質問189:松岡修造さんは、どうやって打っているの?
※過去に頂いたご質問のため、記載のユーチューブ動画は、現在視聴できないようです。
ストロークについての質問です!
http://youtu.be/aANgNnFmX_I
この松岡さん動画は、3分のやつの打ち方はどうやって打っているか教えて頂けませんか?
僕は、松岡さんのフォームを参考にしています。 携帯の動画で自分を撮り、松岡さんの動画(DVD)と比較してるんですが、僕はどうもテイクバックをしてラケットを後ろに置いた状態から、松岡さんに比べて遅く出ているのです・・
そのため、体が開きやすくパワーが伝わりません・・。
そのため、どういう風に打っているかを教えて頂きたいのです。
あと、ボレーですが、http://youtu.be/LZHbRBtjvqM この動画のハンチュコバの前衛の時の構えが好きなんです!
足がまっすぐ平行にネットに向いてますが、なんか重心移動の観点からでは凄いいいらしいのです(重心先行型で、疲れにくい)
まあ、そこはいいとして、ガニ股や内股でスプリットステップするのは力が、抜ける気がして僕もこういう風にして構えてます。
ボレーのコツとして、前に向かう体重移動と、素早いボールの飛球方向へのラケットの構えだと思うのですが、どうもしっくりこない時があるのです・・
パンチの利いたボレーを打つには、どうしたらいいでしょうか??
あと、ドロップボレーの仕方を教えてください^^
回答
▶フォームを解説するのは簡単だけど
フォームを参考にするポイントはご提示いたしますが、そっくりに似せたからといって、松岡修造さんのようなボールが打てるかといえば、また話は別だということはどうかご了承ください。
フォアハンドは、ヒジから引く形のテイクバックになっています。
左手がボールに向かって伸びています。
このあたりも、フォームを似せるにはポイントになるかもしれません。
ヒジから先に引かれて、ラケットがあとからついてくるテイクバックのため、「後ろで置く」というふうにはなっていないようです。
テイクバックの動きを止めずに、ラケットがヒジを追い越し最後方に引かれたタイミングで、スイングの動作が切り返されます。
いわゆるムチのような腕の使い方になっているようです。
体のひねり戻しは、右腕が振り出される動きよりも先行。
体が回ってから腕が振られる運動連鎖の効いたスイングになっています。
▶意識と無意識──見えるフォーム、見えない感覚
こうご紹介すると、「確かにそうなっている!」と、思っていただけるかもしれません。
だけどこれは、他人である第三者の私が「勝手に分析」しているだけで、松岡さんご本人が意識しているかどうかは、また別問題。
ここが肝心かなめのポイントなのですが、外見上は、松岡さんがやっていることと、私が言っていることはとてもよく似ているかもしれないけれど、松岡さんが意識してそうやっているかどうかというと、そうではなかったとしたら、松岡さんと、それをなぞらえるプレーヤーとの間に、感覚的なズレが生じます。
▶意識すればするほど「真逆」に向かう
フォームはそっくりでも、感覚的に違っていたら、決して同じようなプレーにはなりません。
むしろ、松岡さんがムチのようなテイクバックは意識しておらず、なぞらえるプレーヤーは意識するならば、それこそ2人は「真逆の世界」でプレーしている正反対になるのです(関連記事「運動能力の差はこれ! あなたは『外向的or内向的?』」)。
もちろん(性格の話ではなく意識の向け方が)、松岡さんは外向的、真似るプレーヤーは内向的です。
▶“解説ごっこ”なら小学生でもできる
それにしても、ユニークな映像。
教えてくださりありがとうございます。
番組では、木琴やカスタネットを用い、「これ以上ない!」「これ以上のフォームはない!」と囃し立てる。
以上で説明がつくのであれば、「ヒザは〜」「腰が〜」「肩甲骨を〜」という、世の微に入り細に入るマニアックなフォーム指導・技術レッスンは何だろう?
というのが率直な感想です。
フォームを解説するだけなら、簡単。
▶ハラミちゃんのピアノ演奏! 無意識の技が光る
そういう説明は分かりやすいから納得するのですけれども、分かったからといって、できるようになるわけではありません(関連記事「分かりやすいレッスンに感激してる場合じゃない」)。
くだんのハラミちゃんは水泳のクロールについて、レポートが書けるほど詳しく分かっているけれど、できない。
だけと本職のピアノは、運指について、あるいはヒジの曲げ方や手首の角度などについて意識していないけど、「できる」のです。
https://youtu.be/iupV4STpHDc?list=RDiupV4STpHDc&t=43
▶フォームは“再現性”ではなく“必然性”
松岡さんを批判するのではなく、フォームというのは、その程度のものでしかないのです。
そういう意味ではどんなフォームも、以上も以下もない、その時々の必然。
なのに意識するから、テイクバックを引きすぎたり、引かなすぎたりする「過剰」が生じます。
取ってつけたようなフォロースルーになるのです(関連記事「打ったあとに『ヨイショ』する人。『取ってつけたような』スイングの正体とは?」)。
▶意識よりも集中が美しいフォームを作る
フォームは、ボールに集中していれば勝手に現れるもの、私はよく「にじみ出る」と表現します(関連記事「タイミングが合えばフォームは自ずと洗練される」)。
それは人それぞれ、筋肉の柔軟性や関節の可動域などが違うのですから、また絶対無二の一球なので、形は同じにはなりません(関連記事「『人それぞれ』でいい」)。
番組の中で女の子が苦戦してしまっているのは、動き方を頭で「考えてしまっている」からです。
考えずにやれば、なんてことのない動作。
だけどテニスでも考えながらプレーすると、これと同様、「とても苦戦」するのです。
そんな複雑なこと、どう「考えたって」できません。
考えるほど、抜け出せなくなる「蟻地獄」です(関連記事「あら簡単。『運動音痴脱出法』」)。
▶ハンチュコワ、見ようによっちゃ“普通”が最強?
ハンチュコワの構え方は、スミマセン、どこが特徴的なのか、私には見つけられませんでした。
普通に構えているようにお見受けしました。
あえて言えば「やや前傾姿勢で〜」「スタンスは肩幅強で〜」「ラケットヘッドを上げて構えて〜」など、言えるのでしょうけれども、あまり意味があるとは思えません。
▶スプリットステップは「準備」ではなく「合図」
ひとつお伝えするとすれば(ハンチュコワに限りませんが)、相手が打つ瞬間のスプリットステップ。
これがシンクロを引き起こしてタイミングを得るアクセントになっています。
スプリットステップは、素早く動き出すのがメインではありませんよ。
それはどちらかというとサブ的要素。
タイミングを計る役割こそメインです。
こちらの情報が詳しいです。
▶正確さと力強さを両立する「振るボレー」
パンチの効いたボレーは簡単です。
ラケットを振ってください。
「ボレーはラケットを振るな」と一般的には指導されますが、パンチですから、腕を止めたままではボールをたたけません。
振るというよりも、「感じるままに自由に動かす」といったほうが適当かもしれません(関連記事「味方のコーチが仇となるとき」)。
そのほうが、正確にボールを捕えられるし(ラケットや腕を固定するから、芯にこない)、パンチも効かせやすくなります(関連記事「ボレーは振ったほうが安定するという新常識!? 」)。
▶打ち方に気を取られると、チャンスを見逃す
ドロップボレーは、相手ボールの見極めが肝心。
そのためには当然ですが、ボールをよく見ます。
だけどフォームや打ち方を気にしていたら、そのボールから注意が逸れるため、見極められずに、せっかくの使いどころで使えない機会損失となりかねません。
▶テニスは「距離」と「時間」の攻防戦
ドロップボレーの成功率は、打ち方やフォームよりも、自分と相手のポジションに依拠します。
もちろんフォームを解説すれば、「振りかぶって強打と見せかけ〜」「インパクトの瞬間にラケットを負けさせ~」など言えますが、あまり意味はないのでしたね。
細かく言えば「肩越しに〜」「手首を寝かせて〜」「ヒザを柔らかく〜」など、いくらでも言えるのだけど、ですからフォーム矯正はキリがないのです。
相手をコート後方に追い込んだシチュエーションが、仕掛けるチャンス。
テニスは、距離と時間の奪い合いです。
相手に長い距離を走らせつつ、自分がドロップさせるボールの滞空時間を短くすれば、有効打となります。
▶「決めなきゃ」で力まない──一発勝負より“詰将棋”
一発で決め切る必要はありません。
これは先のボレーの話にも通じます。
相手に不利な体勢で取らせれば、イージーボールが返ってきます。
浮いてきたボールを仕留めにいきましょう。
とはいえ相手の返球が浮いてきたからといって、簡単に処理できるわけではありませんよね。
そういうボールほど、ふかす、あるいはネットに叩きつけるミスが多い気がしませんか?(印象に残りやすいため、トホホー)。
相手コートを見ずにノールックの勘で打てば、ミスを防ぎつつ、(見ないからこそ)空間認知が活性化して、コースを狙うのも楽になりますよ(関連記事「チャンスボールが浮いてきた時のボレーミスがどうしても直らない」)。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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テニスゼロ代表
吉田無型(よしだ・むけい)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero