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漫画原作 作成にトライ!③ 漫画原作形式への書き換え


■漫画原作形式にする

さて、①で小説のサンプルを書き、②で漫画原作のフォーマットを考えたので、ここではいよいよ漫画原作形式に書き換えてて行きたと思います。

小説版で書いていた部分の変化に辺り、主にト書きや台詞で必要そうな部分はそのまま採用し、全体の流れを考えて台詞などは追加している部分もあります。

タイトル:「うしろのヨーコさん」

登場人物

主人公:三宝龍空(さんぽう りく)
ごく普通の高校1年生で家は寺。父は僧侶で家を空けることが多く、寺に一人で生活していることもしばしば。学校から少し離れていて一時間ほどかけて通学している。童顔で背は低め。中学生に間違われることもしばしば。

ヒロイン:葛葉ヨーコ(くずのは よーこ)
学校で龍空の後ろの席に座っているミステリアスな和風美人。色白で黒髪、切れ長の目に薄い唇。物静かだがそれ以前に、なぜか龍空を除く他のクラスメイトから見向きされない。

本文

◆龍空の通う高校、始業前の教室

  龍空のクラスメイト(男子)数人が集まって喋っているところに、龍空が登校して
  くる。

クラスメイト 「おはよう、龍空」
龍空 「おはよう。一限目は国語のテストがあったよね? みんな勉強しなくていい
   の?」
クラスメイト 「ハハハ、今さらやってもどうにもなんねーよ」

  龍空も友達の輪に加わってしばしお喋り。授業開始の予鈴が鳴って龍空たちも
  自席へと移動する。

  龍空の席は窓際の後ろから二番目。後ろの席で佇むヨーコに挨拶する龍空。

龍空 「おはよう、葛葉さん」

  薄っすら微笑んで龍空に挨拶を返すヨーコ。

ヨーコ 「おはよう、三宝くん」


◆龍空の回想(ヨーコのこと)

  自席で佇むヨーコ。その存在が見えていないかのように振る舞う(龍空以外
  の)クラスメイトたち。

  国語のテスト用紙が回ってきて、後ろの席のヨーコに手渡す龍空。

龍空 「はい。朝一でテストなんて憂鬱だよね」
ヨーコ 「フフフ、そうね」

  テスト用紙に向かい問題を読みつつ、後ろから視線を感じる龍空。彼のことをま
  じまじと見つめているヨーコ。

  その視線を背中で感じつつも、気づかない振りをしてテストに取り組む龍空。

龍空 (どうして他の皆は彼女のことが気にならないんだろう……)


◆昼休みの教室

  友人たちと集まって昼食を取る龍空。一方でヨーコは自席で一人、コンビニお
  にぎり(いなり寿司)を食べながら読書。

  ヨーコのことが気になってバレないようにチラチラと彼女の様子を観察する龍
  空。

龍空 (今日もいなり寿司だ。好きなのかな)

  食べ終わって席を立ち、しばらくすると戻ってくるヨーコ。その間、クラスメイトの
  誰も彼女の方を気にする様子なし。

  一人静かに読書を続けるヨーコ

龍空 (なんで誰も彼女のことを気にしてないの? 友人たちに聞いてみるか? 
   いや、気があるのかよ! とかからかわれるのがオチだよな)


◆放課後の教室
 
  最後の授業の終鈴と共にざわざわしだす教室。そんな中、誰にも気取られるこ
  となく教室を出ていくヨーコ。彼女の後ろ姿を目で追う龍空。

龍空 「……」
クラスメイト 「どうした、龍空? お前、今日掃除当番だろ? 俺、先に帰るけど」
龍空 「え? ああ、うん。また明日ね」
クラスメイト 「おう! じゃあな!」

  掃除担当のクラスメイトたちと掃除を始める龍空。


◆放課後の掃除終了後、下校する龍空

  掃除を終えて職員室の担任にその旨を報告し、下校する龍空。

  駅からローカル線に乗り込み、家の最寄り駅で下車して坂道を上る。

  さらに上へと続く長い階段を前にため息を吐く龍空。

龍空 「はぁ……エスカレーターにならないかなあ」
 
  しばらく階段の上を見つめて諦めたように一段目に足をかけ、ゆっくりと階段を
  登り始める。


◆階段を登りきり、寺の境内へ

  階段を登りきった先に寺の境内。寺は古くシンプルな作りながら存在感のある
  建物。その横、奥に龍空の暮らす平屋の母屋など。山の中なので辺りは木々に
  囲われている。

  境内は人気がなく静かだが、本堂の前で佇んでいる女性の後ろ姿。

龍空 「葛葉さん!?」
   
  龍空の声で振り返るヨーコ

ヨーコ 「おかえりなさい、三宝くん」

  彼女に歩み寄る龍空。

龍空 「ど、どうして葛葉さんがウチの寺に!?」
ヨーコ 「あら、私がお参りしてはダメだったかしら?」
龍空 「いや、そんなことはないけど……」


◆境内、龍空とヨーコが向き合う

  話しながらヨーコに近づく龍空。ふと、境内の雰囲気がいつもより張り詰めてい
  るように感じ足を止める。

  風はないはずなのに、辺りの木々が妙にザワザワしている。

  立ち止まってヨーコのことをマジマジと見つめる龍空。緊張した面持ちでヨーコ
  に尋ねる。

龍空 「葛葉さん……だよね?」

  薄っすらと微笑むヨーコ。

ヨーコ 「そうだけど。なあに? おかしなこと言うわね」

  スーッと龍空に近寄ってきて前に立ち、龍空の顔を覗き込むヨーコ。

  ヨーコから放たれる普段とは別人のような威圧感に危機感を覚えてたじろぎつ
  つ、視線を反らすことができない龍空。

龍空 (ヤバイ……なんかいつもの葛葉さんじゃない!)

  焦る龍空をよそに、彼の顔にそっと手を添えてくるヨーコ。

ヨーコ 「フフフ、私の術をかい潜って私を見ていただけのことはあるわね。ここまで
    して自我を保てている人間なんて珍しいわ」

  ヨーコの目が赤く光る。

  龍空の中で危機感がさらに上昇し、咄嗟にヨーコの手を振り払って二、三歩後
  ずさって距離を取る。

龍空 「あ、あなたは何なんですか!」

  一瞬驚いた表情をした後、少し残念そうにするヨーコ。一旦目を閉じたヨーコが
  再び目を開くと同時に、ヨーコの姿が変貌する。

ヨーコ 「この姿を見たからには、もう後戻りはできないわよ」


■まとめ

いかがだったでしょうか? 「これが正解」ではないのかも知れませんが、雰囲気は伝わったかと思ってます。

小説と違って情景であったり心理描写だったりを事細かに書くことはなく、あくまでその場面の補足的に「ト書き」を書く感じなので、ある意味スッキリはしています。一方、漫画の1シーンが如何に描かれるかを常に意識して構成要素を配置する必要がありました。

小説の様に「言い回し」や文章の流れなどを気にする必要がないですし、人によっては「漫画原作形式」の方が書きやすいかも知れません。(創作大賞2025でまた「漫画原作部門」があるかどうかは不明ですが)物語のアイデアがあるならこちらの形式で是非トライしてみてくださいね!😆