イップス友の会059:モヤモヤの正体は書き出すまで自分でも分からない——心を「治療」する習慣
人は、自分が何に悩み、何に傷ついているのかを、案外分かっていません。女優・内田有紀さんは、その日のうちに「悩み」を言葉にして書き出すといいます。言葉にしないと、傷の正体には気づけず、傷が深まってしまうから。他人の幸せに傷ついたり、言い返せなかった自分を責めたりするのも、弱さではなく自然な反応。モヤモヤの正体に気づき、書き出すことは、次に進むための立派な「治療」。
▶悩みは、言葉になるまで自分でも分からない
女優の内田有紀さんは、自分が何に悩んだかを、言葉にして書き出すのだそうです。
https://bangumi.org/tv_events/AlBwQIGZMAM
言葉にしないと、どうして自分が悩んでいるのか、気づけない。
そうしてその日のうちに「治療」しないと、傷が深まるのだといいます。
まさに、そのとおりだと思います(関連記事「『浮かれず、落ち込まず』──人生もセットはリセット」)。
▶人の幸せを見て、傷つく自分を責めなくていい
私たちは自分が何に傷ついているのかに、案外気づけていません。
後述しますが、他人の幸せにも、傷ついたりしがちです。
「傷ついてなんかいないもん!」と強がりたくなるプライドも、あるのかもしれません。
▶調子が悪いときは、何かが傷ついているサイン
「なんかモヤモヤする」って、ないですか?
それは、何に傷ついているかに、気づけていないから。
そういう時、気分がすぐれなかったり、やる気が出なかったり、イライラしたり、不安になったり、生きる意味について考えたりします。
テニスでも同じで、技術は変わっていないはずなのに、なぜかボールが合わない、ミスが続く、集中できない——そんな日は、何かに傷ついてしまっていることが多い。
▶本当に「治す」べきは、別のところ
技術やフォームに原因があるとは限りません。
逆に言えば、心の状態がプレーに影響している可能性もあるのです。
気分がすぐれなかったり、やる気が出なかったり、イライラしたり、不安になったり、生きる意味について考えたりするとき、「何か傷ついた出来事」が、過去に、あったはずなのです。
技術やフォームを疑う前に、心のどこかに小さな傷が残っていないかを、探ってみてはいがでしょうか?
それに気づいて、言葉にして書き出すのが、内田有紀さんの流儀。
▶それは性格じゃなく、反応にすぎない
誰かに言われた、何気ない傷つくひと言。
その時は笑って「そんなことないよー」ってやり過ごしたとしも、なんだかモヤモヤするのは、そのせい。
裏を返して言えば、自分はネガティブだからなどという「性格」のせい、ではないのです。
性格だとしても、四六時中ネガティブという人は、いないでしょう。
ネガティブの中にもポジティブな「性格」も、確かに混じっているはず。
人は、「0-100(ゼロヒャク)」で割り切れないのでしたね(関連記事「我慢が続くと、人は自分を嫌い始める」)。
▶自分を、これ以上傷つけない
誰かに言われた、何気ない傷つくひと言。
その場では上手く言い返せなかったり、あるいは逆ギレしてしまったりすると、それもまた相手から言われた言葉とは別に、不甲斐ない自分として切り刻まれる「新たな傷」となる。
「情けないなー」って。
だけど「あー言い返せなかっただけなんだ」「激高するほど自分も傷ついたんだ」などと傷の出所が分かると、あとは勝手に癒されてきます。
その出所(原因)について、分かることが大事です。
▶第一の矢と、第二の矢
仏教では、傷つく出来事そのものを「第一の矢」、そのあとに自分へ向かって放つ怒りの矛先を「第二の矢」と言います。
「第一の矢」の出所が分かると、「二本目の矢」はもう、放たなくてよくなる。
それはリアルな出来事ではなく、心の中で起きた反応だと分かるから。
だから内田有紀さんは、その日のうちに突き止めて、言葉にして書き出すそうです。
▶喜べない自分も、ちゃんと本音
同番組では30代のある方が、同世代が出世、結婚していくのに比べて自分は劣等感を覚える、というお悩みが紹介されました。
そんなとき、同僚の出世や結婚は喜ばしいのだから、自分が傷ついているとは、「気づきにくい」のです。
「なんでモヤモヤするんだろう?」って、思う。
だけどやっぱり自分も、焦ったり、本心では妬んだりして、傷ついています(関連記事「人の幸せが『不安を煽る』とき」)。
それを「素直に喜べない自分」などという厳しい目で見てしまうと、また余計に傷つくのです。
「なんて心が狭い自分なんだ!」などと。
だけどそのときは、喜べない自分が、「本物の素直」。
それでいいのです。
▶もう「その人」は、ここにはいないよ
恨み辛みを募らせるのは、下手な(苦しむ)生き方なのでしたね(関連記事「『誰でもいいから殺そう』とするのはなぜ?」)。
それはもう、過去のこと。
今・ここ・この瞬間に集中すれば、恨み辛みを覚えた同じ人は、もう、ここにはいません。
相手も自分も、お互いの気分も機嫌も新陳代謝も、刻一刻と変わり続けている「諸行無常」。
だからこそ、「一期一会」です(関連記事「今日が生涯最後のテニス」)。
同じ人、同じ機会は二度とないという「現実」に即して、向き合う。
「恨み辛みを覚える奴がまだいる」と思うのは、妄想にすぎません。
▶次に進むための「書き出す」という治療法
テニスのミスも、同じです。
嫌な気持ちになるかもしれないけれど、それはむしろ当然のことだけど、そのミスはもう、過去のこと。
「またミスするかもしれない」などと思うのは、妄想にすぎません。
ミスを引きずってイライラ、シクシクしているとしたら、「不甲斐ないミスをしたからこういう気持ちになってるんだなー」「そりゃ、当然のことだよ」「仕方がないよね」と、気持ちを客観視して、「治療」してあげましょう(関連記事「おまけ4・自己肯定感が高まる『実用の5文字』by明石家さんま」)。
内田有紀さんほか、オリスラガース選手や藤井貴彦アナにならって、ノートに書き出す「治療」も吉。
そうすれば、今・ここ・この瞬間に迎える新たなテニスに、カラッとした晴れ渡る気持ちで、臨めるようになりますよ。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero