質問1607:ボールが来るまでは平静ですが、チャンスに見えた瞬間におかしくなります
「自分に余裕があると、相手に時間を与えてしまう気がする」――。
その違和感こそ、多くのプレーヤーが大事なポイントで崩れる理由です。
質問
吉田無型さま
3セット全て購入し、効果を実感しております。
ありがとうございます。
周りの目を気にしてテニスをしていたことに気づきボールを見て日々課題に取り組んでいます。
ベテランJOPの55歳以上で頑張っているのですが、毎回初戦が上位シードです。
なのですが、行けると思ったところでポイントを取ろうとして負けてしまいます。
今回、セカンドセット4-5から私のサービスで40-15から落とし、敗退となりました。
いつも仲間から惜しいと言われる存在で残念です。
ここも周りを気にしていると言われそうです。笑
同じことを何度も繰り返していますが、根が深いです。
ボールが来るまでは平静ですが、チャンスに見えた瞬間におかしくなります。
これは治るのにどれくらいのかかるものでしょうか?
※※※※
回答
▶「周りの目」の正体
周りの目は、実在していません。
それこそ「イメージ」です。
「あの人にどう思われるだろうか?」などと思う“頭の中の住人”です。
「あの人」は、確かに実在するとしても、その人がどう思うかまでは、私たちのあずかり知らないところです。
そしてその人が「どう思うか」は、その人のその日の気分や体調、天気、経済状況などによっても揺らぎます。
同じ出来事を目の当たりにしても、「ま、いいんじゃない」と思うときもあれば、「絶対ダメ」と思うときもあります。
ですからその人がどう思おうとも、それが客観的事実とは限りません。
どんな評価を下されようとも、真実を反映しているわけではないはずです(関連記事「【テニスゼロより一言】技術を活かすための『心の境界線』」)。
▶なぜチャンスで崩れるのか
セカンドセット4-5からのサービスで40-15。
すべてのポイントは「等価」です(関連記事「だからコナーズは諦めない」)。
「チャンスに見えた瞬間『おかしくなる』」とすれば、このポイントに重きを置いたのかも知れません。
主観的に――
そのせいで、いつもどおりが狂ったのではないでしょうか(関連記事「山本由伸『いつも通り』。MLBワールドシリーズでも平常心は『作らない』」)。
ジミー・コナーズの言う「俺はすべてのポイントをマッチポイントだと思って戦っている」とは、最初のポイントも軽んじない一方で、ゲームポイントだからといって重きを置かない――という意味ではないでしょうか。
▶練習と試合では、目標が逆になる
ボールが来るまでは平静でいられるところまでは、『ベースメソッド』がしっかり機能しています。
打つ間際に、崩れたのだと思います。
なぜでしょうか?
練習は「続ける」のに対して、試合は「締める」のが、一般的ですよね。
目標が真逆になります。
▶攻め急ぐと、自滅する
目標が真逆になるそのせいで、試合になると大事なポイントほど、普段はできている練習時より、攻め急ぐ。
「行けると思ったところでポイントを取ろう」とした。
そのせいで打球タイミングがズレると「自滅」します。
相手のエースやウイナーというより、ご自身のエラーだったのではないでしょうか?
▶余裕の「違和感」を味方につける
『ベースメソッド』が機能しているうちは、プレーに「余裕」が感じられるでしょう?
だから、相手に「時間」を与えてしまう気がするのです。
でもご自身は、その余裕を感じながら打っていいのです。
そうすれば、ご自身が打つショットのスピードは「高速化」しますから、結局、対戦相手に余裕を与えません。
▶「惜しい」と言う人は、敵ではない
大事なポイントほど、「周りの目」も気になったかもしれません。
治るためには、イメージのあの人ではなく、リアルなその人と、向き合ってみるとよいと思います。
「惜しい」と言ってくれる仲間。
もしかすると今は、負けたら評価を下されるなどと、思っていらっしゃるのかもしれません。
「また残念なヤツと思われそう……」
しかし残念と思うかどうかは、相手の虫の居所やその日の天気にもよるのです。
惜敗でも、「頑張った」はずです。
▶人は、思ったより優しい
「その人」とリアルに向き合う経験を積むと、人って「もっと優しい」と気づくと思います。
すると、「大事なポイント」でも緊張せずにすみますよ。
集中力は対人関係ですからね(関連記事「集中力は『対人関係』だ!」)。
これも、頭の中で考えるだけでは、なかなか実感できません。
かつての私は「この経験」がまったく足りておらず、今振り返るといつも、イライラ、ドキドキ、ソワソワしていました。
向き合う「経験」をすると、腑に落ちます。
そうすれば、治るのは早いです。
▶「重き」を置いた自分を許す
セカンドセット4-5からのサービスで40-15。
拝読していて、手に汗握りました笑。
重きを置くのも、それは「仕方がなかった」と思います(関連記事「おまけ4・自己肯定感が高まる『実用の5文字』by明石家さんま」)。
私たちはロボットではなく人間ですから。
頑張ったのです。
またご報告をお待ちしています。
相手に時間を与えそうな気がするけれど、ご自身は、「余裕」を感じていいのです。
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テニスゼロ代表 吉田無型(よしだ・むけい)
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