質問185:ボールに近づきすぎて、面が上を向いてしまう(副題:お米が「高止まり」した真因と、その逆転活用術!)
ボールに近くなりすぎるせいか、面が打った時に上を向いてしまうのと、体が左にスライドして、腕が前にふれません
回答
▶頑張ってるのに伸びない理由。それは「因果ミス」
ボールに近づきすぎるから、ラケット面が上を向いてしまう。
両者の間に、ほとんど因果関係はありません。
もちろん、窮屈すぎて面を保ちにくい事情はあるにせよ、本質はそこではない(関連記事「この世の中には『原因と結果の法則』が、ひとつの例外もなく作用している」)。
ヒザが伸び切ったらマズイとは言っても、高くて届きにくいボールに対してそうなるのは、「仕方がない」のです(関連記事「おまけ4・自己肯定感が高まる『実用の5文字』by明石家さんま」)。
ボールに近づきすぎた状態でも、ラケット面が下を向き、ネットミスする場合もあります。
もちろん、ラケット面を保てて、上手く打てる場合もある。
ボールとの距離感と、ラケット面がインパクトで垂直にならない現象とを結び付けてしまうと、誤った因果について考え続けてしまうでしょうから、堂々巡りでテニスは上手くいかなくなります。※1
むしろ、考えるから下手になる。
きっと今は、ボールがずーっとは、見えていないでしょう。
※1
高さとネットからの距離との相関によっては、インパクト時のラケット面は必ずしもサーフェスに対して垂直とは限らず、近場からたたき込む場合は下を向くでしょうし、ローボレーを持ち上げる場合は上を向く場合もあります(しつこいようてすが「向ける」ではなく「向く」です!)。
▶上達が止まる「抽象度不足」という問題
ここに、常識的な技術指導の根本的な過失があります。
ボールを上手くコントロールできない原因は、体が開きすぎるからでも、ヒザを曲げていないからでも、テイクバックが大きすぎるからでも、フォロースルーをちゃんと取っていないからでも、ありません。
抽象度が低いレベルで考えてしまっており、これが、本質を見誤る要因。
「木を見て森を見ず」と言いますね。
「球出し」だけを切り取るから「正しいフォーム」を規定できるように見えるけれど、テニスというスポーツ全体を俯瞰すればカオスであり、そんな状況、試合では1球たりともないのです。
▶お米が高止まりした「真因」「解消法」「活用法」
スーパーの棚にないから「米が足りない」と表面的な現象だけ見て取るようなもの。
そしてますます足りなくなったのが、「高止まり」した原因なのでした。
今こそ解消法は、「奪い合えば足らぬ。分け合えば余る」(関連記事「お金と同じ。回さないから回らない『お米のタンス預金』」)。
飽食時代の現代人が学ぶきっかけとなれば、令和の米騒動も「万事塞翁が馬」ではなかったでしょうか。
精米が課題というなら、「玄米」を食べる習慣に寄与すれば、日本人の健康にも多大な恩恵がありそうですよ!(玄米が良いと頭で知るのが「知識」。実際に食べて体が具体的に変化する一連の働きが「智慧」)。
▶その場しのぎは通用しない!(エネルギー保存則より)
とはいえ、ボールとの距離感が合わないと、やっぱりプレーに支障をきたします。
そういう近づきすぎるとき、多くの場合、「面の先端でヒットするつもりで打つ」などの調整を試みるかもしれません。
だけど、これも効きません。
抽象度が低いのです。
小手先なのです。
なぜなら、今度は遠ざかりすぎるから。
遠ざかりすぎたら、今度はちょっとだけ近づこうとして、また近づきすぎるなど、行ったり来たりすれ違う。
どうしてもエネルギー保存則がありますから、振幅が一方へ大きく振れたら、逆側へもやっぱり、大きく振れるのです(関連記事「これをすると『ノーコンが止まらない』」)。
▶フォームより先に「見方」を変える
(現実に対するイメージのズレがない前提ですが)頭で考えながら動いてしまっているから、距離感が合いません。
ですから頭で考えてしまわず、ただボールを見た「感覚」で無意識的に動くプレーが肝要(関連記事「ダイレクトに集中せよ! 」)。
ただしその動きを誘引するには、日常的に見るのとはちょっと違った、特殊な(だけど上級者は条件反射的にできている)ボールの見方をします(関連記事「あなたのテニスは『思考能力』or『条件反射』?」)。
▶ボールを中心視野に「止めて」見る
日常生活では、止まっている背景の手前で、動く物体が流れて見えていると思います。
テニスでは、物体(ボール)を中心視野に止めて、背景が流れる見方をします(関連記事「そんなこと、できるの? ボールを視野の中心にとどめて、背景を動かす」)。
ただし繰り返しになりますが、「現実に対するイメージのズレ」がない前提。
それがあると、むしろ無意識的かつ衝動的に、誤った動き方をしてしまいます。
そしてそのズレは、ほとんどの人に「ある」。
▶水は、コップに入れれば丸くなり、枡に入れれば四角になる
「腕を前に振る」とする常識すら、もう捨ててよいと思います。
というのも、ボールに近づきすぎた場合(フォアハンドを仮定しますが)、ご自身がおっしゃるとおり、体を左へスライドさせて逃がしながら打つ対応が多くなると思われ、腕の動きとしては恐らく、体の右から左へ横切るのが自然。
この局面で前へ振るのは不自然です。
むしろご自身の体はその対応が「できている」のであり、小賢しい頭で妨げようとしないのです。
ここで言いたいのは、「近づきすぎたら右から左へ振りましょう」という抽象度の低いスイングやフォームの話ではなく、つまり、どのような打ち方であってもその状況に応じて生じた「必然」であって、フォームなんていうのは、その時々でどんな格好になったとしても、否定しなくていいのです(関連記事「体は精緻。そのシグナルを役立ててアクションを妨げない」)。
水は、コップに入れれば丸くなり、枡に入れれば四角になる。
これが「対応」です。
上善は水の如し
柔軟性がありながら、急流ともなれば、固い岩石をも打ち砕く。
流れるように生きる(プレーする)のです。
▶「水タイプ」はどんな相手も呑み込む変幻自在のプレーヤー!
一般的に行われる技術指導は、生徒さんのフォームを否定(固定)します。
そうなる「必然」を否定することの効能って、何かあるでしょうか?
現実と戦っても、絶対に勝ち目はありません(関連記事「『ボール集中だけで上級者になるのは何人』につきまして」)。
プロプレーヤーでさえ、ときにボールに近づきすぎたり、トンデモなく不格好な(←と主観的に決めつける?)フォームで打ったりする対応だって、あるのですから。
そして、追い込まれて(不)格好になったとしても、自分が「今だ!」と感じる打球タイミングで打てるというのが対応力が高い「水のプレーヤー」であり、ご自身がなる姿は、ここ。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero