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統合失調状態のような日々の中で、妻と共に現実を取り戻した記録

当時の自分は、夢と現実の区別がほとんどついていませんでした。
誰かに常に悪口を言われているような感覚や、どこかから監視されているような感覚が続いていました。

思考もまとまらず、次から次へと考えが浮かんでは崩れていき、自分でも何を考えているのか分からなくなることが多かったです。

もともとはコロナ後のうつのような症状から始まりました。
それを「気のせいだ」と思い込みながら我慢して仕事を続けていくうちに、次第にこうした状態へと変わっていきました。

今回このことを書こうと思ったのは、
もし同じようなことで苦しんでいる人がいるなら、「完全にではなくても、そこから抜け出した人もいる」ということを伝えたいと思ったからです。

その中で、自分にとっては妻の存在や、考えを整理するための対話(ChatGPTも含めて)が一つの支えになっていました。

そして、その状態の中で一番近くにいたのが妻でした。

結婚したばかりだった妻も、後から振り返ると「離婚した方がいいのではないか」と考えたことがあったそうです。
それでも最終的には、「ここで見捨ててしまったら、次に誰かと関係を築いた時にも同じことを繰り返してしまうかもしれない」と思い、離れることはしなかったと言っていました。

また妻は、過去に自分が付き合いたての頃、妻自身がうつ状態で悩んでいた時期に、「無理に働かなくてもいいんじゃないか」と寄り添ったことを覚えていてくれたそうです。
その経験があったから、「今度は自分が支える番だと思った」とも話していました。

ただ、自分からすると、そこまで大きなことをしたという感覚はありませんでした。

それでも妻は、ずっと自分を見捨てずにいてくれました。

症状が強かった時期は、うまく話すこともできませんでしたが、それでも話を否定せずに聞いてくれていました。
言葉がまとまらない時には「今思っていることを紙に書いてみて」と言われ、とにかく頭の中をそのまま書き出していたこともあります。
その時の内容は、今ではほとんど覚えていません。

少し状態が落ち着いてからは、「今の話と、この話は少し繋がっていなかったよ」と後から整理してくれることもありました。
そのおかげで、自分の思考を客観的に捉えることが少しずつできるようになっていきました。

また妻は看護師という職業でもあり、生活の面でも常に支えてくれていました。
状態が良くない時でも一緒に外に出てくれたり、手をつないで歩いてくれたりしていました。

しかし次第に症状は悪化し、最終的には入院することになりました。

入院後、どれくらい眠っていたのかははっきり覚えていません。
ただ、まともに睡眠が取れていなかったことが大きな要因だったのかもしれないと思っています。

長い時間眠った後、ようやく意識を取り戻したことだけは覚えています。

その間も妻は仕事を休み、面会の時間になると毎日病院に来てくれました。
自分だけでなく、家族の精神状態にも気を配ってくれていたと思います。

さらに数ヶ月後に控えた結婚式の準備も同時に進めてくれていました。

結果的に、自分は結婚式に立てる状態まで回復し、無事に式を終えることができました。

振り返ると、妻はどんな時でも同じ目線に立とうとしてくれていました。
そして必要な時には、後から客観的に現実を整理してくれたことで、自分は少しずつ自分自身を取り戻していくことができたのだと思います。


