映画 『希望( ホープ)』 キェシロフスキ神曲三部作 🌟 煉獄編 NADZIEJA(HOPE) ①
原題:Nadzieja、英題:Hope
監督:スタニスワフ・ムハ
脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピエシェヴィチ
音楽:アルヴォ・ペルト 、マリウス・ルーラント
公開:2007年、上映時間:101分
モスクワ国際映画祭 聖ゲオルギウス金賞 受賞
クシシュトフ・キェシロフスキが、ダンテの『神曲』(地獄篇 Inferno・煉獄篇 Purgatorio・天国篇 Paradiso)に着想を得て構想した「神曲三部作」(地獄 煉獄 天国 トリロジー)の煉獄編。ドイツとポーランドの犯罪サスペンス映画で、主要言語はポーランド語。

フランシスは聡明な理想主義者で、オルガン奏者である父親の教会を手伝っている。恋人クレアから借りたビデオカメラで、美術商ベネディクトが祭壇画『ヴァイオリンを弾く音楽の天使』を盗む犯行現場を偶然に撮影。フランシスは映像と引換えに、金銭などは要求せず、ただ祭壇画を戻せと、ベネディクトに交渉する。ベネディクトは、フランシスを脅すため彼の車を爆破。捜査が進む中、刑事がベネディクトに目をつけ始める。
スタニスワフ・ムハ監督の『NADZIEJA(HOPE)』は、キェシロフスキ特有の「倫理的なジレンマ」や「偶然の連鎖」といったテーマが色濃く反映され、独特の静けさと謎めいた空気感を持つ作品。核となるのは「人は犯してしまった罪(売ってしまった絵)を、本当の意味で元通りに償う(修復する)ことができるのかというテーマ。「人間の救済」と「希望(Nadzieja)」を問う。
現在、ポーランド語(字幕なし)の映像しか観ることが出来ず、日本語字幕版も公開されないので、第一弾として冒頭のみ紹介します。早くU-NEXTさんなどで、配信してほしい限り。主演のラファウ・フダレイも日本で人気でそうなルック(特にこの当時は)なんですが…
日本語タイトルは『希望』か『ホープ』か『HOPE』か。鬼滅の煉獄さんのおかげで『煉獄』でもいいけど。

ストーリー
ポータブルラジオから流れるクラシック。指輪をはめた指がチューニングダイヤルを調整する。白いワンピース、サングラスの金髪女性が、浜辺の家のベンチに座る。砂場で遊ぶ子供たちを見ている。小型帆船。緑の乗用車。近くを貨物列車が通る。女性はサングラスを上げ、遊ぶ幼いフランシスを見て微笑み、木の棒をナイフで削る兄ミハウにも微笑む。ラジオのクラシック音楽は、コンサート会場の、彼女の夫(ズビグニェフ・ザパシェヴィチ)が指揮する中継だった。サッカーをする子供達。ミハウが蹴ったボールが飛んでいき、道路の方へ流れる。フランシスがそれを追っていき、それを見た女性は、慌てて後を追う。道路。フランシスは助かったが、女性は車にはねられ死亡する。
コンサート会場。拍手に応える指揮者。外から来た男が、舞台袖に来た指揮者へ耳打ちする。指揮者は顔色を変え、階下へ行く。大きな花束を落とし、脳卒中を起こして、急に床へ倒れ込む。
NADZIEJA(HOPE)
十数年後のワルシャワ。母の事故死の夢を見て、フランシス(ラファウ・フダレイ)は、ガバッと飛び起き、窓から隣の教会を見る。彼は表へ歩くと、教会へ入っていく。今は片麻痺となった、オルガン奏者を務める父の手伝いをする20代半ばの知的で実直な青年だ。
フランシスは祭壇画『ヴァイオリンを弾く音楽の天使』を見る。教会の表の扉の鍵を開け、オルガンなどの用意をして、緑の車で出かける。入れ替わりに杖をついた父が来て、オルガンの準備をする。
フランシスは黄色いセスナに乗り、パラシュートをつけ、スカイダイビングする。彼はパラシュートを開くタイミングをギリギリまで待つ傾向がある。青と黄色のパラシュートが開くと、地上へ降り立つフランシス。
フランシスは緑の車から、高名な美術商・ギャラリーオーナーでもあるベネディクト・ヴェベル(ヴォイチェフ・プショニャック)をカメラで追っていた。建物の屋根裏に登って、向かいの建物でのベネディクトの情事を撮影。そして、ベネディクトが赤い壁のデスクで電話する様子も撮影。家に帰ってノートパソコンで画像確認する。父の教会での写真もあった。
父とボルシチを食べるフランシス。左手が使えない父は、右手を震わせ不自由そうに食べていた。指輪を落とし、それを拾い、口で指の奥へはめる。

屋外、階段横で待つ恋人のクレア(カミラ・バアル)。フランシスの車を見て笑顔を見せる。フランシスは彼女にカメラを返し、今度はビデオカメラを受け取り説明を受ける。クレアは「カメラを壊さないで、無鉄砲なことはしないでね」と忠告する。
ベネディクトが経営するアートギャラリー。フランシスは、正面入口、金属探知機付のセキュリティゲートを通過する。
帰宅するフランシス。ソファで寝ている父親の手元の照明を消す。
二人の男が、祭壇画『ヴァイオリンを弾く音楽の天使』を外そうと作業している。座席の白コートのベネディクトは電話で話をする。絵画が下へ下ろされ、運ばれる。ハトが飛び、それを見るベネディクト。彼は祭壇横から姿を消す。

教会の二階後方。フランシスは隠れて、盗難の全てをビデオに撮影していた。フランシスは部屋で映像を確認する。


ソペル刑事(ズビグニェフ・ザマホフスキ)と絵を盗まれた件を話をする。警察側はベネディクト周辺の動きに不審な点を感じており、ソペル刑事はフランシスが何か知っているのではないかと探りを入れるが、独自の道徳観で動くフランシスは警察に全てを明かすことはしなかった。
続く








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