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持久力の考え方〈乳酸閾値(LT)を知る〉 | パフォーマンス - 3

同じくらい動いているのに、すぐに苦しくなる人と、意外と動き続けられる人がいます。
スタミナがない、体力がない、と悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、疲労物質だと思われがちな「乳酸」について解説します。

乳酸とは、実際にはエネルギーとして再利用される糖質代謝産物です。
問題になるのは、乳酸が出ることではなく、出た乳酸を処理しきれなくなった瞬間です。

その境目が、「乳酸閾値(LT)」です。

ランナーは聞いたことがあるかもしれませんね

  • 乳酸閾値(LT)とは何か

  • なぜそこを超えると一気に苦しくなるのか

  • 超えてしまったあとにどう回復すればいいのか

これらを、体の中で起きている流れに沿って整理しました。
スタミナが伸び悩んでいる人こそ、自分のトレーニングを見直すための参考にしてください。

この記事オススメの人はマラソンや長時間の競技など、有酸素性の持久力をつけたい方となります。

✅ この記事でわかること

  • 乳酸は疲労物質ではなくエネルギー源として再利用される理由

  • 「乳酸閾値(LT)」がスタミナの境目になる仕組み

  • LTを上げるトレーニングと回復方法

  • ミトコンドリアを増やしてスタミナを伸ばす条件


👩‍🏫 「乳酸」とは

同じように動いていても、すぐに苦しくなる人と、安定して動き続けられる人がいます。
その差は「パワーの強さ」ではなく、エネルギーをどう使い、どう消耗せずに回しているかにあります。

その違いを見える形で捉える指標の1つが「乳酸」です。

乳酸は健康な安静時でも血中4~16mg/dl程度(血中乳酸濃度)存在しているといいます。

参考:乳酸性閾値(にゅうさんせいいきち)

乳酸は、よく疲労物質と誤解されますが、実際にはエネルギー源として再利用される物質です。

  1. 強いパワーを出した際、主に速筋で糖質代謝によって作られる

  2. 作られた乳酸は遅筋へ運ばれ、再びエネルギーとして使われる

この流れは「乳酸シャトル」と呼ばれ、スタミナを支える重要な仕組みです。
つまり、乳酸が出ること自体が悪いのではなく、「作る量」>>>「処理する量」となったときに、一気に苦しくなります!

ミトコンドリアは遅筋に多く存在します。
後章「🧬乳酸を再利用するのはミトコンドリア」で詳しく解説します。

なので、苦しさやパワー低下は、乳酸そのものより、

  • 水素イオン増加によるpH低下

  • カルシウム制御の乱れ

  • 神経伝達効率の低下 などなど

このように糖を急激に使った結果として筋内環境が変わることが重なって起きます。

1. 乳酸がスタミナの優秀な指標な理由「乳酸閾値(LT)」

ではなぜ乳酸がスタミナを見る優秀な指標かというと
「乳酸が急増する点=ここから一気に消耗が進む境界線」

として使えるからです!

この境界線を乳酸閾値(LT:Lactate Threshold)といいます

画像引用元:よくわかる乳酸性作業閾値(LT:Lactate threshold)

運動中のエネルギー利用の基本は以下です。

  • 糖質と脂質は常に同時に使われている

  • 強度が低いほど脂質の割合が高い

  • 強度が高いほど糖質への依存が増える

  • 遅筋は脂質利用が得意

  • 速筋は糖質分解で乳酸を作りやすい

なので、乳酸閾値(LT)は「乳酸が増え始める境目・運動強度を上げたときに血中乳酸が目立って増え始める境」ですが、もっと分かりやすいイメージだと、この運動中エネルギー利用の切り替え(糖質寄り↔脂質寄り)の中で、「糖に依存しすぎずに動ける限界点」です。

LT(乳酸閾値)と似た概念として、AT(無酸素性作業閾値)があります。LTは「乳酸の増え方」に対し、ATは「呼吸や代謝の切り替わり」から見た指標で、見ている角度が違うだけで、実際に起きている現象はほぼ同じです。
本noteでは、体感や実用性の観点から、これらをまとめてLTとして扱います。

参考:無酸素性閾値(むさんそせいいきち)・嫌気性代謝閾値

2. VO2max(最大酸素摂取量)とLT(乳酸閾値)の役割の違い

VO2max(最大酸素摂取量)とLT(乳酸閾値)は、役割がまったく違います。

VO2maxは「どれだけ多くの酸素を使えるか」という心肺機能の上限値を示す指標です。
一方、LTは「どの強度まで乳酸を溜めずに動き続けられるか」を示します。
これは実際に使える体力です。

この違いを整理すると、

  • VO2maxが高いがLTが低い → 速いがすぐ苦しくなる

  • LTが高い → VO2maxが突出していなくても安定して動ける

マラソンや長時間競技では、このLTの影響が非常に大きく、安定した速さを決めている中心指標とされています。

現在では、VO2maxは天井、LTは日常的に使えるラインと考えるのが一般的です。
「速いのに楽」「力強いのに体力がある」が成立している人は、例外なくこのLTのラインがが高い位置にあります。

3. ランニングエコノミーとは?

ついでに、ランニングエコノミーについても解説します。

同じ速さで走っているランナーだとしても、エネルギーの消費量は人によって異なります。
ランニングエコノミー(走りの経済性)とは、ある速度帯をどれくらいのエネルギー消費量(酸素摂取量)で走ることができるかを示す指標のことです。

端的に「どれだけ効率的に走れているか」を表すのがランニングエコノミーと言い換えることもできます。

引用元:ランニングエコノミーとは? 長距離を効率的に走る鍵は「フォーム改善」

これは一定のスピードで走るときに、どれだけ少ないエネルギーで走れるかを示す指標です。
VO2maxが最大馬力、LTがパワー持続力だとすると、ランニングエコノミーは「燃費性能」です。

同じVO2max、同じLTでも、ランニングエコノミーが良い人ほど、同じペースが楽に感じられ、後半の失速が起きにくくなります。
エネルギーの無駄遣いが少ないため、疲労や炎症も溜まりにくい状態です。

この考え方はランニングに限らず、格闘技、球技、ダンスなど、あらゆる持久性を含む競技に共通します
力みが少なく、動きが軽い人ほど、同じエネルギーで長く動けるのは、パワー・筋力の強さではなく、体の使い方が重要ですね。

そのため、VO2maxやLTを追いかけるトレーニングだけでなく、力をいかに抜くか、フォーム改善や常日頃の力みを手放すこともとても大切です。

👩‍🏫 乳酸を再利用するのはミトコンドリア

乳酸が出るとすぐに苦しくなる人と、同じ強度でも粘れる人の差は、筋力や心肺の強さよりも「血中の乳酸をどう扱えているか」で決まります。

乳酸は速筋で糖質を使ったときに多く作られますが、そこで終わりではありません。

  1. 速筋で乳酸が作られる

  2. 乳酸がMCT4輸送隊を介して筋肉外に放出される

  3. 血流に乗り、MCT1輸送隊を介して遅筋に取り込まれる

  4. ミトコンドリアの中で再びエネルギーとして使われる

この再利用がうまく回っている人ほど、乳酸が増えても一気に失速しません。

遅筋にはミトコンドリアが多く、乳酸を燃料として使う能力が高い特徴があります。
そのため、乳酸が出るかどうかではなく、「出た乳酸をどれだけ早く使い直せるか」がスタミナの差になります。

乳酸が溜まって苦しくなる状態は、作るスピードに対して、ミトコンドリア側の処理が追いついていないだけです。

1. 遅筋・速筋とミトコンドリア

筋肉には大きく分けて、遅筋と速筋があります。

  • 遅筋:
    持久力寄りで、ミトコンドリアが多く、酸素を使ってエネルギーを作るのが得意(有酸素系)

  • 速筋:
    瞬発力寄りで、ミトコンドリアが少なく、糖を使って短時間で強いパワーを出す(無酸素系)

一般的な人の筋繊維の比率はおおよそ半々ですが、持久系の競技者ほど遅筋が多く、瞬発系ほど速筋が多い傾向があります。

ただし、大人になってから遅筋と速筋の割合が大きく入れ替わることは一般的には難しいとされています。一方で、トレーニングによって変えられる部分もあります。

速筋がやや持久寄りの性質に近づいたり、ミトコンドリアの数や働きが高まったりすることで、乳酸を処理できる力は十分に伸ばせます。

「筋肉が太いかどうか」と「乳酸をさばけるかどうか」は、必ずしも一致しません。
スタミナの差は、筋肉量より中身の使い方で生まれます。


🔽有酸素運動・無酸素運動に関する、具体的な代謝経路はこちら


2. ミトコンドリアの乳酸処理能力

ミトコンドリアが乳酸を使うためには、乳酸を速筋から放出し、乳酸を遅筋の中へ取り入れなければなりません。

その役割を担うのが「MCT4」と「MCT1」という輸送体です。

  • MCT4輸送隊:乳酸を速筋から放出

  • MCT1輸送隊:乳酸を遅筋の中へ運ぶ

これら輸送隊が多いほど、乳酸は遅筋に入りやすくなり、エネルギーとして再利用されやすくなります。

この能力が高い人は、以下の特徴があります。

  • 同じ強度でも呼吸が乱れにくい

  • 乳酸が出始めても動きを維持しやすい

  • 一度苦しくなっても戻りが早い

逆に、運動強度に対してミトコンドリアやMCT4/MCT1輸送隊の働きが足りないと、乳酸を使い切れず、血中乳酸が上がりやすくなります。
その結果、「まだ動けるはずなのに苦しい」という状態になります。

3. ミトコンドリアを増やすには

ミトコンドリアは、運動が最も効果的な増やし方です。
特定のサプリや食事だけで劇的に増えることもありません。

増やすために有効なのは、以下のような刺激を継続することです。

  • 乳酸が出始める手前〜少し超える強度での運動を繰り返す

  • 低めの強度である程度の時間、動き続ける

  • 短時間でも呼吸がしっかり上がる刺激を入れる

筋トレだけを行っても、筋肉量は増えますが、ミトコンドリアの増加は限定的になります。筋肉が太くなっても、乳酸処理能力が比例して上がるわけではありません😭

また、エネルギー不足の状態ではミトコンドリアは増えにくくなります。食べずに運動量だけを増やすと、体力が伸びない原因になります…。

また、運動量に対してエネルギーが不足している状態ではミトコンドリアは増えにくくなります。食べずに運動量だけを増やすと、体力が伸びない原因になります。

適度な空腹時間(16時間ファスティングなど)はミトコンドリアを増やす刺激になる、という説もありますが、私は推奨しません。専門家のもとで短期間のみ適切に行うならまだしも、繰り返すことで栄養失調、睡眠の質の低下、食欲の乱れ、ホルモンバランスの乱れなどが生じる原因となるからです。

安易に実施しない⚠️

増えたかどうかを直接測ることは現実的ではありませんが、

  • 同じ運動後の呼吸や心拍の戻りが早くなる

  • 以前より苦しさの割に動ける時間が伸びる

  • 乳酸が出始める強度が上がる

といった変化があれば、ミトコンドリア側が追いついてきている目安になります。

4. MCT4/MCT1輸送隊を増やすには

MCT4/MCT1は、乳酸を運ぶための輸送役です。運動を通して「乳酸を処理する必要がある状況」が繰り返されると、体は自然とこの輸送隊を増やします。

運動して筋肉を使うと、筋肉が糖質を取り込みやすくなる機能と似ていますね。

🔽インスリンについてはこちら

細かい分子レベルの話まで追いかける必要はありません。

重要なのは、

  • 乳酸が出る運動を適度に行う

  • 処理しきれる強度と、少し超える強度を行き来する

  • 食事と休養を削らない

この条件が揃っていれば、体は勝手に必要な方向へ適応します。

結局のところ、スタミナを支えているのは
・適切なトレーニング
・適切な食事
・適切な休養
この3つのバランスです。

難しい理論を全部理解しなくても、「今の運動量に対して、ちゃんと食べて、ちゃんと休めているか」を見直すだけで、体の反応はかなり変わります。

深掘りしていくとキリがありませんしね…

✅ スタミナでもエネルギー切れと乳酸閾値超えの違いは?

動けなくなる理由には、大きく分けて2種類があります。
1つは今まで解説してきた「乳酸が一気に増えた状態」で、もう1つは「エネルギー切れ」です。

乳酸閾値を超えた状態は、糖質を一気に使いすぎて処理が追いつかなくなった状態です。
無酸素的な動きのあと、数分で楽になることがありますが、それは一部が回復しただけです。

数分で戻りやすいもの
・クレアチンリン酸の回復
・神経系の即時的な疲労 など

一方で、エネルギー切れは、単純にカロリーや糖質が足りていない状態です。

  • 筋グリコーゲン

  • ミトコンドリア内の代謝ストレス

  • 局所の血流低下

これらは短時間では戻りません。
だからこそ、動き続けたいのであれば、力を抜くタイミングや、休むときの姿勢や呼吸が上手です。

  • ON/OFFが下手な人
    糖質が残っているのにLT超えして失速、
    またはエネルギー切れを起こしやすい

  • ON/OFFがうまい人
    同じ糖質量でも後半まで質を保ちやすい

なので、そう言った意味でもトレーニング中のON/OFFを意識してエネルギー消耗を最小限にすることが重要です。


🔥 【実践1】乳酸閾値(LT)トレーニング

乳酸閾値(LT)トレーニングは、「限界を上げる練習」というより「消耗せずに動き続けられる強度を引き上げる練習」です。

全力ではないのにキツい、でも止まらずに続けられるような強度帯が、LTを一番効率よく押し上げます。

乳酸閾値(LT)強度の目安

  • おおよそ45〜60分は維持できる ※競技や個人差でズレます。

  • 会話はほぼできないが、全力ではない

  • 呼吸は苦しいが、フォームはまだ保てる

この強度では、
・乳酸は作られる
・同時に処理もされている
という状態がギリギリ成立しています。

この「作る⇄処理する」のバランス点を押し上げることが、LTトレーニングの目的です。

メリットは明確で、実戦に直結します。
・同じスピードが楽になる
・後半の失速が起きにくくなる
・無駄な糖質消費が減る

一方で注意点もあります。
LTトレーニングは負荷が高く、やりすぎると回復が追いつきません。
最短ルートは「競技特化のLT練習」ですが、頻度や体調次第では消耗が勝ちます。

そのため、汎用的な底上げとしては、
・競技特化LT練習を軸に
・補助としてHIITを少量
という組み合わせが現実的です。

特にランナーの方々は、OBLA(血中乳酸濃度が4mmol/Lになる強度)が乳酸性閾値(LT)の指標の一つで、持久力トレーニングの目安に使われますので、気になる方は以下を見てみてください!
🔗聞きなれないオブラという値 | 大塚製薬


🔥 【実践2】乳酸閾値を超えたあとの回復方法

前提として、
・乳酸閾値超え=乳酸を作る速度が処理能力を上回った状態
・回復=作られた乳酸を再利用・排出し、酸性化と神経疲労を戻すこと
を指します。

糖質そのものが完全に回復するには24〜72時間かかりますが、その日の運動中に再び動ける状態に戻るかどうかは別の話ですね。

回復の仕方で重要な点を3つ紹介します。
適切にできれば、乳酸閾値(LT)超え状態から数分〜十数分で回復することもできます。

1. いちばん効くのは「低強度で動き続けるアクティブレスト」

パッシブレスト(完全停止)より、アクティブレスト(積極的休養)で軽く動く方が回復は速いです。
理由は単純で、血流が維持され、遅筋とミトコンドリアが乳酸を再利用できるからです。

具体例としては、このレベルで十分です。

  • 普段の半分以下の強度のジョギング

  • エアロバイクやスイミングなど関節負担の少ない運動

  • 会話できる強度のヨガやピラティス

2. 呼吸を落とす

呼吸が荒いまま=交感神経が入りっぱなしの状態では、回復は進みません。

回復を早めるには、まずはこの2点だけで十分です。

  • 吐く時間を長くする

  • 胸ではなく腹部が動く呼吸に戻す

🔽より具体的なON/OFFの仕方についてはこちら

3. 姿勢を崩さない

姿勢が崩れると、体をアウターマッスルで支える状態になります。
この状態では、閾値超え後も速筋依存が続き、糖質消費が止まりにくく、結果として回復が遅れます。

運動中だけでなく、
・立っているとき
・歩いているとき
・休憩中 など
何気ない時でも、首肩の力を抜き、足裏で体重を受けるだけで回復速度は変わります。

🔽姿勢に関してはこちら

💡 日々のスタミナは栄養も重要

運動中の回復は血流と呼吸が最優先ですが、そもそも日々の栄養状態が崩れていると、乳酸閾値(LT)に入る前に苦しくなります。

スタミナが伸びない原因がトレーニング内容ではなく、日頃のエネルギー不足にあるケースもかなり多いです。

特に影響が大きいのは以下です。

  • 糖質不足で、最初からパワーが出ない

  • 総カロリー不足で、体が省エネモードに入る

  • 偏食・栄養不足で、ミトコンドリアの働きが落ちる

糖質が足りていないと、強度を上げた瞬間に乳酸が一気に増えやすくなります。
これは「乳酸が悪い」のではなく、糖を雑に使わざるを得ない状態になっているだけです。
また、カロリー不足が続くと、体は回復や適応を後回しにするため、ミトコンドリアも増えにくくなります。