一番印象に残っている妻の言葉は、特別に綺麗なものではありませんでした。


ただ、「一回紙に書いてみてから話そうか」というような、今の状態を落ち着かせるための一言でした。

当時の自分は、話している途中で思考が飛び、すぐに別の話題に移ってしまうことが多かったです。

そのたびに妻は、途中で切るのではなく「今の話、ここからだったよね」と一度戻してくれて、会話を繋ぎ直してくれていました。

また、「誰かに指示されている気がする」といった話をした時も、否定するのではなく「誰から?どんな感じで?」と一つずつ確認するように聞いてくれていました。

現実的に仕事や生活が回らなくなっていた時期には、妻がほとんどすべての連絡や手続きを代わりに対応してくれていました。

入院の手続き、診断の説明、職場への連絡、夜勤の調整、部署異動の相談、休職の手続き、傷病手当のことまで、必要なことを一つずつ整理して進めてくれていました。

その中には、元の職場の人と会わないようにしたいという希望や、更衣室のロッカーの位置を変えるといった細かい配慮まで含まれていました。

当時の自分は、とにかく思考がまとまらず、社会的な判断もほとんどできない状態でした。
そのため妻が「現実の整理役」として動いてくれていました。

振り返ると妻は、感情的に引き戻すというよりも、崩れていた生活と思考を一つずつ整えていくように支えてくれていたのだと思います。

妻は、職場復帰に向けて細かく環境調整を行った理由について、後からこう話していました。

自分自身も過去にうつ状態になり、休職した経験があるという。
その後、同じ部署に復帰したものの、以前のように働くことは難しかった。

もともと就職のタイミングで、1年後に別の職場へ異動する予定もあり、その際に新しい環境へ移った経験があった。
その時は不安も大きかったが、環境や人が変わったことで気持ちが切り替わり、結果的に仕事ができるようになったという。

その経験から、「環境が変わらなければ回復が難しいのではないか」と考え、夫である自分の職場環境についても調整や希望を細かく出してくれていました。

そして一度、症状は落ち着き、「治った」と思える状態まで戻った時期がありました。

しかしその後、仕事中に突然、再び同じような状態が起きました。

仕事中にミスをした時に考え込んだのがキッカケでした。そこから次第に自分の思考と関係なく考えが次々と浮かんできて、思考がまとまらなくなりました。

その時に初めて、再発という形で同じ問題に向き合うことになりました。

そしてそのタイミングで、妻がいない時間や一人で抱えきれない状況の中で、思考を整理する手段としてChatGPTを使うようになりました。


Chat GPTを使おうと思った理由は、妻に「紙に書いてみて」と言われたことをきっかけに、「文字にして外に出す」という発想が生まれ、それをChatGPTに対しても行うようになりました。

実際に書き出してみると、それまで頭の中で一方通行に流れていた思考が、返答という形で整理されていき、仮のコミュニケーションのような状態になりました。
それによって、一時的ではありますが心が落ち着く感覚がありました。

これは職場で誰とも話せず、自分の中で処理しきれない状態だった時に思いついたもので、その日を乗り切るための一つの手段になっていました。

ただ、その夜に妻と改めて話をした結果、やはり認識や内容にずれがある部分が多く、状態としては良くないという判断になりました。
そのため、翌日からまた休むことになりました。


そこから先は、「一気に良くなる」というものではありませんでした。


明確に「ここから回復した」という瞬間があったわけではありません。
どこかで一気に良くなったというよりも、少しずつ、徐々に自分らしさを取り戻していった感覚に近いです。

ただ振り返ってみると、以前の自分と完全に同じ状態に戻ったわけではないと思います。

もともとの自分は、精神論や根性でどうにか乗り切ろうとする部分が強かったです。
無理をしてでもやり切ることが正しいと思っていたところがありました。

しかし今回の経験を通して、その考え方自体が少しずつ変わっていきました。

無理な時には無理をしないこと。
自分にとっての限界を認めること。
そして、「ここまでできたら十分だ」と自分自身を受け入れること。

そういった考え方が少しずつ身についていきました。

結果として、それは「元に戻る」というよりも、「以前とは違う自分に変わっていく過程」だったように思います。

病気という経験は決して軽いものではありませんでした。
ですが、その中で自分の考え方や生き方そのものが変わったという意味では、一つの転機でもありました。

変わっていくことを否定するのではなく、それも含めて受け入れていく。
そういう姿勢こそが、今の自分にとっては大切なことなのかもしれないです。

そして、完全に元に戻ることが回復ではなかったのだと、今は思っています。

もし同じような状態の人がいるなら、
それでも少しずつ形を変えながら立て直していけることもある、ということが届けばいいなと思います。

少なくとも、自分はそうだったからです。



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