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やりたいこと全部できる時代

「本当に楽しい時代が来た」と思います。

もちろん世の中にはまだまだ理不尽な出来事もありますし、西側諸国としての文化にどっぷり浸かってきた日本人にとっては厳しい変化も待ち受けているかもしれません。

でも、僕としては「最高にワクワクできる時代が始まった!」と心底思っています。

先日のトークイベント「世界もメディアもカルチャーも変わったこの時代をどうワクワク生きるか」では、映画・音楽ジャーナリストである宇野維正さんと3人で、そんな話を4時間超の大ボリュームで語り倒しました。(こちら期間限定でアーカイブ配信中です)

僕たち3人の出自や仕事でもある「メディア」を取り巻く厳しい現状認識、そしてその苦境はメディアだけでなくあらゆる仕事に及ぶということなどをご紹介した後、そんな状況下で僕らが何をしているのか/考えているのか/フォロワー数や収益などについて、音楽や映画などの最新カルチャーを交えながら話す。この構成は、メディア/生き方/ビジネス/エンタメ/カルチャーが今ほどダイレクトに結びついている時代もない、ということの反映でもあります。

ただ、その一方で、序盤に(一見)ネガティブな話題が多かったこともあり、そんな印象が過剰に残っていなければいいなと思いながら、このテキストで補足したいと思います。

もちろん、イベントをまだご覧になっていない方にも向けた内容ですので、ぜひお気軽に読んでいただければ幸いです。

照沼健太(YouTuber/ライター/編集者)
MTV Japan、株式会社インフォバーンでの勤務を経て独立。2014年から2016年末までユニバーサル ミュージックジャパンのWEBメディア『AMP』の企画・立ち上げおよび編集長を務め、2018年にコンテンツ制作会社『合同会社ホワイトライト』を設立。テレビ東京やNetflixのメディア運営、レディオヘッドら数々のアーティストのCD封入解説文、HIKAKIN、米津玄師、押井守、藤本タツキなどのクリエイターや多くのビジネスパーソンの取材を担当。2023年末からはYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を運営(2025年2月末時点でチャンネル登録者数約5万人超)。

やりたいこと全部できる初めての時代

写真:照沼健太

僕が何にいちばんワクワクしているのかというと、やりたいことが全部できる時代が来たということです。もちろんこれはAIの話です。

「特権が解体されて民主化に向かう」。

カルチャーやテクノロジーは、大局的に見ればこの一方向に進んでいると言えます。

例えば、音楽制作。かつては高価なスタジオや特殊な機材にアクセスできるレコード会社やその契約アーティストだけが音楽を作り、大衆に届けることが可能でした。しかし、現代ではスマートフォンのアプリや安価なPCソフトを使って、Apple MusicやSpotifyあるいはYouTubeなどを通して誰でもプロ並みの楽曲を制作・配信できるようになりました。

映像表現の分野でも同様です。以前は映画会社やテレビ局のような巨額の資金、専門知識、放送免許などが必要でしたが、現在はYouTubeやTikTokを通じて誰もが自由に作品を発表し、多くの人々に届けられる環境が整っています。

もちろん、この変化のベクトルは、新たなメディアの潮流である「“ほぼ個人”のダイレクトメディア」の根底にも流れています。

そんな民主化の流れが、AIによって、ついにほぼ全ての分野に訪れた。

それが現在です。

最たる例はプログラミングでしょう。「ノーコード開発」「バイブコーディング」といった言葉が急速に広まりつつあるように、専門的なプログラミング知識がなくても、作りたいアプリやWebサイトなどの仕様を伝えれば、AIが自動的にプログラミングを組んでくれる時代となりました。

つまり、誰でもアプリやサービスを作れる時代になったわけです。サーバー保守や個人情報の扱いなど、課題が全てクリアになっているわけではありませんが、誰でもプラットフォームを作ることすらできてしまいます。

他にもイラストやマンガ、アニメ、映画、小説、記事だって自由自在です。

どうせほとんどの人はやらない。でも……

写真:照沼健太

ここで重要なのは「その道のプロがその品質に満足できるかどうかは関係ない」ということ。それよりも「誰でも作れる」ことが重要です。

どうせ「誰でも作れる」ようになっても、ほとんどの人は作りません。みんなiPhoneを持っていても、そこで映画を作ったり、音楽を作ったりする人なんて一握りです。

けれども、一握りの人はそれを飛び越える。

「お金がないからできない」「知識がないからできない」という制約を取り払って、飛び込んでくる。

そこで生まれたものは、その道のプロにとっては粗だらけかもしれませんが、大切なのはディテールではありません。飛び込むことそれ自体です。

その一握りの人たちのさらに一部は、きっと「これじゃダメだ」とその分野の伝統的な技術や知識を学習していくことでしょう。あるいは2台のターンテーブルとマイクを組み合わせて既存楽曲を新たな曲にした初期のヒップホップのように、これまでの流れとは違う革新的な手法を生み出すかもしれません。

そして、AIは同時並行で複数の分野に飛び込むことを可能にします

散歩中に作りたいアプリのアイデアを音声でChatGPTに伝えてプログラミングしてもらいながら、その間にアプリのロゴデザインやWebサイト制作を依頼し、告知文を執筆することができる。プロモーションムービーのための映像カットをSoraで作り、BGMやナレーションも他のAIで作れる。

もちろん、それらすべてのアウトプットがその道のプロにとっては粗だらけかもしれません。でも、大切なのはディテールではありません。飛び込むことそれ自体です。そして組み合わせによって新しいものが生まれていく。

(ちなみに現状多くのプロが「AIが作る⚪︎⚪︎は〜」と不満を語りますが、AIの進化が指数関数的であることを念頭に置いていないのは危険だと思います)

「やりたいことがある=才能」の時代

写真:照沼健太

やりたいことがある人たち、特にそれらがたくさんありすぎる人たちにとって、間違いなく最高の時代です。

そしてこれは「好きなものがある」「やりたいことがある」自体がより重要な才能、スキルになっていくことを示しているとも言えるでしょう。

先日のイベントでは、この辺りの話も僕だけでなく3人の視点を交えた会話としてお届けしています。NZJやYe、Number_i、Timelesz、米津玄師などのエンタメ話もここに絡んでくるエキサイティングな4時間超。2週間限定でアーカイブ配信中です。ぜひお楽しみいただき、何かしらを感じていただければ幸いです。

(照沼健太)

↑これ、買ってみようかなと気になってます。

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