イベントの"事務局"は最強の自己投資であるー非営利イベントの企画・集客・継続のリアル
ちょっとここのところ、中小企業診断士ネタが多いのだが、ご了承ください。そんな時期なのだ。
しかも今回は、身内の写真がたくさん出てきちゃう😆
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試験に合格した。登録も済んだ。名刺もできた。
「さて、何をしよう?」
多くの合格者が、ここでぴたりと足が止まる。
受験時代は「合格」という明確なゴールがあった。しかし診断士になった瞬間、目の前には無数の選択肢が広がり、逆にどこへ進めばいいかわからなくなる。研究会に入るべきか、実務従事に参加すべきか、まずは協会に所属すべきか。情報を集めれば集めるほど、選べなくなっていく。
東海診断士交流会ー「2次会」から始まった年次イベント
わたしは共同幹事のかじさんと、毎年「東海地区中小企業診断士 活動紹介&交流会」(通称:東海診断士交流会)を主催している。

このイベント、実はもともとTAC名古屋校の合格祝賀会の「2次会」的な集まりが起源だったらしい。わたしは2016年に東京から名古屋へ引っ越してきたのだが、2017年にこのイベントに初めて参加し、その翌年から共同幹事を務めるようになった。TAC中小企業診断士講座の講師をしている関係で、合格者との接点があったことが大きい。
現在の形はこうだ。
第一部(無料)は、診断士になりたての方を対象とした活動紹介パート。東海地区で活動するコミュニティや法人が、それぞれの活動内容を紹介する。登壇団体はざっくり「コミュニティ系」と「事業会社系」に二分される。
コミュニティ系は、非営利で気軽に集まって勉強会や交流会を行う団体。例えば、TAC名古屋校診断士試験合格者コミュニティQCCは典型的なコミュニティ系だ。
一方、事業会社系は、活動内容の紹介に加えて、有料の実務従事やセミナー、会員サービスなど自社の商品・サービスを持っており、参加者にそれらを紹介して活動への参加を促す目的がある。
また、事務局側で選出したベテランと若手の診断士1名ずつに、先輩診断士としてのこれまでの活動について発表いただく時間がある。

いわば「学び、繋がり、稼ぐ」というループの入り口が、この場に凝縮されているのだ。
第二部(会費制)は、診断士であれば誰でも参加OKの懇親会。長年続けてきたおかげで常連の方々も一定数いてくださり、これはとても嬉しい。

なお、第一部で登壇する法人には協賛金をいただいており、この形で非営利イベントとしての運営が成り立っている。大変ありがたい!
「主催する側」に回ると、見える景色がまるで変わる
これからの数ヶ月は、全国各地で様々なイベントが開催されるだろう。診断士活動2年目以降になる人には、「イベントの主催側に回る」という選択肢を提示したい。
参加者としてイベントに足を運ぶことと、企画・運営する側に回ること。両者の間には、想像以上に大きな差がある。
今回は、わたし自身がイベントの共同幹事として活動してきた経験から、イベントを「つくる側」に回ることの意味と、集客・継続のリアルをお伝えしたいと思う。
参加者は、そこで紹介される情報を「受け取る」立場にある。もちろんそれだけでも十分に価値はある。だが、主催する側に立つと、その裏にある設計思想が見えるようになる。
誰を先輩診断士として選ぶか。登壇の順番をどう組むか。参加者の動線をどう設計すれば、第二部の懇親会で自然と会話が生まれるか。協賛金をいただく以上、登壇団体にとっても参加者にとっても価値のある場にしなければならないーその調整のプロセスそのものが、企画力・交渉力・マーケティング思考のトレーニングになる。
コンサルタントとして独立を考えている人なら、なおさらだ。イベントの企画・運営は、クライアントワークに必要なスキルの縮図と言ってもいい。関係者との合意形成、限られたリソースの中での最適化、当日の想定外への対応。コンサルティングの基本動作が、すべてここに詰まっている。
そして何より、登壇団体との関係が深くなる。「紹介する側」に立つことで、各団体の代表者やキーパーソンとフラットに繋がれる。これは、単なる参加者として名刺交換する場合とは、関係性の深さがまったく異なるのだ。

