推しへ進化していくのです。

その日の勤務スタッフはボードに貼り出されるので、推しがいる日は朝からテンションが上がります。

しかも、人気のあるスタッフさんはだいたい共通しています。

これは仕方ないことですが、特に男性スタッフはイケメンだと人気です。

病院では全員マスク着用なので顔の下半分は見えません。

それでも、

「マスクの下もイケメンらしいよ」

なんて噂が流れ、みんなでキャーキャー言っていました。

では、私の推しスタッフさんや、印象的だった方々をご紹介します。

【看護師】

どしたん話きこか池田さん

見た目は看護師っぽくないエグザイル系。

でも患者の話をじっくり聞いて、ちゃんとしたアドバイスをくれるので大人気でした。

やっぱり「どしたん、話きこか」系男子は強い。

ある深夜、眠れずナースステーションへ行くと、女子刑務所のボスが真剣に人生相談をしていました。

私は最初、「なんか胡散臭い人だな」と思っていたのですが、一度相談したらめちゃくちゃ良かったので、一気に推しへ昇格。
チョロいです。

経験人数80本 ダレノガレ深津さん

採血クエストをともに乗り越えた戦友。

背が高く若いのに、とてもしっかりしていました。

こちらが真面目に話していると、

「うん、そうだね〜。あまり考えすぎないようにしてね。」

と、年齢が倍近い私にもタメ口を使うという
ダレノガレ明美みたいな一面もあります。

ウマ女ビギナー本並さん

可愛らしい女性スタッフさん。

私が競馬好きなので、天から降りてきたダービー予想を延々と語ったところ、嫌な顔ひとつせず聞いてくれました。

しかも後日、わざわざ病室まで来て、
「宝塚記念、どう予想します?」
と聞きに来てくれました。

優しい。
好き。

ちなみに、すすめた9番単勝は外れました。

ごめんなさい。

スピリチュアル平岡さん

深夜、病院が怖くて眠れなかったとき。

平岡さんがこっそり近づいてきて、

「もしかして……霊感とか、お持ちですか……?」

「何かスピリチュアルなものを感じたり……」

と真剣な顔で聞いてきました。

たぶん、ご本人がスピリチュアル好きなんだなと思いました。

ダマテンの森さん

麻雀で一緒になったら、一通(イッツー)をダマテン。

見事に私が振り込みました。

気のいい兄ちゃんです。

【看護助手】

名探偵林さん

50代くらいの、テキパキ働く女性。

小さい字が見えづらいらしく、
患者名簿を巨大な虫メガネで見ます。

いや、名探偵コナンか。

最初にその噂を聞いたときは爆笑してしまいました。

話してみるととても優しく、

「土日は昼から酒飲んで競馬で2万円スる」

という豪快な休日を送っているそうです。

しかも、お子さんの子育ての苦労なんかも共感しながら話してくれて、本当に温かい方でした。

祖国の腕相撲チャンピオン ミンさん

ミャンマー出身のミンさん。

いつもニコニコしながら仕事をしていて人気者でした。

ご飯を運ぶたびに、

「お待たせしました〜。ごゆっくりどうぞ〜。」

と言ってくれるので、

「インドカレー屋さんでバイトしてましたか。」

と聞いたら、

「はなまるうどんです。」

とのこと。

さらに祖国では腕相撲チャンピオンだったそうで、筋トレ好きの軍事マニアくんを秒殺していました。



再び入院しない限り、皆さんに会うことはありません。

もちろん、入院はもう勘弁なので、会うことはないと信じています。

それでも、優しいスタッフさんばかりだったので、少し寂しい気持ちになります。

病院という場所で出会った、一期一会です。

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スットンキョウ わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)

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