質問1583:遅くて、跳ねない緩いボールで気持ちよく打てなくて、ネットミスが多すぎ
吉田様
返信ありがとうございます。
とても、腹におちるお話しです。
今日はダブルスの試合てした。
何度も対戦している相手に敗れました。
遅くて、跳ねない緩いボールで
気持ちよく打てなくてネットミスが
多すぎでした。
相手はわざとそういうボールを送って
きます。
(中略)
そこが、良くなればかなり違う結果に
なりそうです。
普段は、ハードコートの試合の方が
フォアの調子はいいです。
確かに、練習では、浅い緩いボールも
そこそこ打てますが、試合では、今日も
ネットミスが多かったです。
深く考えず、(中略)基準のみ
でやっていきます。
回答
▶テニスは「いいかげん」なスポーツ?
ハードコートのほうが調子が良いということは、今回はオムニかクレーだったのでしょうね。
テニスというのは、ウインブルドンは白が基調のドレスコードよろしく、道具の規格は厳格に決められているくせに、サーフェスだけは何でもいいという、いいかげん(ユニーク)なスポーツです。
卓球にせよ、バドミントンにせよ、そんな競技は遊びでやるならまだしも、他にはなかなかありません。
卓球台をカーペットにするとか、バドミントンを芝でやるとか、野球をハードコートでやるとか、バレーボールを土の上でやるとか、聞いたためしがないのです。
やるとすれば、それはビーチバレーという他競技に分類されるのです(ビーチテニスもありますが、バウンドさせないから、どちらかというとルールはバドミントンに近い)。
テニスはそれを、「ごっちゃ」でやる稀有なスポーツです。
国別対抗戦では、ホスト国が有利なようにサーフェスをこさえて構わないから、貝殻を砕いてばら撒くような暴挙(作戦)にも、お咎めがありません(関連記事「サーフェスの速さによって、『テニスの歴史』は変わる」)。
▶イメージが揺さぶられた
一見するだけだと、「あぁ、サーフェスが違うから、球足の速さも変わって、慣れないと大変だよね」、という一般論で済ませられそうな話。
しかしここにも「現実に対するイメージのズレ」が関わっているから、さあ大変。
揺らぎがあるのですね。
それはサーフェスの質感と相まって、対戦相手が打つ球種、球威、球速、球筋によっても揺らぎます。
今回は、お相手がわざと遅くて緩くて跳ねないボールを打ってきたから、ご自身のイメージが揺らがされたのです。
その結果打球タイミングを誤り、ネットミスが多くなった。
▶風の日が難しいのは「流されるから」だけではない
前回のメールでは、「対物」でも『テニス・ベースメソッド』を試してくださいとお伝えしました(関連記事「1分1秒、1球1打を無駄にしないテニスの『悟り方』」)。
それ(イメージ)はたとえば「風」という物理現象によっても、グラグラ揺らぐからです。
「風にボールが流される」という表面的な意味ではなくて、追い風や向かい風を受けた体感覚が、ボールの弾み方を錯覚する誘引となる。
1球前に打たれた相手ショットから受ける印象、あまつさえ相手が大人か子どもかなどの体格差から受ける印象などによっても、イメージは揺らぎます(関連記事「ところが、だまされてしまう!」)。
▶どうしてあんな広いコートに返らないの?
テニスなんて一見するだけだと、大きな網の目のついたラケットで、目の前に広がる相手コートへ、ただ打ち返すだけの簡単(そう)な競技です。
野球のように細長いバットで、遠くへ飛ばすわけではない。
ゴルフのように狭いフェイスで、小さなカップを狙うわけでもない。
だけど実際にやってみるとテニスというのは、「どうしてあんな広いコートに返らないの?」といぶかりたくなる有り様です(苦笑)。
▶仏陀は「法を拠り所とせよ」と説いた
広いコートの中の、どこで打っても相手コートへ返せるというわけではありません。
やはり相手のボールに応じて、打ち返しやすいポジションというのがあります。
打ち返しやすいポジションが打ちやすい打点につながり、それが打ちやすい「タイミング」に通じています。
何か基準でもなければ、広いコートの中でそれを探り当てるのは、「雲をつかむ」ような話です。
「ここぞ!」という打点を探し当てる作業が、手探りになる。
拠り所とできる基準はないものか?
べースメソッド改め、和名『基準法』。
▶筆舌に尽くしがたい「安心感」
テニスというのは、野球のようにストライクゾーンが区切られているわけではなく、ゴルフのように止まって打てるわけではなく、はたまた野球やゴルフのように、遠くへ飛ばせば有利になるというほど、チカラ技でどうにかなるスポーツでもありません。
むしろ遠くへ飛ばしすぎると、対戦相手にポイントが加算されるルールです(苦笑)。
サーフェスに始まり、相手の球種、球速、球威、球筋、風、1本前の相手のショットの印象エトセトラ・エトセトラ。
これらすべてにアジャストできる必要があるのです。
よく言われるような「フォーム」など、気にしている場合ではなかったのです。
そこで、絶対的な基準となる『ベースメソッド』を拠り所とする。
その「安心感」たるや、筆舌に尽くしがたいのです。
▶テニスは「見るは易し、行うは難し」
もちろん、他競技には他競技ならではの難しさがあるでしょう。
とはいえキャッチボールを10回投げ合う、インステップキックで10回蹴り合うなどは、競技を10年も続けていれば、できそうなもの。
なのにテニスに限っては、ラリーが10回できない「10年選手」もいたりするのです(関連記事「『10年選手』が生まれる理由」)。
見た目の簡単そうな印象と、実際にやってみると難しい実践との間に、著しいイメージのズレがあるテニス。
見るは易し、行うは難し。
▶10年残るイメージのズレ。なくなれば1000回続く
なぜでしょうか?
「現実に対するイメージのズレ」が、10年経っても残るからです。
だけどイメージのズレがなくなれば、1000球ラリーも達成されるのです。
その心を、テニスプレーヤー小野田倫久プロは「無」の境地とたとえました。
そう、前回のメールで申し上げたのは大げさではなく、本当に「悟る」。
https://youtu.be/EExijaei9m4?t=1854
※注1
「見るは易し」といってもツアーとなれば話は別で、観戦を実践するのはテレビの前に座っていれば事足りるから簡単だけど、そのドラマを見て取るには、ホームランなど一発逆転の派手さがないだけに、テニスは観戦するのがとても難しいスポーツだと思います(関連記事「映画を見るのに勝るとも劣らない『ドラマ』がある」)。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com
いいなと思ったら応援しよう!
スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero