介護美容は「贅沢」ではなく「当たり前」の社会へー講義を通じて思ったこと
わたしが長年関わってきた美容業界。
「その魅力は?」ときかれれば、こう応える。
美容は、単に外見を整えるだけのものではない。人を笑顔にし、生きる意欲を引き出す「力」を持っている。
今回、わたしは介護美容研究所名古屋校にて、事業計画に関する全2回の講義を担当した。
美容業界専門の経営コンサルタントとして、受講生の皆さんと向き合った濃密な時間を振り返ってみたい。
介護美容が切り拓く、新しい福祉の形
「介護美容」という言葉をご存知だろうか。 高齢者や要介護者に対し、メイク、ネイル、エステなどの美容技術を提供するケアのことである。
介護美容研究所は、まさにその道のプロフェッショナルを育成する、日本で初めての専門スクールだ。
講師のお話をいただいたとき、わたしは二つ返事でお引き受けした。理由はシンプルである。この業界そのものに強い魅力を感じ、その発展を少しでもお手伝いしたいと心から思ったからだ。
美容業界に身を置く人間として、介護と美容の掛け合わせが持つポテンシャルの高さ、そして社会的意義の深さに疑う余地はなかった。
「計画の策定」から「決意のプレゼン」へ

わたしが担当したのは、以下の2回である。
1月15日(木):事業計画の立て方
1月29日(木):事業計画プレゼンテーション
木曜クラスの皆さんは、年齢も前職も、現在置かれている立場も実にバラバラである。しかし、教室に漂う雰囲気は一貫して素晴らしく、3時間という長丁場の授業も、あっという間に感じるほど熱気に満ちていた。
最終日に行われた事業計画の発表内容は、多種多様であった。
曜日ごとに異なる講師によっては「プレゼン資料(スライド)は必須」とするケースもあるようだが、わたしはあえて「お任せ」のスタイルをとった。
なぜなら、これは形式美も含めて競うビジネスプランコンテストではないからだ。
大事なのは、自分の想いを、自分の言葉で、どう届けるかである
「実行」することこそが、計画を正解にする
授業で学んでいる内容は同じでも、これから歩もうとする道は一人ひとり異なる。 これまでの職歴や豊かな人生経験を存分に生かそうとする人もいれば、全くの未経験から情熱一つでスタートを切ろうとする人もいる。どのプランも個性的で、それぞれの魅力に溢れていた。
コンサルタントとして、わたしが皆さんに伝えたかったことは一つだ。
「どんなに優れた事業計画であれ、やってみなくちゃわからない」ということ。いったん計画を立て、一歩を踏み出したのであれば、あとは実行し続け、それを自分自身の手で「正解」にしていくしかない。不確実な未来を憂うより、自らの行動で道を切り拓く強さを持ってほしい。
しなやかに、賢く。手を取り合って進む
独立や起業の道は、時として孤独である。 しかし、決して一人で抱え込まないでほしい。
同じ志を持つクラスメイト、いつも支えてくれる名古屋校のスタッフの方々、そして時には公的機関の職員や専門家の力も借りてほしい。
これまでの人脈を大切にするのはもちろん、新しい繋がりを「賢く」活用し、「しなやかに」経営環境に適応していくことが、事業を継続させる鍵となる。
生徒の皆さんが口々に言っていた言葉が、今も耳に残っている。
「介護美容は、決して贅沢ではない。介護美容が当たり前の社会になることを目指す」
この高い志に、わたしは深く共感し、心からのエールを送りたい。
わたしの担当回はこれで終了し、次回以降はQCCメンバーで後輩の内山健太さんにバトンを託した。
木曜クラスの皆さん。
皆さんが介護美容の現場で活躍し、笑顔を増やしていく姿を楽しみにしています。 またいつか、成長した姿で再会できることを願って。

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