重要なのは、トレーニング前後だけでなく、日常的にエネルギーが足りていることです。

  • 普段から糖質を極端に削らない

  • 運動量に対してカロリーをケチらない

  • 空腹状態で高強度を繰り返さない

これだけで、乳酸閾値を超えにくくなり、同じ練習でも体感が変わります!

運動前後の間食も有効です。おにぎりやバナナのようなシンプルな糖質を少量入れるだけで、糖質の枯渇を防ぎ、無駄な消耗を減らせます。
スタミナを伸ばすために「我慢する食事」を選ぶ必要はありません。

🔽うまく間食を取り入れてエネルギーに満ちた体作りをする方法はこちら

以上のように、乳酸をうまく処理できる体は、トレーニングだけでなく、日々の食事によって支えられています。

練習内容を疑う前に、エネルギーが足りているかを一度見直す価値はあります。

⚠️ よくある誤解

1. 乳酸は疲労物質だ

乳酸は速筋で作られた後、遅筋のミトコンドリアに運ばれてエネルギーとして再利用されます。

苦しくなる原因は乳酸そのものではなく、水素イオン増加によるpH低下や神経伝達効率の低下など、糖を急激に使った結果として筋内環境が変わることです。

2. VO2maxが高ければスタミナがある

VO2maxは心肺機能の上限値(天井)を示すだけで、実際に使える体力はLT(乳酸閾値)で決まります。
VO2maxが高くてもLTが低ければ、すぐ苦しくなります。長時間競技ではLTの方が重要な指標です。

3. 筋肉を太くすれば乳酸処理能力が上がる

「筋肉が太いかどうか」と「乳酸をさばけるかどうか」は別物です。
筋トレだけではミトコンドリアの増加は限定的です。
乳酸処理能力はミトコンドリアの数と輸送体(MCT4/MCT1)の量で決まるため、持久系の刺激を継続することが必要です。

4. 苦しくなったら完全に止まって休むのが正解だ

完全停止(パッシブレスト)より、低強度で動き続けるアクティブレストの方が回復は速いです。
血流が維持されることで遅筋とミトコンドリアが乳酸を再利用でき、数分〜十数分で動ける状態に戻れます。

5. 空腹で運動するとスタミナが上がる

エネルギー不足の状態ではミトコンドリアは増えにくく、強度を上げた瞬間に乳酸が一気に増えやすくなります。
食べずに運動量だけを増やすと体力が伸びない原因になります。
スタミナを伸ばしたいなら、運動量に対して十分なカロリーと糖質を確保することが先です。

📝 まとめ

乳酸は運動で糖を使うと増えやすい物質で、疲労物質と言われがちですが、体内でエネルギーとして使い直せます。

つまり、乳酸が出たあとに、それをエネルギーとして使い直せるかどうかがとても重要です。
その境目が乳酸閾値(LT)で、ここを超えると急に苦しくなるのは、パワー不足ではなく処理が追いつかなくなるからです。

なので、スタミナを持続させるためには、乳酸閾値(LT)を上げるようなトレーニングが有効です。

■鍛え方
・45〜60分続けられるキツさで動く日を作る
・毎回限界まで追い込まない
・高強度は週に数回までにする

■回復の仕方
・キツくなったら完全に止まらず、強度を落として動く
・呼吸をゆっくり吐くほうに戻す
・休憩中も姿勢を崩さず力を抜く

■ご飯
・運動量が多い日は糖質・カロリーを減らさない
・空腹で高強度をやらない
・トレーニング前後に少量でも糖質を入れる

このように乳酸を使い直せる状態を保つことが、スタミナを伸ばす一番現実的な方法です。

この知識を参考に、明日からのトレーニングを見直してみてください!

🔽 スタミナについて詳しくはこちら

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