見出し画像

板前時代の思い出〜築地仕入れ担当2年目〜

こんばんは。

前回の板前時代の思い出、の投稿はこちら

初めての持ち場で、魚を捌く、下洗いというポジションにつき、毎日山程の魚を捌き、魚の構造はもちろん、この時期のこの魚はこれくらいの脂の乗り、同じ魚種でも、産地や、個体差で違いがあるな、など、毎日魚まみれの日を過ごしていました。

親父さんと2人で行く、築地の仕入れ担当は普通1年なのですが、この下洗いを経験して、魚の奥深さ、仕入れた魚の状態、良し悪し(悪い事は余りなかったですが…f^_^;)をもっと磨きたい、その日に仕入れた魚をその日に自分で捌いて見ること、感じることが出来るなんて、仕入れの目利き、それの答え合わせがその日のうちにわかるなんて、もう毎日が楽しすぎて…

一年で終わる築地仕入れ担当を、もう一年やらせてください!と、親父さんに直談判しました。

魚屋の息子というのもあるのですが、折角、春夏秋冬という、四季がある日本で料理をしているのなら、その季節の魚は完璧に覚えて仕込みをしたい、捌きたい、目利きを鍛えたいという思いが20歳の若僧ながら、心に思い、行動していましたね〜f^_^;

昔の築地は、仲買人(築地の人)と買出し人(築地にかいに来る人)の、駆け引き?騙し合い?みたいな感じで、いい魚は奥にしまっていて、早く売りたい魚(古い魚など)を前面に置くなど…

本当にいい魚は決して、前面には置かれない時代でしたね〜

それが例え、常連でも…

店内の魚を見回して、目利きにかなわない魚しかない場合は、今日はこれだけ?(魚の質)と…

暫くこんな感じ?(現地とのやりとりや競りなど…)

暫く顔は出せないなー…

そうすると奥から素晴らしい魚が…

こんな光景は日常茶飯事で、側から見ていると、ヤラセか‼️と思うような、コントのような…(笑)

でも一見さんには、当時は絶対にいいものは渡さない!みたいな感じの築地でしたね〜…f^_^;

目利きが出来ないお前が悪い!
そんな目利きでよく築地に仕入れにこれるな!みたいな風潮でしたね〜f^_^;

黒木がもう1年、築地仕入れ担当をやらせて欲しいとお願いしたのは、父の仕入れる魚も、もう1年見てみたいと思ったのもあります。

黒木の父の仕入れる魚は、本当に素晴らしく、どれも一級品ばかりで、自分の父親ながら、この人の目利きは半端ないな!と、当時から尊敬していました。

たかが鯵の開き、されど鯵の開き。

毎週日曜日の朝に、黒木家で食べる鯵の開きの干物、小振りなのですが、脂の乗りがもう半端なく、旨味も抜群なんです!

家を出てからは、あんな素晴らしい鯵の開き、食べたことがなく…

戻り鰹なんてもうマグロのトロ⁉️というくらい、脂の乗りが素晴らしすぎて、家を出てからは、鰹って脂がない魚なんだ!とガッカリしていました。

同じ漁場、群れ、その中からも、良い悪いはあり、それを見抜く目利きの大切さ。

父の目利きは絶品だったな〜と、最高な魚を食べさせてもらっていたんだな〜と今思います。


その目利き、なんとしても身につけたくて…

最初の1年では、四季の季節の移り変わりもあり、全てを把握する事は出来ませんでした。

後一年、この一年で、目利きを自分のものにする!という目標ができ、一年目とは明らかに違う視点で、魚を見る、野菜を見る、という、築地仕入れ2年目を過ごしました。

この築地仕入れ担当の2年間は、黒木の料理人人生で1番、糧になる経験でした。

今の時代は、豊洲市場もありますが、産地直送を使う飲食店も増え、くろ喜もそうですが、その産地直送の産地が良いものを送ろう!という想いが強く、素晴らしい魚が目利きいらずで仕入れられるという、素晴らしい時代になってきました。

魚を獲る漁師さんの、船上の活じめや、神経抜きなど、そこから、魚に対して、手をかけ、良いものを出す!という仕組みが出来上がっている、素敵な時代になってきました。

でも逆を返すと、昔は魚が獲れすぎた時代、今は獲れない魚をいかに付加価値、いい魚として出荷するかという時代。

海に囲まれた日本、漁業の漁獲量問題など、良い魚を食べるために、今取り組まなければいけない問題もかなりあります。

黒木の仲間もそういう活動をしていて、今度いろいろお話を伺おうとおもっています。

話はそれましたが、日本人として過ごす、料理人にとっては、魚は切っても切れない食材です。

当時の若造の黒木でも、その大切さが分かって、2年間築地に通い続けたのかな〜と思うと、よくやったよと思います(笑)

それではまた。

いいなと思ったら応援しよう!