集客のリアルー発信力と人的ネットワークがすべて
イベントは、企画がどれだけ素晴らしくても、人が来なければ始まらない。そしてこの集客こそが、非営利イベント運営の最大の難所である。
XやInstagram、Facebookで告知をする。Peatixのイベントページを立てる。それ自体は誰にでもできる。問題は、その告知がターゲットに届くかどうかだ。
わたしの場合、TACの講師をしているという立場上、教え子たちに「受かったらこんなイベントがあるよ」と雑談程度に紹介することができる。これは大きなアドバンテージだ。ただし、TACのルートだけでは限界がある。独学で合格した方や、他校の出身者には直接届かない。
ここでものをいうのが、過去の参加者たちの拡散力である。
かつて参加してくれた教え子や仲間が、自分のSNSで「今年も東海診断士交流会がありますよ」と発信してくれる。その投稿を見た別の合格者が興味を持つ。このリレーが、集客の生命線になっている。
つまり、日頃からの発信力と人的ネットワークの蓄積が、そのままイベントの集客力に直結するのだ。普段からSNSで発信し、リアルな場で信頼関係を築いておくことが、いざイベントを告知したときの「届く力」をつくる。イベント集客は当日に始まるのではない。365日の積み重ねの上に成り立っているのである。

継続イベントの設計ー「型」と「変化」のバランス
単発のイベントを一度きり開催するのは、正直それほど難しくない。やる気とある程度の段取り力があれば、なんとかなる。
しかし、年に一度のイベントを何年も続けるとなると、話はまったく変わってくる。継続的なイベント運営には、「型」と「変化」の両方が必要だ。
変えない部分(=型)は、たとえば開催時期、基本的な構成(第一部+第二部)、非営利という運営方針。毎年参加してくれる常連にとって「今年もあの交流会の時期だな」と認識してもらえること自体が、ブランドになる。
一方で、変える部分も意図的に設計している。特に重要なのが、事務局メンバーの入れ替えだ。わたしたち主催者2人以外の事務局スタッフは、毎回、前年度に合格・登録してイベントに参加してくれた方に声をかけている。
この仕組みにより、事務局には常に「つい最近まで参加者だった人」がいる。参加者の目線を運営に反映できるし、事務局経験者は翌年以降もイベントに愛着を持って関わってくれる。結果的に、コミュニティ全体の層が厚くなっていく。

正直な話、この事務局運営は完全に手弁当だ。報酬はない。それでも続けていられるのは、シンプルに参加者が喜んでくれるからだ。合格したばかりで右も左もわからなかった人が、このイベントをきっかけに活動を始め、翌年以降には登壇する側に回っている。その成長を見届けられることが、何よりのご褒美なのである。
参加する側へー受け身ではなく、「主体的にその場にいる」こと
ここまで主催者側の視点で書いてきたが、最後に、参加する側のみなさんにも伝えたいことがある。
イベントや交流会に足を運ぶとき、受け身にならないでほしい。
「なんとなく参加してみた」「とりあえず話を聞いてみた」ーそれでも得られるものはゼロではない。だが、その何倍も濃い時間にする方法がある。
「どの活動に参加するか」だけでなく、「誰と繋がりたいか」を事前に考えておくこと。
登壇者リストが出ていれば、事前にSNSをチェックする。気になる団体があれば、活動内容を予習しておく。懇親会では、「話しかけられるのを待つ」のではなく、自分から声をかけに行く。
交流会は「消費する場」ではない。自分のキャリアに「投資する場」だ。
同じ1日を過ごしても、主体的にその場にいる人とそうでない人では、持ち帰るものがまったく違う。
今年も、東海診断士交流会を開催する。
2026年3月29日(日)、合格したばかりの方も、すでに活動している方も、東海地区の診断士が一堂に会する場だ。
▶ 2026.03.29(日)はじめの一歩を加速する!東海中小企業診断士交流会(Peatix)
「さて、何をしよう?」と思っているなら、まずはここに来てほしい。きっと、最初の一歩が見つかるはず。
診断士(合格者)なら、どこに住んでいても大歓迎だ!
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