小説・自己中恋愛ラプソディ③
喜怒哀楽が激しく、怒りだしたら手が付けられないが、楽しんでいるときは全身全霊で喜びを表現するエリ。誰に対してもそういう感じだったので、雅史がそばにいるおかげ、とはいい切れないが、エリの横で一番近くで見ていられるだけで十分だった。
雅史はエリから自分への気持ちを引き出すのは早々に諦めた。別れを切り出さない限りは自分を好いていてくれるのだろう、ということで満足するしかないのだ。エリの場合は。
つかず離れず約3年。なんとなくうまく行っていたように見えたふたりの関係も、卒業の半年ほど前に終止符を打った。
一応、「別れたい」というエリの気持ちを受け入れたのだが、それでも卒業するまではたまにふたりで会うこともあった。付き合っていたころとあまり変わらないように見えたが、明らかに違ったのは先に雅史に新しい恋人ができたこと。そう、雅史が先に別の人を選んだのだった。
エリのことが心にありながら、雅史は卒業と同時に一切連絡を取らず、エリからくることもなかった。
あれから約7年の月日が経ったいま、まさかの再会。
お互い社会人となり、当時ほどの無邪気さはなくなっていたが、大人として落ち着いた雰囲気も醸し出していた。
今日はふたりとも時間があったので、少し近くを散歩することにした。7年間、まったく連絡を取り合っていなかったこともあり、お互いの近況などを報告し合った。
最初は緊張してよそよそしい態度だったエリも、次第に打ち解けて昔に戻ったらしい。
憧れの仕事についたエリは、相変わらずアクティブで充実した日々を送っているようだった。変わらないエリの様子に雅史はうれしくなった。
一通り仕事について話すと、自然な流れでプライベートへと話題はうつっていく。雅史はエリの近況について、人づてに聞いてある程度知ってはいたが、話題作りとして敢えて知らないふりをして聞いた。
「そういえばエリ、結婚したの?」
