世界観を持っていない人はどうするか
文章に携わる仕事をしていて、よく考えることがあります。
それは「独自の世界観」という定番の表現への違和感。僕の仕事においてはミュージシャンを中心にクリエイターの紹介文によく使われますが、「そんなの当たり前じゃん」って思うわけです。
もちろん「独自さ」のグラデーションもあるでしょうが、基本「世界観」は持ってて当たり前、独自であるものだと思うんです。
ちなみに日本の人気バンド「クリープハイプ」のボーカルであり小説家の尾崎世界観さんは、おそらくこれに近い違和感から「世界観」という芸名を使っているそうです。
で、今朝散歩しながらこの動画の音声を聴いていたら、この世界観に関連して「そうだよね」という話題が出ていました。
前段はこの動画の序盤をざっと観ていただきたいのですが、僕が共感したのは後半。
「AIには面倒な作業をやらせて、自分はコンセプトや世界観を考える楽しい仕事をする」的な話になったところで、「でもそれはほとんどの人にとっては楽しくない」という流れになります。
その理由は「(ほとんどの人は)何をやっていいかわからないから」。
そもそも、自分の世界観を広げていこうとしてる時点で負けてる
うまくいく人は、今まで生きてきた中ですでにそれがある
それを捻り出さなきゃいけない時点で苦しい=楽しくない
という話です。文字通りの「そもそも論」ですが、これは正直いって本質だと思います。

僕は武蔵野美術大学という美大のデザイン科を卒業していますが、美大に入って印象的だったのが「テクニック的なことはほぼ何も教えない」ことです。技術ではなく、もっと根本にあるべきものを学びます。
「オペレーターではなく、デザイナーになれ」。
つまり「美大に行ってたからデザインができる、デッサンができる、写真が上手い」は間違いであり、「デザインができる、デッサンができる、写真が上手く撮れる人」が美大に行くんです。
もっと正確には「デザインしてきた、デッサンしてきた、写真を撮ってきた人」が集まる。
すでに何かしらやってきた人が集まるわけです。
好きなものがあれば、当然それに近づいていく。
そこで生まれたものを誰かが見て、次に繋がっていく。
仕事の基本はこれだと思っています。
では、世界観がない人はどうすればいいか

最初に書いた通り「世界観は独自で当たり前」「持っていて当たり前」だと僕は思っています。
つまり……
あなたはすでに世界観を持っている。気づいていないだけ。
だって、考えてみてください。
これまで生きてきて「視点」を持っていない人なんか、いますか?何かしらの思考の癖や、傾向はありますよね。
好きなものも、ありますよね?
「好きなものがない」「わからない」って、よく聞きますし、僕は先日のトークイベントでも「今の子供にアドバイスするなら」という質問に対して「好きを見つけること」的な話をしました。
でも、本当はすでに何かしら好きなものはあるはずです。
今の仕事や学校の課題を一旦ストップすることを考えてみてください。
1ヶ月の完全なバカンスがやってきました。
いつもの部屋で目が覚めましたが、仕事に行く必要も学校に行く必要もありません。お金の心配もありません。昨晩ぐっすり眠れたので、気力も体力も十分です。
時間は1ヶ月あります。
「何をしますか?」
(照沼健太)
↑僕に大きな影響を与えた名著です。文章も美しい。
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