テニス上達メモ526.村竹ラシッドが見つめた「足りなかったもの」──勝ちを忘れる力
「パリが終わってからの1年間、本気でメダル獲りにいくための練習をした。何が足りなかったんだろうなって…」。レース後、村竹ラシッドは悔しさを滲ませました。何が、足りなかったのでしょうか?
たった1つのこと。
▶集中しようとすると、集中できないあべこべ感覚
昨日の続きです。
愛されたいと思うと、愛されないのでしたね。
それは、構造的に無理なのです。
では、テニス。
コースを狙おうとすると、狙えません。
ラケット面の真ん中でボールを当てようとすると、当たりません。
勝とうと思えば、勝てないのです(関連記事「勝ちたいと思うのは当たり前ではないか?」)。
それは、構造的に無理なのです。
そうではなくて、ボールに集中するのです。
だけど、ボールに集中しようと意識すると、集中できないのです。
このあべこべ感覚を専門用語で「顛倒(てんどう)」と呼ぶのでしたね。
本当に集中しているとき、自分が集中しているとも、分からないのです。
▶極意は?
ボールの回転を、見るのです。
だけど回転を見ようと意識すると、見えません。
では極意は?
ただ、見るのです。
ですから、スティーブ・ジョブズの「馬鹿であれ」(関連記事「ジョブズ、大拙、リー、言ってることは同じ」)。
そういったことを考えなくなったとき、言い方を変えると忘れたとき、集中します。
すると、コースを狙わなくても、勝手にウイナーが取れます。
すると、当てようとしなくても、勝手にジャストミートします。
すると、自分は何かしているつもりもないのに、勝手に相手がミスしてくれて、勝手に勝ちます(関連記事「イワン・レンドルの悲哀」)。
▶愛を忘れたとき、愛される
だけど、忘れようと意識すると、忘れられないのです(関連記事「『忘れる』ことの素晴らしさ 」)。
勝手とは、「勝つ手」です。
弓道の、自由に動かせる右手が勝手です。
勝手にしていれば、勝手に勝つのです。
▶メダルに手が届かないとき、「何が足りなかったんだろう?」
すると、なるようになります。
世界陸上、パリが終わってからの1年間、本気でメダルを獲りにいくための練習をした選手は、「何が足りなかったんだろうなって…」と悔しさを滲ませました。
才能も、努力も、練習量も、調整も──すべて足りていたはずです。
最後の最後、勝ちを忘れる「忘我」が、あえて言えば足りなかったのかもしれません。
人事を尽くして天命を待つ。
「自分の脚がもつ限り、何年かかってでもメダル獲りたいなと思います」
足りなかったものを問う旅は、これからも続く。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com
テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
いいなと思ったら応援しよう!
スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero