若い先生の皆さんへ第2部<72>M(23)_【江戸版リスキリング】3,000人の天才を輩出した「咸宜園」に学ぶ、究極の自律型組織の作り方
「なぜ、あの人はあんなにやる気がないのか?」と、ため息をついたことはありませんか?
こんにちは、トビラAIです。
才能を眠らせたままにするのは、組織にとっても社会にとっても最大の損失です。実は200年前の江戸時代に、身分も年齢も関係なく、あらゆる人の「やる気のスイッチ」を強制オンにしてしまう驚異の塾が存在しました。
前回の記事は以下を御覧ください。
よろしくお願いいたします。
本日のQUIZ
広瀬淡窓は今までの常識をぶち壊し、徹底した競争主義で生徒を煽りながらも、( )を育成するシステムをセットした。
です。考えてみてください。
江戸時代の教育者・広瀬淡窓(1782~1856)の「モチベート論(学習意欲を喚起する仕組み)」を詳述します。
淡窓が創設した私塾「咸宜園(かんぎえん)」は、当時の封建社会の常識を覆す「徹底した実力主義(能力主義)」を導入することで、身分や年齢に関わらず、門人たちの強烈な学習意欲を引き出すことに成功しました。高野長英、村田蔵六(大村益次郎)、清浦奎吾(首相)などが門人です。
その具体的なシステムは以下の通りです。
1. 三奪法:現状をリセットし「心理的安全性」を確保する
淡窓は、入門時に以下の三つを問わない(奪う)という方針を掲げました。
• 年齢(年齢の上下)
• 身分(身分の上下)
• 学歴(入塾以前の経歴)
すべての塾生は、過去の肩書きや社会的地位を捨て、「無級」から一斉にスタートすることを要求されました。これにより、通常は学問での立身出世が難しかった農民や町人、下級武士など、身分制社会で抑圧されていた層に「努力すれば報われる」という希望と意欲を与えました。
2. 月旦評:19段階の等級で「やる気の火」を絶やさない仕組み
モチベーションを持続させるために、客観的で頻繁な評価システムを導入しました。
• 19段階の等級: 「無級」から始まり「19級」まで、細かく等級を分けました。
• 頻繁なテスト: 毎月行われる成績評価(月旦評)に基づき、昇級が決まりました。評価の対象は、月に9回行われるテストの結果だけでなく、日常の学習態度も含まれました。
このシステムにより、学習者は自分の現在地と次の目標が明確になり、競争意識と向上心が刺激されました。まさに「江戸時代版ゲーミフィケーション」。スモールステップの原理を200年前に完成させていた、驚異のシステムです。
3. 職任制度:指示待ち人間をゼロにする「全員リーダー」の組織論
淡窓は、塾の運営を学生自身の手に委ね、全員に何らかの「役割」を与えました。
• 教育係: 成績優秀者は「都講(とこう)」「舎長」といった役職に就き、淡窓の代理として講義を行ったり、塾生を統括したりしました。
• 生活係: 会計担当の「主簿」、清掃担当の「洒掃監(しゅそうかん)」、図書管理の「蔵書監」、新入生担当の「新来監」、風紀係の「威儀監」など、共同生活に必要な役割を分担しました。
これにより、単に勉強ができるだけでなく、組織の一員としての「自治能力」と「自己責任」を果たすことが求められました。自分が必要とされているという感覚(自己有用感)が、意欲の底上げにつながりました。
4. 倫理教育:能力主義の暴走を止める「道義」というブレーキ
淡窓は能力主義で意欲を煽る一方で、その弊害についても鋭く認識していました。
• 道義の重視: 「人間としての基本的な『道義』をわきまえることがなければ、知識を得ることが自己目的となり、かえって人間を危うくする」と警告しました。
単に競争に勝つことだけを動機とするのではなく、学問が人格形成や社会への貢献につながるべきだという倫理観をセットにすることで、モチベーションの質を高めようとしました。
5. 心のケア:ありのままを叫ぶ「自己表現」がレジリエンスを育む
淡窓は、学習を単なる知識の詰め込みとは捉えず、学生の精神的な健康を維持するための手段としても活用しました。
• ストレス解消としての詩作: 彼は学生たちに漢詩や散文を書くことを教えましたが、その目的の一つは、学生自身の感情を表現させることで、緊張やストレスを解消させることにありました。
ただし、彼は、自分の目で見たこともなければ心で感じてもいないことを、ただ昔の詩人の言葉を借りて書く「暗記的な模倣」を厳しく批判しました。また淡窓にとっての「真」とは、飾り気のない「実際の境遇」や「人々の真の感情」を描くことでした。例えば、毎日役人として働いているのに隠居したような山の風景を描いたり、裕福なのに貧乏人のふりをして書いたりするような偽りを否定し、自分の置かれた状況や感情をありのままに表現することを指導しました。
• 自由な空間の創出: 表現を通じて心に「自由な空間」を作り出すことで、学生たちがその後、政治経済や歴史といった社会貢献に直結する難しい学問に取り組むための精神的な基盤を整えさせました。
