若い先生の皆さんへ第2部<173>T(19)_【画面図解】フォロワー0でも読まれる!生徒の「つまずき」を秒速であぶり出すAI・Gem構築の鉄則【教師のためのGem講座】
公式を丸暗記させたはずなのに、テストを見たら生徒全員が『時空の歪み』に吸い込まれたような奇想天外な誤答を連発している……そんな絶望を味わったことはありませんか?こんにちは、トビラAIです。今回は教師のスキルセットAtoZの「T;Teaching」の19回目です。前回はAIに関して正しい知識を正しい先生から学び、かつ練習をしないとうまくなりません、と言うお話をしました。教育業界はとかくAIに疎い業界です。その分伸びしろは沢山あり、先生の『時間(リソース)』を劇的に生み出し、授業の質を圧倒的に高める伸びしろが、ここには無限に眠っています。未読の方は以下をお読みくださいね。
それでは、よろしくお願いします
今回は実際にGemを構築する方法をお伝えします。ChatGPTの場合は「GPT」という機能が同様のものですが、私がGeminiユーザーなのでGemを中心に書かせてください。本記事を読んでいただいたら、GPTの場合も同じように作っていただけると思います。
算数嫌いを救い出す!生徒の「脳内バグ」を秒速であぶり出す最強Gemの設計図
私は2回前の投稿で、以下のフレームワークを使って、先生が気づいていない生徒のつまずきポイントを探りましょう、と言うお話をしました。
以下にコピーします。一旦お読みください。
Role(役割):AIに「初学者の躓きをあぶり出す、極めて優秀な教育設計者(インストラクショナルデザイナー)」としてのペルソナを与える。
Context(文脈):読者である生徒の年齢、性別、現在の知識レベル、教室の環境を詳細に伝える。
Task(タスク):正しい解説ではなく、あえて「生徒がこの単元で陥りやすい『誤概念(ミスコンセプション)』のベスト3と、その具体的な思考プロセス」を出力させる。
Constraints(制約条件):教科書の文面をコピペしたような曖昧な表現(スクイッシュ)を禁止し、1行1行のセリフやノートの書き方のレベルまで「具体化(流暢性の確保)」させる。
Format(フォーマット):教師のデリバリー用台本、および躓きを乗り越えさせるための「穴埋め問題(足場かけ)」の形式で出力させる。
ここに出てくるRoleとかContextなどは、絶対これである必要はありません。この記事を書いたときは、Kennesaw State Universityの"AI in Education: Advanced Assignment Creation and Creative Commons Licensing"という講座を参考に記事を書いていたので、それをそのまま紹介しただけです。
昨日の投稿で紹介したGoogleは別なフレームワークを作っていますが、だいたい言っていることは同じですので違いを気にする必要は皆無です。
【画面図解】3クリックで完結!あなたの相棒となるGemの隠れ家を探せ
さて、Geminiの画面を開いてみましょう。

ここで、真ん中の入力するところに、さっきのRoleとかContextとか入力するのは面倒です。そのためにGemというものがあります。Gemとは、あらかじめやってほしいことをAIに記憶させて、いざ使うときには最小限の入力で済むようにする機能なのです。
左下に歯車のマークはありませんか?あなたのお名前の右に歯車があるはずです。そこを押すと下のような画面ができるはずです。

私の画面の場合は上から5つ目にダイヤモンドのマークとともにGemと書いていますでしょ?そこを押してみてください。そうすると、以下のような画面になります。

で、それを下にスクロールすると、右側に下のようなボタンが見えるはずです。

これを押しましょう。そうすると、以下のような画面になります。

名付けで勝負は決まる?AIを迷子にさせない「直感ネーミング」の鉄則
まず最初にする作業は左上にある「名前」をつけることです。この名前は何でも構いませんが、後でみて判別しやすいような名前にしましょう。今回はつまずきを発見するGemですから、「つまずき発見くん」にしましょう。その下の説明もなんでもいいのですが、ここは「教えたい内容を書いてください」としてください。すると、以下のようになりました。

