【穴】 芥川賞読んでいく:2冊目【2013年芥川賞】
芥川賞の受賞作を片っ端から読んでいくということをしています。
今出せる自分の力で、読んだ本の感想を書いていきます。
今回は、第150回 芥川賞受賞作 穴。
不気味な黒い獣が日常を歪ませていくお話で面白いです。

基本的にみんな見ないんですよ、見たくないものは見ない。
小説の後半になりやっと話をするようになる義兄との話。
「じゃあ皆さん見逃してるんですか」「はん、何を?」「だから、その、黒い動物……」「ほらね、名前がないと不便でしょう。ま、皆さんはそんなものに興味がないんだろう。見えてないのかもしれない。大体いちいちその辺を歩いている動物だの飛んでいる蟬だの落っこちているアイスのかすだの引きこもりの男だのを見ますか。見ないでしょう。基本的にみんな見ないんですよ、見たくないものは見ない。お嫁さんだって見てないものはたくさんある」川が近づくにつれて、義兄はほとんど横っ跳びになるようにして歩を進めた。その歩き方は普通の神経の人ではないようだった。もしかしてそのせいで夫や姑はその存在を私に隠していたのだろうか?「何年も仲間もいないまま穴を掘っているんだ、悲劇的でしょう。何せもう何年も、成長したり痩せたりしたのを見たことがないよ。一匹こっきりで世代交代もないだろうし、寿命がどれだけあるか知らないけど、ずっと一人で太りも痩せもせず穴を掘って穴に入ってまた出て歩きまわってさ。まるで僕みたいじゃないか。
詰めて文章を書くところや、現実味を残しながらもどこか現実からは外れた人物を書くのがうまい。話の展開もうまく読みやすい部類の小説だと思った。
みんなが注目しないようなものが話にたくさん出てくる。ところが話の主人公にだけ変に関わってくる。
流れみたいなものに加担することにですよ。僕が逃げたそれからですよ
もっと遠くに行ってしまえばいいのにとも思わないじゃないが、離れられない、ホッとしたんです、だから、宗明がこっちに戻ると聞いて、実際戻ってきて。変な話、草葉の陰からじゃないけれど、引っ越して、それから毎朝通勤して、帰ってくる、宗穴明を、僕は何となくずっと見ていたんですよ。おふくろの張り切り方と言ったらない......不気味だとも思うんだけれど、それが人間なんでしょう、誰かがしんどい思いをするんだよね。その役目がお嫁さんに行かなきゃいいけどとは思うけど、でもお嫁さんは好きでこれを選んだわけだし・・・・・・」「これって?」「流れみたいなものに加担することにですよ。僕が逃げたそれからですよ」どこから何の光が差しているのか、水面にかすかに立つ小さな波の形だけが見え始めた。次々形を変えながら途切れない。義祖父が荒く息をしているのが聞こえた。寒いのかもしれない。私だって寒い。早く連れて帰らないとと思った。「お嫁さん。僕のことを隠していたからって彼らを悪く思わないでやってください。悪いのはぞくですからね」
正直周辺を読み返してもわからなかった。過去の自分は内容について考えたことはないとメモしているけど、読みきれてない何かがあるように感じる。
せっかくNoteを使っているので他の人の記事も探して読んでみた
小山田さんに私的なインタビューしていて面白かった
Q穴を読んでの夫の感想は?
A一番最初は「終わってないな」と言われました。
うん、他の小説も読んでみたいなと思った。
工場も面白そう
英語版もあるんだ
穴はストーリーが面白くて構成がうまいので読ませる力が文章にある。純文学苦手ですって人にもおすすめできる一冊だと思いました。
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