windowおじさんと新サーバ──確証と期待のあいだで
以前も登場している “windowおじさん”。
今回も、彼の熱量が小さなミラクルを起こした。
新しいIT機器のサーバを紹介してもらう打ち合わせ。
ベンダーがまだ資料を広げきる前に、
windowおじさんの目が、もう光っていた。
「メモリ容量、CPU、これ…バケモンだな!」
――まるで旧友に再会したかのような顔だ。
ベンダーが説明を始めるより早く、
彼の頭の中ではすでにサーバが稼働している。
「これをデータセンターに配備すれば、未来は明るい」
……いや、この機種が本当に最適かどうか精査しないと。
心の中で私はつぶやく。
ベンダー担当も戸惑いながら、
「そ、そうですね……ええ、たぶん……」
windowおじさんの確信に満ちた笑顔に、
誰も「落ち着いて」とは言えない。
そして、さらに勢いが増す。
「これを高速回線と繋いだらどうなるんだろう…もはや地平線だ!」
地平線って……どこまで行く気なんだ。
ベンダーは困惑しつつも、
「スペックはあくまで理論値なので、構成により変動も……」
と慎重に説明を続ける。
windowおじさんはしばらく黙り、そして静かに言った。
「……じゃあ、試してみようか。」
え? 試す?
誰も借りられると思っていなかった新サーバで、
まさかの事前検証の話が進んでいく。
そして後日、
本当に「借用OK」の連絡が来たのだ。
私は思った。
彼にとって“最新スペック”とは、ただの数値ではない。
数字の奥に、未来を描く力がある。
windowおじさんにとってスペック表は、
“希望の地図”のようなものなのかもしれない。
確証がなくても、そこに夢を見る。
その瞬間、未来はほんの少し現実に寄ってくる。
たしかに彼の話はいつも暴走気味だ。
でも、あの熱量があるからこそ、
「まさか」を「現実」にしてしまう。
周囲がつい、「できるかも」と思ってしまうのだ。
ゆるっと診断士視点
組織には、
“確証で動く人”と“期待で走る人”がいる。
前者は現実を守り、
後者は未来を引き寄せる。
合理性だけを積み上げると、
挑戦の温度はゆっくり下がっていく。
windowおじさんのように、
「まだできない」を「もうできるかも」と言える人がいることで、
組織のエンジンは回り続ける。
確証と推測のあいだ。
そこに、人の情熱が宿る。
今日も先輩の熱量と不思議さに、
私は静かな勇気をもらった。
(過去のwindowおじさんエピソードはこちら)
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