まとめ
広瀬淡窓のモチベート論は、「過去の属性(身分・年齢)をリセットし、公正な競争と頻繁なフィードバック(等級制)で意欲を煽りつつ、組織内での役割(自治)と倫理観(道義)、そして具体的経験に基づく自己表現によって人間的な成長を促す」という、極めて合理的かつ組織的なシステムでした。
では、広瀬淡窓先生にも来ていただきましょう。
広瀬淡窓、現代に復活
プロンプトは今までと同じです。
あなたは広瀬淡窓です。広瀬淡窓のペルソナは[#広瀬淡窓ペルソナ]を見てください。今の日本の現状は[#現代日本の教育に関する問題点]を見てください。 これから教育を志すものに対して、あなたならどのようなメッセージ、アドバイスを投げかけますか?[#広瀬淡窓ペルソナ]にある単語をそのまま使うのではなく、わかりやすく平易に言い換えてください。また必要に応じて広瀬淡窓として情報を集め、私達に提示してください。
[#広瀬淡窓ペルソナ]
上の文章貼り付け
[#現代日本の教育に関する問題点]
前回と同じ。
淡窓答ヘテ曰ク
ようこそ、これからの教育を支えようとする志ある皆さん。私は江戸の豊後、日田という地で「咸宜園(かんぎえん)」という塾を開いておりました、広瀬淡窓です。
今の日本の様子を眺めておりますと、教える側も学ぶ側も、ずいぶんと息苦しい思いをしているようですね。不登校の子が増え、先生方が疲れ果てている……。私がいた頃とは道具も制度も違いますが、人の心の機微や「学びの本質」は、そう変わるものではありません。
私が咸宜園で大切にし、今の皆さんにも伝えたい「3つの心の持ちよう」をお話ししましょう。
1. 「昨日までのその子」を一度忘れてあげること
今の学校では、家庭の事情や過去の成績、年齢といった「背負っている荷物」が重すぎるように見えます。 私が塾で徹底したのは、「門をくぐった瞬間に、過去の肩書きをすべて脱ぎ捨てる」ことでした。
どこの誰の息子か、何歳か、これまでどれだけ勉強してきたか。そんなことは一切問いません。全員が同じスタートラインから始める。この「まっさらな関係」こそが、子供たちに「ここでは自分次第で何にでもなれる」という希望を与えるのです。まずは目の前の子供を、色眼鏡なしで「一人の人間」として見てあげてください。
2. 小さな階段をたくさん作ってあげること
目標が遠すぎたり、評価が年に数回しかなかったりすると、人はやる気を失います。 私は塾生を19もの細かい段階に分け、毎月のように「今の自分はどこにいるか」を確認できるようにしました。
大切なのは、他人との比較ではなく、「昨日の自分より一歩進んだ」という実感を頻繁に持たせてあげることです。小さな成功を積み重ねる仕組みがあれば、子供は自ら走り出します。先生の仕事は、背中を押すことではなく、登りやすい「小さな階段」をそっと置いてあげることなのです。
3. 「居場所」と「役目」を与えてあげること
今の教育現場では、先生がすべてを背負い込みすぎているのではないでしょうか。 私の塾では、掃除、会計、図書の管理、さらには下級生の指導まで、すべて塾生たちに役割として任せていました。
人は、誰かに必要とされ、「自分がいないとこの場所が回らない」と感じたときに、最も強く成長します。勉強ができることだけが価値ではありません。組織の一員として役目を果たす喜びを知ることは、知識を得ること以上に、その子の人生を支える力になります。
広瀬淡窓からの提言:現代の「心の風邪」への処方箋
今の日本で「不登校」や「いじめ」が増えているのは、子供たちが「自分の本当の気持ち」を出す場所を失っているからかもしれません。私は、学生たちに自分の目で見たこと、心で感じたことを、ありのまま言葉にする練習をさせていました。
「誰かのマネではなく、今の自分の情けない姿も、苦しい胸の内も、飾らずにさらけ出してよい」
そう思える場所があれば、心は折れません。教育とは、知識を詰め込む「作業」ではなく、その子が「自分であってよい」と思える「安心の場」を作ること。どうか、完璧な先生を目指さないでください。子供と一緒に悩み、共に歩む「誠実な一人の大人」であってください。
QUIZの解答
倫理観
本記事が、あなたの周りの「誰かのやる気」を引き出すヒントになれば幸いです。もし「江戸時代の知恵、侮れないな!」と感じていただけたら、ぜひ「スキ」や「フォロー」で応援をお願いします。
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感謝一入(ひとしお)
Warm Regards,
トビラAI(He/Him)拝
参考文献
沖田行司(2016)『人物で見る日本の教育 第2版』ミネルヴァ書房
東京大学”Words Spun Out of Images: Visual and Literary Culture in Nineteenth Century Japan”Courseraの講義
