市役所・神霊課のカオス—課長の苦悩と絶叫—【創作大賞2026応募】
タイトル:
市役所・神霊課のカオス
サブタイトル:
—課長の苦悩と絶叫—
あらすじ
某地方都市の市役所には、一般職員にも存在を秘された特殊部署「神霊課」がある。
人間と神霊の境界トラブルを処理するこの課には、“神々の相談”が日常的に舞い込む。
予約システムは三年先まで満席。キャンセル待ちまで出る人気部署。
市長が直々に乗り込み、神々は群れる。行政の現場は混乱の渦に巻き込まれていく。
雑多な案件が乱れ飛ぶ中、課長は“行政官としての矜持”を胸に、法解釈・予算処理・苦情対応・災害認定で”混沌”を黙々と”行政処理”し続ける。
神霊界と現実世界の境界が揺らぐ中、ありえなさに絶叫しながらも、課長は必ず事務処理のペンを走らせる。
これは、神霊界のカオスに立ち向かう“プロ行政官”の戦いの記録である。
プロローグ
ここは某地方都市、県庁所在地の市役所である。
戦国三英傑の縁(えにし)を結び、清流が街中を貫通する街。
戦国の世では「この地を制するものは天下を制す」と言われた要衝。
だが今では、戦国動乱は歴史の遥か彼方に沈み、人口減少に泣く地方都市のひとつにすぎない。
──そう、“表向きは”。
この市役所には、知る人ぞ知る行政課が存在する。
その名も──
『神霊課』
一般の市民は決して触れることがない、神霊界への入り口が地下三階にある。
ここは、人間界と神霊界の境界トラブルを処理する部署だ。
だから、
あり得ない。
でたらめな。
常識外れ。
そんな案件ばかりが舞い込んでくる。
窓口の職員は”人間”である。
ゆえに、”神霊”との価値観のギャップに慣れ、乗り越えなければ”行政処理”などできない。
“混沌”が日常なのは推して知るべし、なのだ。
わははは。
第1話 神霊課の予約窓口、神々の相談で満席
市役所の地下三階。
某地方都市市民はごく限られた”特殊な”人物しか知らない部署“神霊課”がある。
ここは、 「人間界と神霊界の境界トラブル」を処理する部署 だ。
つまり、
常識が通じない。
理屈も通じない。
そもそも相手が人間じゃない。
そんな”地獄”の窓口である。
いや、決してこれは比喩とかではなくて、だな・・・・。
◆ 朝から地獄が始まる
新人職員・つかさが出勤すると、 課長が机に突っ伏していた。
つかさ
「課長、どうしたんですか」
課長
「……予約が……埋まった……」
つかさ
「またですか」
課長
「いや、今回は……“神々”の予約だ……」
つかさ
「は?」
課長
「人間じゃない。神々がネット予約を覚えた」
つかさ
「最悪じゃないですか」
── つかさ、お前、つよつよだな(汗)
なんでそんなに落ち着いてるんだよ。
◆ 神々の予約内容がこちら
天照大神:
「光量調整の相談。最近まぶしすぎると言われる」
八岐大蛇:
「脱皮の申請。産業廃棄物扱いになるので相談したい」
稲荷神:
「キツネの増えすぎ問題。自治会から苦情」
雷神:
「落雷の位置調整。最近AIに怒られる」
つかさ
「いや、ふつーに全部めんどくさいですし、おすし」
課長
「しかも全員“初回1時間枠”を要求してくる」
── あ、つかさがすべった(笑)
つかさ
「地獄じゃないですか」
いや、お前メンタル強すぎじゃね?
◆ そして事件は起きる
つかさが予約システムを確認すると──『予約枠:全て満席(3年先まで)』
つかさ
「3年先まで!?
神々、どんだけ相談したいんですか!?
私らの任期が終わるじゃないですか!?
どうやって引き継げ、と?!」
── いや、職員としてその狼狽は正しい。
正しいんだけどもっ!
課長「しかも……」
つかさ「まだあるんですか?」
課長「“キャンセル待ち”に閻魔大王が入ってる」
つかさ「はっ?!
地獄のトップがキャンセル待ち!?
ですってぇ?!」
◆ さらに追い打ち
つかさの端末がピコンと鳴る。
【新規予約:創造神(カテゴリ:宇宙規模)】
希望日時:今日の午後
希望枠:3時間
相談内容:『世界線のメンテナンス』
つかさ
「いや、宇宙規模は無理」
課長
「3時間枠なんて存在しないんだが……」
── つかさの方が”課長感”があるってどういうことだよ。
課長、影薄すぎだろ?
あんた、「昔のドラマに出てきた、脚立を持って歩く無敵のOLたち」の課長ポジなのか?(汗)
◆ つかさ、覚悟を決める
つかさ
「課長、私が行ってきます」
課長
「どこに?」
つかさ
「創造神のところです」
課長
「死ぬぞ?って、その前に、ブラフマーってインドにいるんだろ?」
つかさ
「大丈夫です。
“市役所の新人”は、だいたい死なないようにできてます」
課長
「根拠ゼロだろそれ」
つかさ
「出張旅費申請、通してくださいね?
あくまで”業務”なんですから。」
── つかさ、お前、今カバンに隠したの分厚い海外旅行ガイドのインド編だろ?
観光旅行する気満々じゃねーか(引き)
◆ そしてつかさは
創造神の元へ向かうため、 市役所の裏口からこっそりと同僚にバレぬように、しかも嬉々として“世界線の隙間”へ飛び込んだ。
つまり、セントレアから旅立ったのであった(唖然)
課長はつぶやく。
「……あいつ、帰ってこれるかな」
すると、予約システムが再び鳴る。
【新規予約:広江孝行(カテゴリ:人間・創作者)】
相談内容:『世界観OSの調整』
希望枠:今すぐ
課長
「広江さん……あんたも”ご相談”か」
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第2話 雷神・八岐大蛇・稲荷神の”境界トラブル”と市長の怒り
某地方都市── 市役所・神霊課。
つかさが創造神のところへ旅立った翌日。
課長は、「今日は平和だといいな……」 と端末の前で、祈りながらコーヒーを飲んでいた。
その瞬間。
ドォォォォン!!!
市役所の天井が揺れた。
課長
「……嫌な予感しかしない」
天井から、 “雷神の落雷申請書(A3サイズ)” が降ってきた。
課長
「紙で落雷すんな!!」
いや、課長。
神鳴りだけに、紙・・・・。
・・・・なんでもない。忘れてくれ。
◆ そこへ、市長が直々に”ご乱入”
市長
「おい神霊課ァァァァァ!!課長はどこだぁっ!!」
課長
「来た……
来てほしくない人物が、一番最悪のタイミングで来た……」
市長は顔を真っ赤にして怒鳴る。
市長
「市役所の屋上に“八岐大蛇の脱皮殻”が積まれてるんだが!
あれどうするつもりだ!!」
ああ、ヘビの生皮、脱皮したては”臭い”だろうな。
それも山を7巻半するやつ。苦情もくるわ。
課長
「産廃扱いなので、処理業者が……
死亡獣畜の適正処理に関する法律に従ってですね……」
いや、それ市長の逆鱗に触れるやつ。
市長
「法解釈なんぞ聞いておらんわぁぁぁぁぁ!!
処理業者が“怖いから無理”って帰ったぞ!!
なんで私のホットラインメールに市民からダイレクトに苦情が入るんだ?!
それを事前に処理するのが、この部署の役目だろぉぉぉぉ!!」
ほら、地雷踏んだ。
課長
「まあ……そうでしょうね……」
課長、あんたの諦観は大したものだ。
◆ 市長の怒りは続く
市長
「さらにだ!!
昨日から市役所のトイレに“狐”が20匹住み着いてる!!」
え?トイレ?
なんかあんの?
市役所のトイレに・・・・。
つい最近、新築されたばっか(注:2021年(令和3年3月)に竣工。同年5月6日より開庁 )だから、キレイっちゃキレイだけども・・・・。
課長
「稲荷神の案件ですね……」
市長
「落ち着いてる場合かぁ!!
その前に、そのコーヒーカップを下ろせぇ!!
便器の上で正座してるんだぞ!?
なんであいつら礼儀正しいんだ!!」
かわい♡。うふふ。
課長
「それは……稲荷神の教育が……
あ、そういえば、教育予算つけてましたっけ?お稲荷さんに?」
課長おぉぉぉ。
あんた、わざとやってるだろぉ?
市長
「知るかぁ!!!
教育の問題じゃない!!
論点はそこじゃないだろぉぉぉぉぉ!!」
ほら、また地雷踏んだ。
◆ そして極めつけ
市長
「あと!!
“閻魔大王がキャンセル待ち”ってどういうことだ!!」
課長
「予約枠が……埋まってまして……」
いやー、淡々としてるな。
市長
「地獄のトップを待たせるな!!
クレーム来たらどうするんだ!!」
うん、普通に怖いわな。
課長
「地獄からのクレームは……FAXで来ます……」
いや、だから、そうじゃないって・・・・。
市長
「オンラインじゃなくて、FAX使うのかよ!!」
ほら、また。
◆ 市長、ついに限界
市長
「もういい!!
神霊課は今日から“市長直轄部署”にする!!
俺が直接管理する!!」
課長
「それは……やめた方が……」
市長
「黙れぇ!!俺が神々を管理する!!」
課長
「(あ、この人……明日には後悔するやつだ……)」
◆ その瞬間、予約システムが鳴る
【新規予約:創造神 】
相談内容:『市長の世界線、ちょっと危ない』
希望枠:至急
課長
「……ほら来た」
市長
「え?何これ?」
課長
「市長、あなた……世界線に怒られてます」
市長
「世界線に怒られるって何だよ!!」
課長
「創造神が“至急”って言ってるので……
たぶん、あなたの発言が“宇宙的にアウト”だったんでしょうね……」
市長
「宇宙的にアウトって何だよ!!」
市長、それは宇宙の”ガードレール”だ。
課長が正しい。(笑)
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第3話 閻魔大王と泰山府君の予約ブッキング── 地蔵菩薩の仲裁
閻魔大王案件をキャンセル待ちという”合法放置プレイ”で処理し、市長が恐怖のあまりブチ切れた翌日。
課長が出勤すると、予約システムに“見慣れない赤い帯”が表示されていた。
課長
「……赤帯? 嫌な予感しかしない」
画面にはこう書かれていた。
【特級VIP予約:泰山府君】
相談内容:『寿命データのバグ』
希望枠:至急
備考:閻魔大王より優先
課長
「優先順位、逆転した……!?」
◆ 泰山府君、来庁
地下三階の神霊課に、 静かに“寿命の帳簿”を抱えた泰山府君が現れた。
泰山府君
「……すまぬ。寿命データが乱れておる」
ああ。泰山府君のこの”強者感”よ。
マシマシじゃねーか。
課長
「ど、どんな感じで……?」
泰山府君
「人間の寿命が“全員120歳”で固定されてしまった」
課長
「バグがでかい!!」
泰山府君
「しかも……“市長だけ”寿命が5年になっておる」
課長
「世界線、完全に市長を嫌ってる……!」
◆ そこへ、閻魔大王が乱入
閻魔大王
「おい!泰山府君!!
なんで俺のキャンセル待ちを、すっ飛ばしてお前の案件が優先されるんだ!?」
泰山府君
「静まれ。今は寿命の話をしておる」
閻魔大王
「俺の地獄の業務も寿命に関係あるだろうが!!」
課長
「(地獄のトップが“順番待ち”でキレる世界、平和すぎる……)」
課長。
それ”平和”じゃねーし。カオスだし。
◆ そして、地蔵菩薩が現れる
突然、神霊課の空気が柔らかくなった。
地蔵菩薩
「……騒がしいのう。どうしたのじゃ」
課長
「じ、地蔵菩薩様!? なぜここに……?」
地蔵菩薩
「六道の流れが乱れておる。
“市長の寿命5年問題”が波及しておるのじゃ」
閻魔大王
「市長のせいで地獄が混乱してるんだよ!!」
泰山府君
「寿命データが壊れたのは、市長の“宇宙的にアウトな発言”が原因じゃ」
地蔵菩薩
「市長、……余計なことを……」
課長
「市長……どれだけ世界線に嫌われてるんだ……」
◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行(カテゴリ:創作者・人間) 】
相談内容:『神霊課の構造、さらに積みたい』
希望枠:今すぐ
閻魔大王
「おい広江は、また来たのか!!」
来ますよ。
こんな面白い案件、放っておけるものですか、閻魔様。
泰山府君
「広江殿は“構造の積み方”が上手いからのう」
わーい、褒められた。
地蔵菩薩
「広江孝行殿、次はどの階層を開くつもりじゃ?」
お地蔵様、今考え中です!ちょっと待って!
課長
「広江さん……あなたが来ると、物語が加速するんですよ……」
仕方ないやん?
でも面白いでしょ?
何か問題でも?(勘違い)
わははは。
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第4話 市長の寿命問題とマハーカーラの”ご相談”
泰山府君と地蔵菩薩が寿命データの修正をしている最中。
課長がふと気づく。
課長
「……あれ?部屋が暗く……?」
蛍光灯が消えたわけでもないのに、 空気が“夜”に変わった。
地蔵菩薩
「……来おったか」
閻魔大王
「うわ、マジかよ……今日は帰りてぇ……」
泰山府君
「広江殿が“黄泉つながり”を口にしたせいじゃな……」
課長
「え、広江さんの一言で来るんですか!?」
地蔵菩薩
「広江孝行殿は“構造の扉”を開けるのが上手いでな」
◆ ◆ マハーカーラ、降臨
空間が“黒い時間”に沈む。
そこに現れたのは──
六臂の黒い神。
背後に夜の渦。
足元に時間の影。
マハーカーラ
「……神霊課よ。“時間の流れ”が乱れておる」
課長
「じ、時間……ですか……?」
マハーカーラ
「市長の寿命5年問題が、“時間の根本レイヤー”に干渉しておる」
閻魔大王
「市長、どんだけ世界に嫌われてんだよ……」
泰山府君
「寿命の帳簿が黒焦げになったのは、市長を焚き付けたお主のせいじゃぞ?
課長。」
うっわ。飛び火。課長危うし!
ヘタ打つとキャリアがヤバいぞ。逃げ切れ!
課長
「焚き付けたって、いつ!?
私はマジメに、誠実に、滞りなく、法解釈を適切に行なって、行政を・・・・。
いや、そんなことよりも、寿命の帳簿が黒焦げ!?
寿命データって、燃えるんですか!?」
── お?論点ずらし?
お見事。パチパチ。
マハーカーラ
「燃える。
“時間の怒り”は炎の形を取る」
課長
「時間、怒るんですか……」
よっしゃ、課長、振り切ったぞ。
うまい、うまい。
地蔵菩薩
「怒るぞ。あやつは“夜の主”じゃからな」
◆ ◆ マハーカーラの相談内容
マハーカーラ 「相談内容は三つ」
“市長の寿命5年”が世界線の夜側に干渉している
地獄の時間が1.2倍速で進んでいる
黄泉の入口が“市役所の倉庫”に繋がった
課長
「最後のやつ!!
なんでウチの倉庫なんですか!!
しれっと別案件を紛れこますの、やめてぇぇぇ!
仕事が増えるうぅぅぅ!」
課長、本音が漏れまくってるぞ?
行政マンとして、それはアカンやろ。
マハーカーラ
「市役所の倉庫は“混沌”が溜まりやすい」
閻魔大王
「わかる。
あそこ絶対なんかいる」
泰山府君
「去年、倉庫で“未登録の魂”が迷っておったしのぅ」
課長
「そんなの聞いてないんですが!?
神霊課に死亡届を出しに来た“迷子の魂”へ
『身内に頼んで市民課へどうぞ』って“ご案内”したことはございましたが?」
閻魔大王、泰山府君、地蔵菩薩
「「「それだ。」」」
おい、ハモるな。怖いじゃないか。
これが地獄の三重奏。
課長、それ、たらい回し・・・・。
いや、なんでもない。
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『マハーカーラの次の階層も開ける』
希望枠:今すぐ
マハーカーラ
「……広江殿。
お主、また扉を開けるつもりか」
地蔵菩薩
「広江孝行殿は“構造の鍵”を持っておるからのう」
閻魔大王
「おい広江、頼むから次は“破壊神シヴァ”とか呼ぶなよ……」
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ」
課長
「やめてください!!