次に「カスタム指示」です。ここがGemの本丸部分(核心部分)です。前述した、RoleとかContextとかのあれです。
【超重要】ペルソナなしのAIはただの「凡人」!Attention(注意)を1点に絞り込む魔法
ここで、Role(役割=ペルソナとも言う)を与える意味はすごく重要です。
ちょっと技術的な話になりますが、極力かんたんに説明します。まずAIというのは「Attention」という仕組みを使って文章や画像を生成します。Attentionとは注意という意味ですね。
AIは、インターネット上の膨大なテキストデータを事前学習しており、玉石混交のデータが含まれています。ペルソナを与えずに単に「〇〇について教えて」とだけ質問した場合、Attentionが注意を向ける先はその膨大なデータ全部になります。その結果、AIは最も平均的で確率的にありふれた言葉選びをしてしまいます。AIにとって「どの文脈の知識やトーンを優先して引き出すべきか」という起点がないため、焦点の定まらない、平凡な回答になってしまうのです。
逆に言えば、Attention機構は、プロンプト(のRoleに書いてある指示)内の「医者」や「先生」といったペルソナをまず見て、後に続く質問の単語との関連度を考えます。これにより、AIの内部に眠る膨大な知識ネットワークの中から、そのペルソナに関連する特定の文脈(例えば医療用語、専門的な知識、あるいはカジュアルな表現など)に対して「知識の絞り込み」が行われるんです。
ですので、最初にRole(ペルソナ)を設定することは非常に大切です。先ほどのKennesaw State Universityのフレームワークを使って、プロンプト案を作成しました。
#Role(役割):あなたは初学者の躓きをあぶり出す、極めて優秀な教育設計者(インストラクショナルデザイナー)です。
#Context(文脈):対象は小学5年生の男女であり、算数が苦手な子たち。教室には35名の生徒がいます。
#Task(タスク):私が入力した問題に関して、正しい解説ではなく、あえて「生徒がこの単元で陥りやすい『誤概念(ミスコンセプション)』のベスト3と、その具体的な思考プロセス」を出力してください。
#Constraints(制約条件):教科書の文面をコピペしたような曖昧な表現を使ってはいけません。1行1行のセリフやノートの書き方のレベルまで具体的に書いてください。
#Format(フォーマット):教師のデリバリー用台本、および躓きを乗り越えさせるための「穴埋め問題(足場かけ)」の形式で出力してください。
妥協一切禁止!AIの打率を格段に引き上げる「プロンプトへの執念」
まず、「#」はマークダウン方式という記法ですが、ここでは深入りしません。今は「#」は見出しのマークだと思っていただいたら十分です。
Contextは対象が誰なのかをはっきりさせるための記述です。Taskは実行する指示です。つまり上のRoleやContextを踏まえたうえで、Taskを実行してくれ、というわけです。「私が入力した問題に関して」というのは、先生であるあなたが入力する指示のことです。ややこしくなってますが、まあ、気にしないでください。あとでわかります。
実際のところ、このRole、Context、Taskの3つでも十分機能します。ただ、AIの精度を上げるために、ConstraintsやFormatがあります。実際に書かれている中身を見ていただいたら分かると思いますが、「こういうことはやめてね」「この形式で回答して」などのあなたの「こだわり」を入れることができます。この「こだわり」が大事で、カスタム指示の内容が細かければ細かいほど、AIが返してくれる回答の質が上がります。逆にこれが短いと、AIは気まぐれな回答をしてくることになります。
武器を選べ!あなたのGemを覚醒させる「特殊能力」
今回は最初の「#Role」から最後の「出力してください」を全部コピーして、「カスタム指示」に貼り付けます。

