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Fitbit Airが届く。でも、大事なのはデバイスじゃなかった

今日、Fitbit Airが届く。

たぶん自分は箱を開けて、腕に巻いて、その軽さに一瞬驚くのだと思う。5.2gという数字はもう何度も見た。画面がないことも、7日もつことも、調べ尽くした。買うかどうかで迷った時間も、それなりに長かった。

ただ、待っているあいだにずっと考えていたのは、そこではなかった。

このデバイスは、単体だとただのセンサーだ。そう思ってしまってから、気持ちの向き先が少し変わった。

欲しかったのは、腕に着ける物ではなかったのかもしれない。欲しかったのは、自分の体の状態を、自分より正確に説明してくれる誰かのほうだった。そう考えると、注文までに何週間もかけた理由も、今なら少し分かる気がする。

センサーは、解釈されないと意味がない

心拍を取る。睡眠を取る。血中酸素を取る。体表温を取る。

取れるのは事実の羅列で、そのままでは何も教えてくれない。昨日の歩数が7,432歩だったと知って、今日の行動が変わる人はたぶんいない。数字は、読まれてはじめて情報になる。

意味が出るのは、そこにAIが乗ってからだ。Google Healthは今のところGeminiが土台にあって、日々の数値を読んで傾向として返してくる設計になっている。そのために月額がかかる構図で、本体価格よりサブスクのほうが気になっていたのは、たぶんそちらが本体だからだと思う。

デバイスは入口で、価値はうしろ側にある。買う前は、それがうまく言葉にならなかった。

利用者のことは記録できるのに、自分のことは記録していない

仕事で毎月、利用者宅を訪問する。モニタリングだ。

食事はとれているか。夜は眠れているか。何時に起きて、途中で何回起きたか。薬は残っていないか。体重は変わっていないか。聞いて、書く。感想ではなく事実で書く。医師に情報を渡すときはなおさらで、「お元気そうです」では判断材料にならない。

担当者会議でもそこは同じだ。「最近ふらつきがあるようです」ではなく、いつから、どの時間帯に、何回あったのか。転んだのか、転びかけただけなのか。事実を並べたときにだけ、次の一手が決まる。逆に言えば、記録が薄い月は、こちらが差し出せるものも薄い。

それを十数年やってきて、ふと気づいた。

自分のことは、何も記録していない。

血液検査は定期的に受けているし、結果もその都度もらっている。それでも診察室では毎回「まあ、ぼちぼちです」と答えている。仕事でいちばん信用しない答え方を、自分がしている。

考えてみれば、医師と接する機会は多いほうだと思う。担当者会議で意見をもらうこともあれば、研修で話を聞くこともある。プライベートでも、医療職の知り合いは少なくない。それなのに、自分の体の話になった途端、差し出せる材料がない。この状態でウェアラブルの数値をどう見ているのか、今度は自分の話として、直接聞いてみたいと思っている。

点と線を、同じ場所に置きたい

血液検査は点だ。年に数回しかない。

心拍や睡眠や体重は線だ。毎日取れるかわりに、その線が何を意味するのかは分からない。

この2つを同じ場所に置きたい、というのが今回いちばんやりたいことなのだと思う。Fitbit Airが1本の線を取る。体重計がもう1本足す。食事はアプリに話しかけて入れる。そこに検査結果を、自分の手で打ち込む。読み解きはAIにやってもらう。

そうやって数か月ぶんためてから、次の受診に行く。

聞きたいことは、わりとはっきりしている。眠れていない時期と数値が動いた時期は重なっているのか。疲れが抜けない週に、何が起きていたのか。どれも、感覚で答えようとすると必ず「たぶん」が付く質問だ。「たぶん」を減らすためだけに、この仕組みを組みたいのだと思う。

ためた記録は、Obsidianに置く

ひとつ決めていることがある。積み上がったものを、Google Healthの中だけに閉じ込めない。

傾向や気づきは手元に書き出して、Obsidianに置く。そこはもう、ChatGPTにもGeminiにもClaudeにも読ませている共通の置き場になっている。健康のデータもそこに合流させれば、どのAIに相談しても同じ前提で話が始まる。

音声を録ってAIに要約させる仕組みは、仕事のほうではもう回っている。半年使って残ったのは、記録が早くなったことより、記録を任せられる安心のほうだった。同じことを、自分の体に対してやろうとしているだけとも言える。

自分に関するエビデンスがたまっていくと、たぶん、いろいろなものの精度が上がる。noteで健康の話を書くときも、感想ではなく数字を持って書ける。書いていることの確からしさが変わってくるはずだ。仕事のほうにどれくらい効いてくるのかは、まだ想像がつかない。そこは試してみたい。

自分の代わりに、エビデンスを差し出してくれるもの

ケアマネの仕事は、突き詰めると代弁だと思っている。

本人がうまく言葉にできないことを、事実に翻訳して、医師や事業所に渡す。その渡し方の精度で、その人が受けられる支援の内容が変わることがある。だから記録に神経を使う。

たとえば家族から「最近、食欲がなくて」と言われたとする。そのまま伝えても、医師は動きようがない。いつからか、体重が何kg落ちたのか、水分はとれているのか。そこまで揃ってはじめて、受診につながったり、サービスが変わったりする。言葉を事実に置き換える作業が、この仕事のかなりの部分を占めている。

同じことを、自分の体に対してやりたい。

診察は5分もない。その5分で「なんとなく疲れています」と言うのと、「この3か月、睡眠時間の平均が短くなっていて、安静時心拍は上がっています」と言うのとでは、医師が拾える情報の量が違うはずだ。少なくとも、話の出発点は変わる。

ただし、これは半分だけの話でもある。自分がどう感じているかという主観は、やはり自分にしか出せない。そこにAIがまとめた客観を足して、はじめて材料になる。そして最後にそれを伝えるのは自分だ。渡し方が下手なら、せっかくのデータも流される。医学の知識も、もう少し真面目に入れていかないといけないと思っている。自分のデータを持つことは、そのまま勉強の入口にもなるはずだ。

道具は積み上げた時間のぶんだけ良くなると思っていて、使い込むほど好きになっていくものにしか、結局のところ興味が持てない。データも同じで、1日目のデータには何の価値もない。半年たってはじめて、線が意味を持ちはじめる。

試されるのは、こちらの使い方のほう

これから契約するのは、Google AI Proのほうだ。月2,900円。Google Health Premiumは、その特典として付いてくる形になっている。単体で入ると月1,580円なので、AIまわりをここに寄せるなら、健康側は上乗せなしで乗ってくる計算になる。GoogleのAIに一本化できるなら、2,900円は安いというのが今の感覚だ。

面白いと思っているのは、コーチと対話しながら進める設計になっている点だ。数値を見せられて終わりではなく、聞かれて、答えて、その答えもまたデータとして積み上がっていく。どこまでできるのかはやってみないと分からない。

そう考えると、価値があるのはデバイスというより、それを取り巻く環境のほうだ。そして環境が整うほど、使う側の能力が試される。どのデータを残すか、何を聞くか、返ってきた答えをどう扱うか。AIが進化すれば、この小さなトラッカーもたぶん一緒に進化していく。そこに追いつけるかどうかは、こちら次第になる。

うまくいくとは限らない

ここまで書いておいて何だが、思ったとおりにいく気は、正直あまりしていない。

今のGeminiが、医師にそのまま渡せる水準の要約を出してくれるとは思っていない。日本語でどこまで自然に回るかも分からないし、医師がウェアラブルの数値をどこまで見てくれるかも未知数だ。それでも、今後に期待して先に入っておく価値はあると思っている。育っていくものには、早く乗ったほうが自分のデータもたまる。

もうひとつ、数字に飲まれる怖さもある。睡眠スコアが低い朝に、実際は普通に眠れていても「今日は調子が悪いはずだ」と思い込む。記録が体調を決めてしまう順番の逆転は、仕事でもたまに見かける。

だから、あくまで材料として持っていたい。答えを出すのはAIでも数値でもなく、医師と自分だ。

今日から、線が1本増える

今日、箱を開ける。

腕に巻いた瞬間に何かが変わるわけではないし、明日の数字にも意味はない。意味が出てくるのは、たぶん次の受診の日だ。そのときに何を差し出せているのか、まだ分からない。

それでも、この小さなバンドは、仕事と日常とAIを、思っていたよりなめらかにつないでくれる気がしている。記録を取る癖はもともとある。そこに健康が1本足されるだけと言えば、それだけの話だ。ただ、いちばん下にあるのは心と体の健康で、そこが崩れたら写真も仕事も残らない。生活の質を上げる、という言い方はどこか他人事に聞こえていたけれど、自分の数字で考えるようになってから、少しずつ手元の話になってきた。

これから何がどう変わっていくのかは、そのつどここに書いていこうと思う。半年後の自分が何を言っているのか、自分でも楽しみにしている。

健康の記録をAIに預けている人は、診察のときにその数字を出しているのだろうか。出して、どう受け取られたのか。もし試している人がいたら、そこがいちばん聞いてみたい。

#Fitbit #FitbitAir #GoogleHealth #ケアマネジャー #AI活用

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