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初めての一人暮らしと子どもの成長~医学部という特殊な立地


子どもが医学部に入学して一人暮らしを始めてから、私たち夫婦は何度か子どもの部屋を訪ねた。

そのたびに思う。

ああ、この子は成長している、と

私自身、学生時代に一人暮らしの経験はない。会社員になってからの単身赴任を経験しているが、忙しければ適当で済ませていた。自分が困らなければそれでいい。そんな発想だった。子どもの部屋も、正直なところ私寄りだ。でも家族がいる生活では、そうはいかない。妻は仕事をこなしながら当たり前のように、家族が気持ちよく生活出来る環境づくりをこなしてきた。だからこそ、子どもの部屋を見るたび、妻の偉大さを痛感する。



医学部という特殊な立地

医学部のある総合大学の多くは、文系理系の学部とは別のキャンパスに医学部を構える。
理由は単純で、大学病院が本キャンパスから離れた場所にあり、医学部はその病院に併設されているからだ。そして大学病院は市民の利便性を考えて、駅の近くなど比較的便利な街中に建てられることが多い。一年生のうちは一般教養のため二つのキャンパスを行き来するが、二年次からは医学の授業が中心になる。そのため多くの学生は、長い目で見て大学病院の近くに部屋を借りる。すると必然的に、文系理系の学生よりも家賃相場は高くなる。不動産屋に部屋を探しに行った際、複数の県で同じことを言われた。「この辺りは医療関係者と医学部生が多いので、家賃設定が強気なんですよ」と。一棟まるごと医療関係者と医学部生というアパートもあるらしい。庶民にとっては、何とも迷惑な話である。


形成される「医大村」

こうして医学部キャンパスの周辺には、自然と「医大村」が形成される
子どもに聞くと、同じアパートや近隣には仲のいい先輩や同期が数多く住んでいるという。実家通いをしていた学生も、実習が始まる五年生になると大学近くに部屋を借りることが多いらしい。イオンやコンビニに行けば、必ず誰かに会う。そんな小さな世界で、彼らの生活は回っている。医学部は部活を通じた縦のつながりが強い。先日、子どもから聞いた話では、ある友人の1DKの部屋に15人が集まって宅飲みをしたという。絶対座れないじゃん。立食パーティーか?楽しそうではあるけれど、隣や上下の部屋の住人は大丈夫なのだろうか、と他人事ながら心配になる。

親の手が届かない場所で

一人暮らしでは、親の手が届かない。
転入届の出し方、洗濯、自炊、口座振込などなど。すべて自分でやるしかない。久しぶりに会って話すと、ああ、しっかりしてきたな、と感じることが増えた。うちはもともと中学生くらいから放し飼い状態だったので、一人暮らしは良い選択だったと思っている。というより、もう子どもの生活ペースに親がついていけない。合格したのにホームシックで頻繁に帰ってくる子もいると聞く。親としては嬉しい反面、複雑な気持ちになるのだろう。そういう心配がない我が子のような子には、人間として成長する機会だと考えて、一人暮らしを経験させるのも悪くない。小さな「医大村」で、子どもは確実に大人になっている。


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太楼@偏差値45から医学部・難関大へ導く伴走 最後までお読みいただきありがとうございます。