市役所が消滅します!!」
ヒンドゥー神話に言及したら、
あの“破壊神”呼ぶしかないだろ?課長。
閻魔さま、見事なご洞察でございます。
わははは。
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第5話 市長の寿命問題で破壊神夫婦の”ご来庁”(シヴァ&カーリー編)
マハーカーラが泰山府君に言われて、寿命データの黒焦げを確認している最中。
突然、神霊課の空気が“静寂”に変わった。
閻魔大王
「……おい、なんか来るぞ」
泰山府君
「これは……“時間の上位波形”じゃ」
地蔵菩薩
「広江孝行殿が“カーラつながり”を言ったせいじゃな」
課長
「広江さんの一言で世界が動くのやめて!!」
◆ ◆ 空間が“無音”になる
蛍光灯の音も、空調の音も、 自分の心臓の音すら消える。
その“無音”の中心に──
青黒い炎をまとった男が立っていた。
シヴァ
「……神霊課よ。“時間の根源”が乱れている」
課長
「根源!?
根源って何ですか!?
そもそも、時間に“根源”ってあったんですか!?」
シヴァ
「市長の寿命5年問題が、“宇宙の時間軸”に干渉しておる」
閻魔大王
「市長、宇宙に嫌われすぎだろ……」
泰山府君
「寿命の帳簿が燃えたのも、あやつのせいじゃ」
いや違うし。
課長の“行政マントーク”にブチギレただけだし。
行政マンとしては平常運転だし。
地蔵菩薩
「市長も、また余計なことを……」
だから、違うって。
市長、可哀想過ぎるだろ。
◆ ◆ そして“時間の奔流”が現れる
シヴァの背後から、 黒い風が吹き抜ける。
その風は、 時間そのものの匂い をしていた。
そこから現れたのは── 血のように赤い舌、夜のように黒い肌、そして“時間の奔流”を纏う女神。
カーリー
「……神霊課。“時間の流れ”が詰まっておる」
うわ・・・・。
漆黒の女神キタ。
課長
「詰まる!?時間って詰まるんですか!?」
カーリー
「詰まる。
市長の寿命5年問題が“時間の排水管”を塞いだ」
カーリーさん、時間って”排水”なんすか?
排水処理場経由しないと、”垂れ流し”じゃないすか。
それ、上下水道課の案件なのでわ?
課長
「排水管!?時間って排水管に流れるんですか!?
で、詰まらせているのが市長のアレなんて、イミフなんですけど!?」
課長、反応が遅い。
シヴァ
「比喩ではない。
宇宙の時間は“流れ”であり、詰まれば溢れる」
うわ・・・・。
旦那までキタ。破壊神夫婦、存在感ありすぎ問題。
それより、市長のアレを”排水管のヘドロ”みたいに言うのはちょっと・・・・。
閻魔大王
「地獄の時間が1.2倍速になってるの、絶対市長のせいだよな」
泰山府君
「うむ。間違いない」
あ~。完ぺきに市長のせいになってるじゃん。
かわいそ。(棒)
◆ ◆ カーリーの相談内容
カーリー 「相談は三つじゃ」
時間の流れが市役所の倉庫で逆流している
市長の寿命5年が“時間の渦”を作っている
黄泉比良坂が“市役所の裏口”に繋がった
課長
「裏口!?今度は裏口!?
なんで裏口なんですか!!
それも黄泉比良坂!!意味不明なんですけどぉぉぉぉ!!」
すでに日本神話の世界観がワールドワイド。
いいねぇ。カーリーさまが黄泉比良坂をご存知なあたりがなんとも。
カーリー
「裏口は“混沌”が溜まりやすい。」
え?カーリーさま、倉庫と裏口が市役所地下の“同じ導線”に位置してることも説明しないと!課長の”疑問”は正当ですよっ?!
確かに、黄泉側から見れば同一ゲートとして扱われるかもだけどっ!
カーリー
「倉庫も裏口も、市役所地下では同じ導線じゃ。
黄泉側から見れば、“同じ穴”に見えるのじゃ。」
カーリーさま!ナイスフォロー!
閻魔大王
「わかる。あそこ絶対なんかいる」
泰山府君
「去年、裏口で“未登録の魂”が迷っておったしな」
課長
「そんなの聞いてないんですが!!さっきと同じじゃないですか!!
せっかく責任回避、もとい“適正処理”したのにいぃぃぃぃ!!」
おい、課長。本音が漏れてるぞ?
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『時間階層のさらに上を開ける』
希望枠:今すぐ
シヴァ
「……広江。
お主、また扉を開けるつもりか」
カーリー
「広江は“時間の鍵”を持っておる。
次の階層も開けられるぞ?間違いない」
閻魔大王
「広江、頼むから次は“ブラフマー”とか呼ぶなよ……」
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ」
課長
「やめてくださいぃぃぃ!!
市役所が宇宙に吸われます!!」
そんな、原初神、いや根源神みたいに言われてもね。
わたしゃ、一介の物書きに過ぎんのですが?
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第6話 神霊課課長、破壊神夫婦の喧嘩を仲裁できず
シヴァとカーリーが時間の排水管(比喩じゃない)を確認している最中。
突然、空気がピリッとした。
閻魔大王
「……おい、なんか始まるぞ」
泰山府君
「これは……“夫婦波形”じゃな」
地蔵菩薩
「犬も食わぬやつじゃ」
課長
「夫婦波形って何!?
なんで神霊課で発生するの!?神様でも痴話げんかとかするの?!
イミフなんですけどぉ!!」
◆ ◆ シヴァ、静かに怒る
シヴァ
「カーリーよ。
なぜ“時間の排水管”にお前の髪が詰まっておる?」
カーリー
「詰まっておらぬわ!!
あれは“夜の奔流”じゃ!!」
シヴァ
「夜の奔流でも、現実にお前の”抜け毛”だろう?
詰まるものは詰まる。
ちゃんと抜け毛処理せんか」
カーリー
「ぬ、ぬ、ぬ、抜け毛などではないわ!!人(神?)聞きの悪い!!
お主の踊りのせいで、排水管が揺れたのじゃろうが!!」
シヴァ
「揺れたのであれば、”つまらぬ”はずだが?」
カーリー
「つまらぬのはお主のツッコミじゃ!
今回に限ってなぜそのように細かいところまで・・・・」
課長
「排水管の揺れで宇宙が乱れるのやめて!!」
◆ ◆ 夫婦喧嘩、加速
カーリー
「そもそもお主、“市長の寿命5年問題”を放置しておったじゃろ!!」
シヴァ 「放置ではない。
“見なかったことにした”だけだ」
カーリー
「それを放置と言うんじゃ!!」
閻魔大王
「うわー始まったよ……」
泰山府君
「これは長引くぞ……」
そ、そ、そ。犬も食わないやつ。
お地蔵様のツッコミは正しい。うんうん。
地蔵菩薩
「広江孝行殿が開けた扉のせいじゃな」
んー、私のせいにされてもね。
わたしゃ、ただの傍観者ですし、おすし。
課長
「広江さん!?なんで夫婦喧嘩まで呼ぶんですか!?」
課長。
それは違う。
夫婦は呼んだかもだが、喧嘩は呼んではいない。
読者の誤解を招かぬよう、言葉には気を付けることだ。
◆ ◆ さらにどうでもいい論点へ
シヴァ
「そもそもお前、
“黄泉比良坂を市役所裏口に繋げた”だろう」
カーリー
「違うわ!!
あれは“夜の気配”が勝手に繋がったのじゃ!!」
シヴァ
「勝手に繋がるわけがなかろう?」
カーリー
「お主の踊りのせいじゃ!!
あの“タンダヴ”が強すぎるんじゃ!!」
シヴァ
「タンダヴは宇宙の律動である」
あー、シヴァさんマイペース。
それ女の人、怒らすやつ。
女性はね、”共感”を求めてるんだよ?知ってるでしょ?
いや、知っててやってるな。
シヴァさん、いけず。
カーリー
「知らん!!
市役所が揺れたんじゃ!!」
ほらぁ!
シヴァさん、逃げ道用意してあげないと・・・・。
課長
「宇宙の律動で市役所揺らすな!!」
課長、気持ちは分かる、分かるがこの二柱はすでに周りが見えていない。
諦めろん。
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『夫婦喧嘩の次の階層を開ける』
希望枠:今すぐ
閻魔大王
「広江、頼むから次は“ブラフマー”呼ぶなよ……
夫婦喧嘩に親父が来たら地獄だぞ……」
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ」
地蔵菩薩
「広江孝行殿、次はどの扉を開くつもりじゃ?」
課長
「広江さん……お願いだから……
これ以上、神霊課をカオスにしないで……!!」
いや、課長。
私のせいにされてもね。
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第7話 黄泉の水源管理トラブル──イザナミ来庁で神霊課長が慄然
シヴァとカーリーが夫婦喧嘩している最中。
神霊課の空気が、突然“湿った冷気”に変わった。
閻魔大王
「……おい、なんか来るぞ」
泰山府君
「これは……“死後界の母性波形”じゃ」
地蔵菩薩
「広江孝行殿が“黄泉つながり”を言ったせいじゃな」
課長
「広江さん!?また扉開けたんですか!?」
◆ ◆ イザナミ、怒りの来庁
空間が“腐敗した花の匂い”に満たされる。
そこに現れたのは──
息をのむほどに美しい純白の宮廷装束に、首元からなびく薄絹の『領巾(ひれ)』をまとった女神。
彼女はカーリーを見つけると、領巾をバサァッと背中で交差させ、手際よく『たすき掛け』にして縛り上げた。
裳の裾はガシッとたくし上げ、仁王立ちで怒鳴り込んできた。
おい、女神さまの古代装束が、お掃除の”作業服”扱いじゃないの。
やめて?女神さまのイメージがくずれるから。
イザナミ
「──ちょっとアンタたち!!
いい加減にしなさいよ!!」
課長
「ひっ……!?イザナミ様!?」
イザナミ
「黄泉の水源地が詰まったのよ!!
なんか変な“髪の毛みたいなもの”が大量に流れてきて!!
水が逆流して大惨事よ!!」
カーリー
「……あ、それは私の“夜の奔流”じゃ」
イザナミ
「アンタの髪の毛か!!
黄泉津醜女が“ごちそうだ!”って大喜びしてたわよ!!
勝手なことしないで!!
黄泉の秩序が乱れるじゃないの!!」
課長
「(黄泉に秩序……あったのか……)」
課長、心の声を口にしなかったことは褒めてあげよう。
◆ ◆ シヴァ、余計なことを言う
シヴァ
「黄泉に秩序などあったのか」
ああっ!シヴァさん!
課長は言いとどまったのに。
もはやマイペースではなく、空気読めていないっす!
イザナミ
「あるわよ!! “最低限の混沌管理”ってやつが!!」
うん、うん。黄泉の管理者の矜持だね。
閻魔大王
「最低限の混沌管理って何だよ……」
閻魔さま。
あなた、当事者でしょ?
何を”第三者的所見”述べてんですか?
泰山府君
「黄泉は黄泉で、独自のルールがあるのじゃ」
そうそう。
地蔵菩薩
「まあ、あそこは“混沌の自治会”みたいなものじゃからな」
お地蔵さんまで・・・・
あなた、閻魔様の別神格じゃないですか?
なんで、部外者目線なの?
課長
「自治会!? 黄泉に自治会あるんですか!?」
うん。課長。あんたの疑問は正しい。
でも、ま、あの世の階層構造はざっくりでも理解しておこうよ。な。
◆ ◆ イザナミ、さらに怒る
イザナミ
「しかもよ?!
黄泉比良坂が“市役所の裏口”に繋がってたのよ!!
誰の仕業よ、これ!!」
カーリー
「夜の気配が勝手に……」
イザナミ
「勝手に繋がるわけないでしょ!!
アンタたちの夫婦喧嘩のせいよ!!」
シヴァ
「夫婦喧嘩ではない。単なる見解の相違だ。
そして、タンダヴは宇宙の律動である」
シヴァさん、空気読もうね?
タンタヴは黄泉比良坂と市役所裏口への短絡とは関係ないから、ね?
イザナミ
「知らんわ!!市役所揺らすな!!」
ほら、怒られた。
イザナミさんもノリいいわぁ。
課長「ほんとそれ!!」
課長、あんた当事者だよ?分かってるの?
ツッコんでる場合じゃないよ?これ、どうやって着地させるの?
見通しあるの?
・・・・あるわきゃ、ないわな(すん)
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『イザナミの次の階層を開ける』
希望枠:今すぐ
イザナミ
「広江……アンタね……
また余計な扉開けようとしてるでしょ……?」
カーリー
「広江は“混沌の鍵”を持っておるからのう」
シヴァ
「次は“イザナギ”が来るかもしれぬ」
閻魔大王
「やめろ!!夫婦喧嘩が倍になる!!
シヴァ&カーリーだけで沢山だっ!
ただでさえ、市役所破壊クラス・・・・」
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ」
課長
「広江さん……お願いだから……
市役所をこれ以上、神話の修羅場にしないでぇぇぇぇ……!!」
いやいや、イザナミさまが来たら、イザナギさまの出番でしょ?
このカオスを鎮めるには”陰陽相和す”の理でもって”対消滅”させるのが道理・・・・。
課長
「ちがうわぁぁぁぁぁぁ!!」
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第8話 市役所に物理的被害──黄泉の境界トラブルで神霊課が後始末
イザナミが黄泉の水源地トラブルで怒鳴り散らしている最中。
シヴァとカーリーはまだ”不毛な”夫婦喧嘩を続けている。
課長
「もうやだ……帰りたい……」
うんうん。
課長、その気持ちは人としてよく分かる。
だが、行政マンとして耐えろ。給料のうちだぞ?それも。
閻魔大王
「おい、空気が揺れてるぞ」
泰山府君
「これは……“黄泉の地殻波形”じゃ」
地蔵菩薩
「広江孝行殿が、また扉を開けたせいじゃな」
何でも、私のせいにするのやめない?
繰り返すけど、私、原初神でも、根源神でもないんですから。
神サマ方、一介の物書きに何を幻想抱いてんですか?
課長
「広江さん!?
今度は何を呼んだんですか!?」
課長・・・・
あんたもか。
◆ ◆ ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
市役所の壁が震え始める。
カーリー
「……あれは“岩の波形”じゃな」
シヴァ
「いや、あれは“境界の封印”の波形だ」
イザナミ
「ちょっと待って……
まさか……
千曳の岩が動いてる!?」
課長
「千曳の岩!?
あの黄泉比良坂の封印の!?
なんで、そんな御大層で物騒なものが動くんですか?!
誰が責任取るんですか!?」
イザナミ
「知らないわよ!!
法解釈と行政手続き上の処理はあんたの仕事でしょ!ちゃんとやんなさいよっ!仕事っ!!
あれが動くなんてありえないのよ!!
誰よ動かしたの!!」
うん、イザナミさま。
そうだよね。行政手続きは市役所の管轄。
あなたの指摘(ツッコミ)は正しい。
全員の視線が、 予約システムの端末の前に座る課長の方向を向く。
全員
「「「「誰なんだ?」」」
課長が震え上がる。
せっかく『市長寿命5年問題』や『迷子の魂”ご案内”問題』の案件について”責任回避”したのに、詰められてこの件で責任問題に炎上したら出世どころか、キャリアに傷がつく。
課長!全力で逃げろ!
課長「広江さん……あなたなんですか……?」
うん、課長。その責任転嫁は”行政マン”として正しい。
ただ・・・・、人として大事なものをなくしていないか?
知らんけど。
◆ ◆ そして──岩が来た。
ドォォォォォォォォン!!!!
市役所の壁が粉砕された。
粉塵の中から、 巨大な岩がゴロゴロ転がり込んでくる。
閻魔大王
「ちょっ……待て待て待て!!
なんで千曳の岩が市役所に突っ込んでくるんだよ!!」
泰山府君
「封印が……外れた……?」
地蔵菩薩
「いや、これは“外れた”のではなく…… 自走しておる」
課長
「岩が自走!? なんで!?」
イザナミ
「黄泉の水源地が詰まったせいで、“黄泉の圧力”が逆流したのよ!!
その勢いで岩が押し出されたの!!」
良かったな、課長。
イザナミさまが説明してくれたぞ。
これであんたのキャリアもしばらくは大丈夫だ!
カーリー
「つまり、私の髪の毛のせいじゃな」
課長
「(やった!カーリー様!ナイスフォロー!
これで私のキャリアも安泰だ!)」
おい、課長。ガッツポーズはやめろ。
心の声は出てないが、行動に出てる。
”うっし!!”ってなんだよ。
違うし。
”キャリア安泰”じゃねーし。
イザナミ
「アンタの髪の毛のせいよ!!」
シヴァ
「タンダヴの振動も影響しておる」
イザナミ
「アンタの踊りも原因よ!!」
よかったな、課長。
あんたから矛先は逸れつつある。
このまま煽って、逃げ切れ!
課長
「矛先が私からそれたのはいいけれども!
夫婦喧嘩で岩が飛んでくるのやめてぇぇぇぇ!!
”修繕許可申請”出して、めんどい手続きするの、私、なんですよぉぉぉぉぉ!」
あーあ、課長。とうとう言っちゃったな。
課長
「あぁっ!!備品の減価償却がぁぁぁぁ!!
どうするんですかっ!!これぇぇぇぇぇ!!」
うん、課長。
神霊課、課長の宿命だ諦めろん。
◆ ◆ そして岩の後ろから“何か”が来る
粉塵の奥から、ズル……ズル……と何かが這い出してくる。
閻魔大王
「おい……あれ……黄泉津醜女じゃねぇか……」
イザナミ
「そうよ!!
“髪の毛のごちそう”を追ってきたのよ!!
アンタたちのせいで黄泉が大騒ぎなの!!」
カーリー
「夜の奔流は美味なのか?」
イザナミ
「知らんわぁぁぁぁ!!
食べ物じゃないのにぃぃぃぃ!
カーリー!あんた製造物責任とか分かってる?!」
イザナミさま。
髪の毛は”製造物”でも”食べ物”でもないですよ?
だから、製造業の法規制は無効です。
・・・・って、課長は言うハズ。
課長
「なんで市役所に黄泉津醜女が来るんですか!!」
あ、言わなかった。
課長、ツッコむ余裕もないんだな。
お察しいたします。(チーン)
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『千曳の岩の次の階層を開ける』
希望枠:今すぐ
イザナミ
「広江……アンタね……次は何を呼ぶつもりなの……?」
カーリー
「“イザナギ”かもしれぬな」
カーリーさま、煽るのはやめましょう。
シヴァ
「あるいは“黄泉軍”そのものか」
うん、やっぱり夫婦だな。思考の位相が一緒だわ。
閻魔大王
「やめろ!!市役所が戦場になる!!」
閻魔さまが一番まともって、どゆこと?
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ?」
いやいや。
私は宇宙の”法”の執行者ではないですし、おすし。
泰山府君さま、煽らないで?
課長
「広江さん……お願いですからぁぁぁぁ!!
市役所をこれ以上、神話の”交通事故”にしないでぇぇぇぇ!!
今のままならトラフィックなのに・・・・カオスになっていまいますぅぅぅ!!」
すまんな、課長。
いまいいとこなんだ。あんたの”要求”は聞けん。(笑)
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第9話 イザナギの“離婚届”──神霊課課長、手続きで混乱する
千曳の岩が市役所の壁を粉砕し、 黄泉津醜女がズルズルと侵入してくる中──
さらに空気が“乾いた神気”に変わった。
閻魔大王
「……おい、来るぞ」
泰山府君
「これは……“浄化の波形”じゃ」
地蔵菩薩
「広江孝行殿がまた扉を開けたせいじゃな」
課長
「広江さん!?今度は誰を呼んだんですかぁぁぁ!?」
◆ ◆ イザナギ、登場
粉塵の中から、 白装束の男が現れた。
手には── 千曳の岩の破片(=離婚届) を持って。
イザナギ
「──おい、イザナミ。何やってるんだ?」
イザナミ
「は?何って、黄泉の水源地が詰まったから──」
イザナギ
「おれは、お前を離縁したはずじゃなかったか?」
課長
「離縁って言うな!!ここ市役所ですよぉぉぉぉ!!
戸籍関係は市民課管轄ですぅぅぅぅ!ここに持ってこないでぇぇぇぇ!!」
課長、気持ちは分かるが、さり気に神様へ”ご無礼”をはたらいているぞ?
気を付けないと・・・・黄泉に連れていかれるんじゃないのか?(笑)
ほらぁ、黄泉津醜女が舌なめずりしてる(ざわっざわっ)
◆ ◆ イザナギ、離婚届を突きつける
イザナギ
「千曳の岩は“離婚届”として、神霊課に受理されたはずだろう?」
課長
「えっ!? 受理した覚えないんですが!?」
あーそれ、前任者からの引継ぎがうまくいっていないやつだ。
閻魔大王
「お前んとこ、なんでも受理するからな……」
泰山府君
「神霊課は“境界の書類”が全部回ってくるのじゃ」
地蔵菩薩
「離婚届も例外ではない」
課長「知りませんよぉぉぉぉぉ!!
そんなの聞いてないぃぃぃぃ!!
前任者に聞いてぇぇぇぇぇ!!」
課長。仕方がない。それは行政マンの宿命だ。
前任者の尻を拭く。
立派な仕事だぞ?
がんばれ(ほじほじ)
◆ ◆ イザナギ、追い打ち
イザナギ
「さっさと黄泉津醜女を連れて帰れ。
臭くて敵わん。しっしっ。」
そりゃあ、ねぇ・・・・。
黄泉から生還したイザナギさま、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で即座に禊ぎしたくらいですから、よほど臭かったんでしょ、黄泉の空気ってさ。知らんけど。
黄泉津醜女
「シッシッて言われた……!!」
そりゃあ、ねぇ・・・・。
匂いの発生源はおそらくは”あんた”達だと思うよ?自覚無いの?
イザナミ
「アンタねぇ……!!
黄泉津醜女は“黄泉の治安維持部隊”なのよ!?
失礼にもほどがあるわ!!」
うんうん。分かる。
イザナミさま、それが黄泉の管理者の矜持だよね。
マネージャーとして、スタッフを守る姿勢は素晴らしい!ぱちぱち。
イザナギ
「治安維持、だと?あれはただの“追跡型ゾンビ”だろう」
イザナミさま、それは確かにそうだけどもっ!事実だけどもっ!
イザナミ
「言い方ァァァァ!!」
そりゃ、女性に『臭い』とかいったらねぇ・・・・。
◆ ◆ シヴァとカーリー、夫婦喧嘩を中断して参戦
シヴァ
「……イザナギよ。
お前の離婚処理が甘いから、黄泉の境界が乱れておるのだ」
カーリー
「そうじゃそうじゃ。
“最低限の混沌管理”ができておらん」
お、仲直り?じゃないわなぁ。
共闘、でもないし・・・・。
イザナギ
「お前ら夫婦に言われたくないわ!!
時間の排水管詰まらせた張本人が!!」
うん、その通り。
カーリー
「それは夜の奔流じゃ!!」
シヴァ
「タンダヴの振動も影響しておる」
イザナミ
「アンタらの夫婦喧嘩のせいで黄泉が逆流したのよ!!」
そうそう、イザナミさま。
あなたは”被害者”ですからね?
間違ってないよ?
課長
「お願いだから!
夫婦喧嘩で世界線を乱すのやめてぇぇぇぇ!!」
課長、ちゃんとジャッジしようか?気持ちはわかるけども。
神様方、自分の立ち位置を理解していないぞ?
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『イザナギ参戦後の次の階層を開ける』
希望枠:今すぐ
イザナギ
「広江……お前がまた扉を開けたのか」
イザナミ
「広江、次は何を呼ぶつもりなの?」
カーリー
「“黄泉軍(よもついくさ)”かもしれぬな」
シヴァ
「あるいは“根の国の王”そのものか」
シヴァさま、カーリーさま。それは違う。
私は秩序の破壊など望んではおりませぬゆえ。
狂気とカオスはデフォルトってだけで、至って真面目な”常識人”ですよ?
読者の誤解を招くので、訂正を要求いたします(ふんす)
閻魔大王
「やめろ!!
地獄と黄泉が合体したら俺の仕事が増える!!」
閻魔さま、安定の”常識人(神?)”枠でございますね。うふふふ。
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ」
泰山府君さま、だから煽らないで?ね?
課長
「広江さん……市役所がもう限界です……!!」
ああ、そうだなぁ(ほじほじ)
課長さん、何とかして?
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第10話 祓戸四柱、神霊課のカオスを見て業務放棄
イザナギが離婚届(千曳の岩の破片)を突きつけ、イザナミが黄泉津醜女を連れて怒鳴り、シヴァとカーリーが夫婦喧嘩し、千曳の岩が市役所の壁を粉砕し、黄泉津醜女がズルズル侵入してくる──
ああ、カオス──
その瞬間。
空気が “清浄” と “怒り” と “呆れ” の混じった波形に変わった。
閻魔大王
「……おい、なんか来るぞ」
泰山府君
「これは……“祓いの波形”じゃ」
地蔵菩薩
「広江孝行殿がまた扉を開けたせいじゃな」
課長
「広江さん!?今度は何を呼んだんですか!!」
はやり、ここは浄化しないとでしょ。
はらったま、きよったま。
◆ ◆ 気吹戸主(いぶきどぬし)・登場
気吹戸主
「皆様、お困りですかな?」
課長
「伊吹戸主様!いいところに!!
助けてくださいぃぃぃぃ!!御覧の通り、市役所が崩壊寸前なんですぅぅぅ!!」
気吹戸主
「ふむ……これは…… 祓う気が失せるレベルのカオスですな」
伊吹戸主さま、あなたそれ、”職務放棄”ではございませんか?
閻魔大王
「お前でも無理かよ!!」
閻魔さま、ナイスツッコミ。
◆ ◆ 瀬織津姫(せおりつひめ)・登場
瀬織津姫
「うわっ……カオス……何これ……何がどうなってるの……?」
瀬織津姫さま、呆れてる場合ではございません。流してください。
天津罪も、国津罪も盛りだくさんで、すでに”フルコンボ”なんですわ。
課長
「説明できるなら、ここまで”カオス”になってませぇぇぇぇぇん!!(泣)」
まー、課長の気持ちも分かるけどね。
瀬織津姫
「黄泉の髪の毛?
インドの時間の奔流?
夫婦喧嘩?
離婚届?
市役所の壁が粉砕?
……全部まとめて流せる気がしない」
瀬織津姫、あなた、諦めるの早すぎじゃないでしょうか?
◆ ◆ 速秋津姫(はやあきつひめ)・登場
速秋津姫
「何やってんだよ・・・・お前ら」
速秋津姫さま、オネエ属性、ダイナミックで最高ですぅぅ。
大海原のごときおおらかさ。
イザナギ
「いや、これはだな──」
速秋津姫
「言い訳すんな。黄泉津醜女が市役所にいる時点でアウトだ」
ですよねー。
ちゃちゃっと飲み干してやってくださいませ、速秋津姫様。
でも嫌ですよね。臭っさいもの・・・・。
イザナミ
「アンタねぇ!!私だって困ってるのよ!!」
イザナミさま、あなたの困惑は正しい。
速秋津姫
「知らん。帰れ」
ですよねー。気持ちは分かる。”雑な正論”が最高ですわ。
でも、できることなら、追い払いたいですよねー。黄泉津醜女集団。
黄泉津醜女
「えっ、帰れって言われた……」
当然です。
◆ ◆ 速佐須良姫(はやさすらひめ)・登場
速佐須良姫
「……理解不能。ばっかじゃないの?」
ああ!オネエその②登場!!最高ですぅぅぅ!!
その口調はクセになる。
課長
「言い方ァァァァ!!」
いやいや、課長。この蓮っ葉口調がいいんじゃないか。
まだ青いな?
ああ、課長にとってはそれどころじゃないな。すまんな。
速佐須良姫
「いや、これ祓うとか無理でしょ。
“祓う前に原因を殴れ”ってレベル」
うんうん。ですよねー。
思いっきりやっちゃってください。吹き飛ばして?
シヴァ
「殴るのは得意だぞ」
カーリー
「私も得意じゃ」
あかんて。火に油だよ。
速佐須良姫
「お前らが原因だよ!!」
ほらね。
◆ ◆ 祓戸四柱、総評
気吹戸主
「これは……祓いではなく……」
瀬織津姫
「“カオスの増幅”になってる……」
速秋津姫
「広江、アンタのせいだぞ」
速佐須良姫
「広江、責任取れ」
え?私のせいなんですか?(すっとぼけ)
課長
「広江さん……市役所がすでにもう神々様でも祓えないレベルのカオスです!!
もぉぉぉぉ!!やめてぇぇぇぇぇ!!」
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『祓戸四柱の次の階層を開ける』
希望枠:今すぐ
イザナギ
「広江……お前、まだ開ける気か」
イザナミ
「次は何を呼ぶつもりなの……?」
カーリー
「“根の国の王”かもしれぬな」
カーリーさま、あなた、なかなか鋭いですね。うふふ。
黄泉=根の国。そこにおわしますのは”大国主様”ですよ?
シヴァ
「あるいは“国常立尊(くにとこたち)”か」
いやいや、シヴァさま。そのお方は根源神じゃないですか?
”艮の金神”さまですよ?それはシャレにならない。
閻魔大王
「やめろ!! 宇宙がひっくり返る!!」
うんうん。その通り。
閻魔さま、あなたは正しい。
しかしなんで、あなたが”常識人枠”なの?
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ」
課長
「泰山府君さま、煽るのやめてぇぇぇ!縁起でもないぃぃぃ!
広江さん……市役所がもう限界ですぅぅぅ!!
どこに着地するんですかぁぁぁぁぁ!!」
祓戸四柱の乱入で、神霊課カオス構造は “祓いが祓いにならないフェーズ” に突入した。
次は傍観者を決め込んでた “マハーカーラ”が”バージョンアップ”するぞ?
乞う、ご期待だ。
わはははは。
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第11話 マハーカーラ突然の財神化──神霊課課長、対応不能になる
シヴァとカーリーが夫婦喧嘩し、 イザナギとイザナミが離婚問題で揉め、 祓戸四柱が呆れ、 千曳の岩が市役所の壁を粉砕し、 黄泉津醜女がズルズル侵入してくる──
その最中。
マハーカーラ(大黒天)が、 突然ピタッと動きを止めた。
閻魔大王
「……おい、なんか変だぞ」
泰山府君
「これは……“属性変換の波形”じゃ」
地蔵菩薩
「広江孝行殿が、また余計なことを考えたせいじゃな」
課長
「広江さん!? 今度は何をしたんですか!!」
特に何も?
カーリーさんの言う通り、根の国の王が”そういや、ここにいるじゃん”って”思った”だけだよ?何か問題でも?(ほじほじ)
課長
「いやいや!大ありでしょ?!それぇ!!
あなたが何か考えるたび、つぶやくたび市役所・・・・いや!
世界を神話も含めて揺らすのはやめてぇぇぇぇぇ!」
◆ ◆ マハーカーラ、覚醒
マハーカーラ(インドの黒き時間神)は、日本では大黒天として垂迹し、その本地は黄泉を司る大国主と同一系譜に位置づけられる。
……まあ、知ってる人は知っている。
マハーカーラ
「……ふむ。
黄泉の混沌、時間の乱流、夫婦喧嘩、離婚届……
すべてを統合した結果──」
黒い神気が、 金色に変わった。
マハーカーラ
「──我、財神モードに移行する」
マハーカーラって”大いなる暗黒”って意味だからね。
”大黒”だよ?つまりは、そゆこと。
課長
「モード!?神にモードがあるの!?」
課長、もう少し神話学を勉強しよっか?
”神”ってのは属性だよ?だから固定された名称じゃないんですわ。
”概念”ってのに近いかな?だから、働きによってその姿を変える。
基本だよ?それ。
カーリー
「マハーカーラ。お主、何をしておるのじゃ……?」
シヴァ
「これは……“商売繁盛の波形”……?」
わーい、インドの神様の方が理解が早い。
イザナギ
「黄泉の支配者:大国主が”商売繁盛”に転職ってどういうことだ」
マハーカーラ
「本地垂迹だ」
イザナミ
「説明になってないわよ!!それに大国主、アンタ、商売繁盛って・・・・
黄泉の仕事、放棄する気!?
