【連続旅ファイナル】10ー連続乗車券を購入することを決めるまでの流れ
さて、総括に移りましょうか。
連続乗車券の発売終了の報せが世に出たのは2025年10月8日のこと。大阪・関西万博が間もなく終了となるタイミングでした。
この段階ですでに決まっていたことは下記の通り。
・比羅夫駅に仲間と泊まる
・長万部から比羅夫、比羅夫から札幌を経由して東京・大阪へJRで向かう
・長万部もしくは比羅夫までは各自の都合のよい方法で向かう
そして、この時点で想定できるきっぷの買い方は下記の2パターンとなります。
・乗車券と特急券を適宜組み合わせて一括で購入
・各区間で最安となる割引きっぷを組み合わせてそれぞれ購入
前者はいわゆる王道の買い求め方となりますが、事実上の定価購入となります。えきねっとやEX予約などを使えば少し安くはなりますが、大した金額差にはなりません。
後者は組み合わせによって安く済む買い方となりますが、大半が現地購入かえきねっとなどのインターネット決済となり、内容によっては変更や払い戻しに制約が生じるものがあります。
どちらにせよ、購入できるのは1ヶ月前からなので、その時が来るまではどうとでも組み直すことができます。そこで、仲間の想定を突き合わせて実際に乗る列車の組み合わせは早々に決まりました。実のところ、あまりにも長い距離の旅程となるので乗継パターンが1種類しか成り立たない(東京ー新大阪間はその限りでない)という結論でもありました。
それならばと冬の企画乗車券の情報が入ったところで比較してみようとなり、12月に入ってから両方のパターンで検討してみました。

長万部から札幌を経由して大阪市内まで特急と新幹線を乗り継ぐ経路を設定した場合、乗車距離は営業キロで1893.7kmとなります。ただし、この経路は長万部を2度通ることになるので、単純に乗車券を買い求めようとすると「長万部→札幌→苫小牧→長万部」「長万部→東京→大阪市内」という2区間に分割することになります。この場合の運賃は7,700+17,710=25,410円となります。これは、片道乗車券の重要なルールのひとつである「同じ駅を2度通ることができない」が関係しており、特に何も考えず購入するとこのような区間の乗車券が出てくるのが一般的です。
ところが、「同じ駅を2度通ることができない」のであれば、別の言い方をすれば「同じ駅を2度通らなければ、どこまでも経路を延ばすことができる」となります。JRの乗車券は旅客会社6社の営業キロや運賃計算キロを合計して運賃の基準額を導き、JR各社で定められている加算運賃を適宜加えて発行するようになっているので、今回のような旅程はもちろんのこと、JR四国やJR九州まで足を延ばす乗車券を購入することもできるわけです。さらに、JRの運賃は距離を延ばせば延ばすほど割安になるしくみ(詳しくは割愛します)があることを踏まえると、経路を延ばせるだけ延ばしてしまう方が2区間に分ける必要があるとしても運賃の合計額が変わってくることに気づきがあると思います。
そこで今回の経路を見直すと、比較表にあるように「長万部→二股」「二股→大阪市内(経由:札幌・苫小牧・新函館北斗・東京)」とすることで運賃の合計が310+20,790=21,100円と4,000円以上安くなります。
これに特急券3枚分を載せると表の通り、41,410円となることがわかります。
これを踏まえて、えきねっとやEX予約の割引きっぷを活用した場合の比較検討を加えた結果がご覧の通り。web予約で購入できるこの類いの割引きっぷは乗車券と特急券がセットとなっていて、それを5~50や60%の割引をするしくみとなっています。そしてそれが1ヶ月前から発売されるのですが、席数が限定されている上に割引率が高いものは早々に売り切れてしまうので、インターネットが使える環境でいわゆる“10時打ち”ができるかどうかかカギを握ります。このときの旅程ではすべて3/1(日)が乗車日となるので、発売日は2/1(日)。充分激戦が想像できる日取りなのでありました。
それだけのリスクと労力をかけて、どれだけお得感があるのかと調べてみると結果はご覧の通り。当日設定がある最安の組み合わせでも1,000円ほど割高となり、最安のものが満席であればさらに割高感が増す内容となりました。
これにより自分はえきねっとのe特急券2枚(特急北斗と新幹線はやぶさ)を悠々おさえ、EX予約のe特急券1枚(新幹線のぞみ)も座席選びたい放題の状況で確保できました。しかも、EX予約のe特急券は通常購入の特急券よりも割安なので、上記の金額よりも少しばかり安く済んでいます。
ここまでの状況で確定すれば、連続乗車券の出番はなかったことになります。むしろ、前座として新千歳空港から長万部まで向かう乗車券を工夫してそちらとつなげて連続乗車券にしてやろうか、というような案すらその時点ではありました。ちなみに乗車券は出発当日に手元にあればよいので、1ヶ月前とは言わずに1週間前でも問題はなく、経路が単純であれば前日にでも指定席券売機で購入することもできるのでした。
さて、前置きが長くなりました。どうしてこのような長い経路の連続乗車券を仕立てることになったのかの本線です。
特急券の予約を確定させてしばらくして、地元の阪神百貨店で「駅弁とうまいもんまつり」が開催されました。
ここで人吉駅の駅弁として有名な栗めしが実演販売されているということと、1月に放映された所さんの目がテン!で興味があった、くま川鉄道の球磨川第四橋梁の様子が気になっていたことがパチン!とつながりました。
(これがさきの投稿の「幕間」につながります)
さあ、大阪から一気に西をめざして人吉まで行こうじゃないかと、ひとり作戦会議が立ち上がります。この段階で追加されたのが下記の内容。
・人吉まで行って栗めし弁当を買い、球磨川第四橋梁を見に行く
・人吉温泉駅でくま川鉄道の鉄印を購入する
さらに懸案であった別件を盛り込む。
・2025年8月に復旧した山陰本線(人丸ー滝部)間を列車で利用する
↑この前に代行バスでは通っていたけど列車では乗り通してなかった
時刻表をもとに列車を設定していくと、小倉ー博多間でかなり余裕のあるスケジュールが組めることがわかったので、北九州・福岡に在住する知己に連絡を取ると、時間を共有する機会を快諾してもらえた
・知己と小倉近辺でサシ呑みする
これで二股→八代、八代→大阪市内の連続乗車券を組む流れが見えてきました。
ところがこの話はここで確定には至らなかったのです。
2020年以来、毎年3月の晦日近くに周年イベントを設定しているゲストハウス「ホニャラノイエ」の宿主から、「今年(2026年)は3連休の土曜にやるよ」と聞いたものだから、思索はもっと拡がりを見せることに。
投宿先はJR岐阜や穂積から路線バスで向かうのが基本なので、単純に大阪ー岐阜を往復すればこと足りるハナシなのですが、これがまたそれなりの距離(160kmをちょっと超える)ので、JRの普通運賃ベースで計算すると3,080×2=6,160円(穂積往復にすると2,640×2=5,280円となるけどバスの本数が少ない上に最寄りバス停からそれなりに歩かなければならなくなる)と、まあまあの出費がかさむ。そうなるとさきに出てきた「同じ駅を2度通らなければ、どこまでも経路を延ばすことができる」をとことん追求するところに思考が向かうのは必然となるわけです。
この段階でのカギは、使用開始日(2/28)から岐阜まで(3/21)の間の22日、あわよくば岐阜から大阪までの帰路となる翌日(3/22)までの23日におよぶ有効期間を確保できるのかというトンデモナイところにまで話が膨らんできた次第です。
連続2となる乗車券を単に大阪通過で岐阜まで行ってしまうと、大阪へ帰ってくるには名古屋を経由して関西本線と大和路線や学研都市線を乗り継いでくれば乗車券も要件を満たせます。難を言えば帰路にあたる経路は遠回りである上に時間も結構かかるのがありますが、運賃を安く済ませられるのであれば、そこは妥協できます。
すると、ここでこちらも例年恒例となっている天理市の「なら歴史芸術文化村」の開村4周年イベントも3/20・21で開催されることが決まっており、もともと20日にいく予定にしていたものを21日に行くことにすれば、前述したルートを裏返し、つまり大阪市内をJR東西線と学研都市線で通り抜けて大和路線へ王寺へ向かい、和歌山線と桜井線(万葉まほろば線)で少し遠回りして天理を経由、さらに関西線をたどって名古屋に出て岐阜へ向かえば、その流れで東海道本線を通して大阪へ戻ってこれる流れができあがりました。
(このあたり一気に話が進んでいるので、詳細は手元の時刻表などでお調べいただくか、詳しい方に説明を求めてみてください)
ルートは組めた。問題はカギとなる有効日数です。

八代から新幹線を乗り継いで姫路か西明石で山陽本線に乗り換え、尼崎でJR東西線・学研都市線に入り大阪市内を通過、天王寺なり久宝寺なりで大和路線に入り、王寺から和歌山線・桜井線経由で天理を通る。さらに木津・亀山・名古屋・岐阜・大阪とたどる乗車券にすると表の通り、営業キロが1170.0kmとなって有効期間は連続1と合わせて22日となります。うまくいっているように見えますが、前述の「あわよくば」を効かせるには、さらに1日ほしいときた。そこでさらに奥をめざす経路を編みます。
JR東西線と大阪環状線は東側の京橋でのみ接続していて、西側は駅を共有していないことから両線を利用することが可能です。大阪から大阪環状線に乗って天王寺まで行けば、すでに久宝寺から乗ることになっている大和路線に向くのではなく、阪和線を突き進むのが必然となります。そこで不急の案件であった和歌山方面の所用を持ち上げて「行けたら行く」予定を盛り込むことで乗車券の距離を積み上げ、有効期間を1日積み増すことに成功しました。これは、JRの乗車券の有効日数の算出条件を活かしたもので、その気になれば和歌山市ではなく紀勢線を南下して新宮や松阪などをめざすことも可能なのですが、距離を延ばせば運賃もその分だけ増えるので、乗らないのであればそこまで延ばす必要もないわけです。
かくして組み上がった連続乗車券は営業キロ3995.5km(運賃計算キロだと4000kmを超えます)、運賃43,560円、有効期間23日となる、なかなかの大物となりました。実際に4つの旅行を組み合わせた結果、旅程そのものも大ががりなものになったのですから、相応のものともいえそうな気もします。
参考までに、4つの旅行をそれぞれ別に組んだ場合の運賃を算出すると、下記のようになりました。
・長万部→比羅夫→東京→大阪 310+16,390=16,700円
・大阪→厚狭→長門市→小倉→八代 12,430円
八代→大阪 11,660円 上記と合わせて24,090円
・大阪(JR難波)ー天理(往復) JRのみ990×2=1,980円
大阪難波ー天理(往復) 近鉄のみ830×2=1,660円
・大阪ー岐阜(往復) 3,080×2=6,160円
大阪ー穂積(往復) 2,640×2=5,280円
長万部→大阪→八代(連続1相当)が29,130円、残り(連続2相当)が18,600~19,800円となり、約48~49,000円かかっていたことになります。仮に大阪から同じ経路で天理と岐阜をたどり、大阪まで戻ってくる片道乗車券にした場合は営業キロ400km弱で6,600円となりますので、単純に大阪―岐阜間を往復した場合と大きく変わらない金額となるようです。
こうやって今回の【連続旅ファイナル】の旅程は組み上がりました。こうやってまとめてみると、単に片道乗車券2枚の旅程ではなく、文字通り「連続」した旅程に対応する連続乗車券の効力の大きさを改めて実感できました。……ただ、こういった旅程を組むケースはかなり少ないことは、もちろん織り込み済みというか、前提としてはしっかり介在しています。
実際の旅程については、下記をご覧ください。
連続乗車券の作成に応えてくださった旅行会社の担当者氏への謝意を込めて、この投稿の結びといたします。ほんとうに、ありがとうございました。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。
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