黄泉の国に利権構造はないわよ!一体何で利ざや稼ぐってのよ!!」
え?お二方ともご存じない?
大国主様の別名だよ?大黒天。
シヴァ
「いや、説明になっておる。
“本地垂迹”とはそういうものだ」
カーリー
「夜の奔流を浴びると進化するのじゃ」
んん~。この破壊神夫婦の”斜め上”バディ感、サイコー。
イザナギ
「進化って何だよ!!神に進化システムあるのか!!」
祓戸四柱
「「「「……あるんだよなぁ、これが」」」」(呆れ)
お、ハモった。これぞ”禊ぎ”の波形。
でも全然、浄化(秩序回復)されていないの、ウケる。
課長
「市役所で宗教史の実演しないでぇぇぇぇ!!」
課長、諦めろ。
すでにこの流れは止まらない。
私に止める気がないからな。わははは。
◆ ◆ マハーカーラ、完全変身
黒い肌が金色に輝き、 背後に宝袋が出現し、 手には打ち出の小槌。
マハーカーラ
「──我は今より、財神・大黒天(ゴールドフォーム) として活動する」
課長
「フォームチェンジ!? 仮面ライダーなんですか?!
意味不明なんですけどぉぉぉ!!」
閻魔大王
「黄泉の支配者が金運の神になるって何だよ!!」
あ、閻魔さま。課長に引っ張られてるね、思考が?
正気に戻ってくださいよ。
やれやれだぜ。
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第12話 神々の“進化”に課長がツッコみ、神霊界から叱責される
マハーカーラが突然、覚醒して大黒天になると、神々がパニック。
そこへさらに混乱の火種が落とされる。
わははは。
これが作者特権だ!(ふんす)
◆ ◆ そして、宝船の汽笛が鳴る
ポォォォォォォォォ……
市役所の外から、 巨大な影が近づいてくる。
瀬織津姫
「え……海ないよねここ……?
それに、なんで汽笛?」
速秋津姫
「いや、あれ……空飛んでない?
最近は”宝船”も空飛ぶのか。宇宙戦艦みたいに・・・・。
時代、だねぇ。」
速佐須良姫
「理解不能。速秋津、ばっかじゃないの?
あんたのアニオタ属性もいい加減にしたら?」
速秋津姫
「アニオタって言うなぁぁぁぁぁ!!」
課長
「空飛ぶ宝船!?なんで!?」
課長、速秋津姫さまがアニオタだって公開されたんだぞ?
そこツッコめよ。
ソボキューの前に現実を受け入れた方がいいぞ?
現実逃避フェーズにはまだ早い。
◆ ◆ 七福神、来庁
宝船が市役所の駐車場に着陸。
そこから──
恵比寿
毘沙門天
弁財天
福禄寿
寿老人
布袋尊
そして、 大黒天(本家)が降りてきた。
本家ってなんだよ?(笑)
マハーカーラは”元祖”なのか?
道頓堀のたこ焼きじゃないっつーか・・・・。
で、やはり本家が勝つのか?
恵比寿
「大国主が“財神モード”に進化したと聞いて」
毘沙門天
「黄泉の支配者が金運神に転職とは、面白い。
本地垂迹の波形、確認した」
弁財天
「市役所の波動、カオスすぎて草。どこにご利益が欲しいの?」
布袋尊
「これは儲かる(確信)」
寿老人
「寿命データが黒焦げじゃのう」
福禄寿
「黄泉の髪の毛が詰まっておる」
課長
「儲かるって何!?
市役所ですよぉぉぉぉ!!ここぉぉぉぉ!!」
課長、仕方がない。この方たちは商売繁盛の福徳神だ。
市役所にもご利益を下さる(かもしれない)ぞ?
◆ ◆ 大黒天(本家) vs 大黒天(マハーカーラ)
本家(笑)大黒天
「お前……誰の許可で“財神モード”になった?」
課長
「許可制なの!? 神の進化って許可制なの!?」
本家(笑)大黒天
「課長、うるさい。ことは神霊界の秩序に関わる。黙ってろ。」
あ、怒られた。
マハーカーラ
「我は“黄泉の大国主”から進化したのだ」
本家(笑)大黒天
「進化って何だよ!!神に進化システムあるのか!!」
大黒天さま、それ、イザナギさまがすでに使いました。はい。
進化システムって・・・・神様、モンスター育成ゲームみたいだぜ(笑)
カーリー
「あるぞ。夜の奔流を浴びると進化する」
うんうん、カーリーさま、分かるけど、それ我田引水ですよね?
シヴァ
「タンダヴの振動も影響しておる」
あ、やっぱりカーリーさまの”旦那”だ。
思考の階層が同じ。つまり、空気が読めていない。
イザナミ
「アンタらのせいで黄泉がカオスなのよ!!」
うんうん、イザナミさまが一番状況を把握してるね。
課長
「お願いだから、神様の進化で市役所壊すのやめてぇぇぇぇぇ!!」
課長の絶叫はもはや様式美。
行政マンとしての思考の土台が揺らがないのは大したものだ。
あなたにとっては”修繕許可申請”が通るか、どうかが一番の関心事なんでしょ?
よっ!行政マンの鏡!
◆ ◆ そして予約システムが鳴る
【新規予約:広江孝行】
相談内容:『七福神乱入後の次の階層を開ける』
希望枠:今すぐ
恵比寿
「広江殿は次、何呼ぶんだ?」
毘沙門天
「まさか“八百万の神総出撃”か?」
弁財天
「それとも“福の神の上位存在”?」
閻魔大王
「やめろ!!地獄の秩序が破裂する!!」
泰山府君
「いや、広江殿なら呼べるぞ」
課長
「広江さん……市役所がもう限界ですぅぅぅぅ……!!
まだ続けるんですかぁぁぁぁ?!」
課長、すまんな。
こんな、面白い展開、放置したら創作の神様に叱られるんだよ(笑)
七福神乱入で、 神霊課カオス構造は “縁起物フェーズ” に突入した。
めでたい、だろ?
大黒天の”変身”は必然だ。だって、本地垂迹じゃないか(笑)
本地(インド):マハーカーラ(黒い時間・破壊・夜の主)
垂迹(日本):大黒天(財神・福神・縁起物)
と、こうだぞ?
つまり、黄泉の支配者が財神に“変身”するのは、歴史的にも宗教的にも構造的にも正しい。
むしろ、 変身しない方がおかしい。
この瞬間──
神々が納得。ええのんか?
シヴァ
「広江の言う通りだ」
カーリー
「本地垂迹は宇宙の仕様じゃ」
え?カーリーさま、インドまで日本神界の”仕様書”が敷衍されているんですか?
うそぉ!
イザナギ
「まあ……否定できん」
イザナミ
「……悔しいけど正しいわ」
祓戸四柱
「「「「構造的に正しいのが腹立つ」」」」」
お願いだから、ハモんないで?
閻魔大王
「広江、世界線の仕様書読んでんのか?」
いや、一応、国際標準規格の番人を12年やりましたからね。
規格要求事項に目を通すのは基本でしょ?
泰山府君
「広江殿は“構造の鍵”を持っておるからのう」
泰山府君様。
”構造の鍵”ではなく、”規格要求事項”ね?うふふ。
課長
「広江さん…… あなたの一言で神々が納得するのやめて……!!
それになんで、ここで国際標準規格の仕様が出てくるんですかっ?!
意味不明なんですけどぉぉぉぉ!」
仕方がないやん?
宇宙の仕様書も規格要求事項も構造は同じだぞ?
つまりどれだけ、堅牢で、美しいか。そこを読み取れば神話もISOも同じだ。
わはははは。
課長
「わはははは、じゃ、ありませぇぇぇぇぇぇん!!
なんで、規格要求事項と宇宙の理が同じ階層で語られてるんですかっ!!
意味不明なんですけどおぉぉぉっ!!」
つづく、多分(笑)
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません(多分)
第13話 神霊課の混乱に一応の終止符──しかし課長の安寧は遠い
七福神が宝船で駐車場を占拠し、 祓戸四柱が呆れ、 イザナギとイザナミが離婚問題で揉め、 シヴァとカーリーが夫婦喧嘩し、 黄泉津醜女がズルズル侵入し、 千曳の岩が市役所の壁を粉砕し、 マハーカーラが財神フォームに進化した──
その瞬間──空気が“静止”した。
閻魔大王
「……おい、なんか来るぞ」
泰山府君
「これは……“天帝の波形”じゃ……」
地蔵菩薩
「広江孝行殿がついに最終扉を開けたか……」
課長
「広江さん!?今度は何を呼んだんですかっ!?
泰山府君さま、天帝ってあの『退かぬ媚びぬ省みぬ』と言いそうな世紀末の・・・・」
おぉっとぉぉぉぉ!!
課長そこまでだ!これ以上は著作権に触れる恐れがある。
気を付けたまえ!
ちょっと違う。
そこは天帝ではなく”荒野を支配する暴君”の方だぞ?
──課長。その一言であんたの年代が分かる。
わはははは。
◆ ◆ 北極星が、市役所の天井に現れる
天井が消え、代わりに満天の星空が広がった。
その中心──
北極星が、ゆっくりと降りてくる。
星の光が人の形を取り、静かに足を地につけた。
紫微大帝(妙見)
「──ここが、噂の“神霊課”か」
課長
「ひっ……!!天帝クラスが来た……!!
独裁的な皇帝どころじゃないぃぃぃぃぃ!!」
課長、おちつけ。
もう、著作権スレスレだ。
◆ ◆ 紫微大帝、現場を見て一言
紫微大帝
「……カオスだな」
課長
「ですよね!!(ガクブル)」
◆ ◆ 紫微大帝、各勢力にツッコミ
紫微大帝
「イザナギよ。
離婚届(千曳の岩)を市役所に提出(壁を物理的に粉砕)するな」
イザナギ
「・・・・すまん(そもそもイザナミが・・・・)」
紫微大帝
「イザナミよ。
黄泉津醜女を“ごちそう(カーリーの詰まった髪)”で釣るな」
イザナミ
「すんませぇん(私のせいじゃないのにぃぃぃ!)」
紫微大帝
「シヴァよ。
タンダヴで市役所を揺らすな」
シヴァ
「すまん(タンタヴは宇宙の律動だ。仕方があるまい)」
紫微大帝
「カーリーよ。
髪の毛で時間の排水管を詰まらせるな」
カーリー
「ごめんなさぃ(”髪”じゃなくて、”夜の奔流”じゃぁぁぁぁぁ!)」
紫微大帝
「大黒天よ。
勝手に進化するな。いくら元祖とは言え、本家をないがしろにしては宇宙の秩序が乱れる」
マハーカーラ(財神フォーム)
「すまん(ゴールドフォーム、カッコいいのに・・・・)」
紫微大帝
「七福神よ。宝船を駐車場に停めるな。某地方都市中(なか)警察署交通課には通報済みだ。ちゃんと反則切符を受け取って、適正処理してこい。」
七福神
「すまん(×7)(何で反則切符?罰金は何で払えと?)」
あ、7柱同時にハモってる。初めて見た。
謝罪の合唱団かいな。
紫微大帝
「祓戸四柱よ。
祓う前に呆れるな。業務放棄案件として人事課に通達済みだ。追って沙汰を待て」
祓戸四柱
「すまん(×4)(マジかよ、査定下がる)」
あ、またハモり。
課長
「全員怒られてる!?」
そうだぞ?某世紀末独裁者には出来ない。
神様を叱るなんて不可能だぞ?
◆ ◆ そして──作者(広江孝行)に向き直る
紫微大帝
「……広江孝行」
うおっ!わ、わ、私?!
課長
「えっ、広江さんが呼び出されるの!?」
うん、今イヤな汗が背中を流れてる。
宇宙の塵に還されちゃうかな?(どきどき)
紫微大帝
「お前が“扉を開け続けた”せいで、世界線がここまで乱れた」
ひぃっ!!すみません!すみません!
悪気はなかったんです。
私はひとえに、”読者の皆様の腹筋”が健やかである様に”お導き”させていただいただけでぇぇぇぇ!
紫微大帝
「だが──」
は、は、はひぃっ!
星空が一瞬、明るくなる。
紫微大帝
「面白かった。」
えっ?
課長
「えっ!? 面白かったの!?」
紫微大帝
「世界線の揺らぎは、創作者の手(暴走&狂気)によってこそ、美しくなる」
紫微大帝
「広江孝行── 次の扉も開けてよいぞ。」
いいのぉっ?!!
っしゃあぁぁぁぁ!!(ガッツポーズ)
閻魔大王
「やめろォォォ!!」
いや、閻魔さま、天帝さまのお達し、だからね(うふふ)
泰山府君
「世界線が崩壊する!!」
だいじょぶ、だいじょぶ。
泰山府君さま、何とかなるって。
天帝さまが”ケツ持ち”してくれるんだよ?
最強じゃん!(調子乗り&勘違い)
地蔵菩薩
「いや、広江孝行殿ならやるじゃろう」
お地蔵さま、なんで私のこと、そんなに分かるんですか?
うれし(笑)
祓戸四柱「もう知らん(×4)」
またハモってる。すでに様式美。
紫微大帝
「つまりこういうことだ。
”広江、いいぞ!もっとやれぇ!!”
私が許す。ふふふ。」
課長
「紫微大帝さまぁ!なに煽ってくれちゃってるんですかぁぁぁぁ!!
私が許す、じゃないでしょぉぉぉ!
ふふふ、じゃないでしょぉぉぉ!
広江さん……今度やったら市役所が本当に宇宙に吸われますぅぅぅぅ!!
私のキャリアがぁぁぁぁぁ!私の出世がぁぁぁぁぁ!!
誰が始末書、書くと思ってるんですかぁぁぁぁぁ!!」
課長。天帝さまのお許しが出たからね?
私のせいじゃないよ?(笑)
この胃薬あげるからさ、元気出して?ね?
課長
「・・・・分かりました。広江さん。
特別にあなたに神霊課の”神霊行政特別顧問”として”委嘱状”を発行するよう、上に申請します。発行されるまで大人しくしててくださいよ!!
委嘱状が出る前に今回みたいな”権限外の勝手な真似で”暴走”したら、”威力業務妨害”で通報しますからね!!」
う、課長。痛いところついてくるな。
分かったよ。調子に乗った。
すまん。
さぁて、”委嘱状”が出たら、次はどこの”世界線”を揺らしに行くかな?
神霊課課長、平和にコーヒーを飲む世界は、当分諦めてくれ。
わはははは。
・・・・
課長は、去っていく神々の背中を見送りながら、肩を落としつつ震える手で電卓を叩き始めた。
「……壁の修繕費は『神霊災害』として・・・・いや、『不測の損害』として予備費充用で処理するとして・・・・。
七福神の反則金は警察からの納付委託として、歳入欠陥が出ないようにするには・・・・。
『雑入』で処理……いや、いっそ『地域振興寄付金』に振り替えさせて、市長の機嫌を取るか……
つかさは一体どこまで”出張”してるんだ!
私一人で、この”事務処理”ができるわけ無いだろぉぉぉ!」
絶望的な事務作業の山を前にして、絶叫がオフィスに響き渡る。
しかし、涙ぐみながらも課長が事務処理のペンを走らせるのは行政官としての矜持である。
これこそが、神霊課の真の戦いなのだ。
神々の喧騒が去ったあとも、市役所の夜は明けない。
ただ一箇所、地下三階の扉の隙間から漏れる光が、戦士の所在を示していた。
──神霊課、残業不可避。 (了)
※これはフィクションです。実在の人物、組織とは一切関係ありません
【システムログ:世界線同期完了】
神々を相手に始末書と修繕申請のペンを走らせる、地下3階の残業記録。ここで課長が頭を抱えている「時間の排水管の詰まり」や「世界線のメンテナンス」の、ガチでシリアスな本体サーバー(世界観OS)は、ミステリー小説部門応募作『電脳神霊学』へ。
そして、このカオスと対をなす、現代の治療院を舞台にした重厚な伝奇サバイバルは、ホラー小説部門応募作『令和版・霊界物語』にて調律中です。