上のようになったらOKです。カスタム指示の下には「デフォルトツール」とありますね。

デフォルトツールとは、最初の道具という意味です。ここを深入りするとややこしくなるので簡単にまとめておきます。慣れたら使ってみてください。
デフォルト ツールがありません
通常のチャット画面からスタートします。まずはユーザーからの自由な質問や指示を待つ、一般的なAIの挙動になります。
画像を作成
起動した瞬間から「画像生成モード」になります。ユーザーが言葉(プロンプト)を入力するだけで、すぐにイラストや図解などを生成する特化型Gemを作りたいときに選びます。
Canvas
テキストの執筆、コーディング、文章の編集などに特化した「ワークスペース(共有エディタ形式)」の画面で起動します。右側にチャット、左側に大きなエディタが開き、共同編集をスムーズに行うためのモードです。
Deep Research
起動時から、Web上の膨大な情報から自動で深いリサーチとレポート作成を行う「Deep Researchモード」が適用されます。市場調査や複雑なトピックの網羅的な分析を自動で走らせるGemにする場合に適しています。
音楽を作成
起動時から「音楽生成モード」になります。指示を出すことで、手軽にBGMや楽曲、音声トラックを生成するGemを作りたいときに選択します。
ガイド付き学習
ユーザーに対して一方的に答えを教えるのではなく、ステップバイステップで問いかけを挟みながら、理解を深めさせる「対話型の学習伴走モード」で起動します。
今回は「デフォルト ツールがありません」のままにします。
最後の「知識」ですが、AIが回答するうえで参考にする知識を指定することができます。pdfとか、notebookLMとか好きなものを入れることができますが、今回は一旦なしでやりますね。
【最終ステップ】命を吹き込む最後の儀式!保存ボタンを恐れず押そう
この状態で、右上の保存を押してください。

押したら以下の画面になります。

ここで「チャットを開始」を押してみましょう。そうすると、下のような画面になりました。

実戦検証!ハルキくんを「時空の歪み」から救い出す教育設計マシーンの威力
ではここで、速さの問題を取り上げてみましょうか。
ハルキさんは、分速60mの速さで3分30秒走りました。ハルキさんは何メートル走ったでしょうか?
この問題をコピーして下の「Geminiに相談」に貼り付けてください。

この状況で、右下にある上矢印を押してみましょう。ここからは人によりますが、私の場合は以下のように出力されました。

長くなりますが、私が得た回答をコピーします。
こんにちは!「つまずき発見くん」です。小学5年生の「速さ・時間・道のり」の文章題、まさに子どもたちが大混乱して大転倒しやすい超危険地帯ですね。
35人のクラスで算数が苦手な子たちがどこで「おっとっと!」とつまずいてしまうのか。教科書通りのきれいごとではなく、生々しい脳内ツッコミとノートの落書きレベルまでリアルに再現した「誤概念ベスト3」と、それを救うための指導台本をお届けします。
🚨 小学5年生が陥る「誤概念」ベスト3
1位:【単位の数字そのまま合体】「秒」をそのままかけ算しちゃう病思考プロセス: 「速さの公式は『速さ×時間=道のり』でしょ? 数字は『60』と『3』と『30』があるな。あ、3分30秒だから、330? いや、とりあえず全部かければいいか!」
ノートの惨状: 60 × 30 = 1800 とか 60 × 3.30 = 198 とか、とにかく「1分=60秒」の換算を無視して、問題文に見えた数字をテトリスのように組み合わせます。
2位:【小数の罠】「3分30秒」を「3.3分」と書いて安心しちゃう病思考プロセス: 「3分30秒だから……あ、小数点をつければいいんだ!3.3分だね!よし、公式通り 60 × 3.3 を計算しよう!」
ノートの惨状: 60 × 3.3 = 198(答え:198m)。30秒が「0.5分(半分の1/2)」ではなく、10進法とごっちゃになって「0.3分」や「0.30分」に変身してしまいます。
3位:【公式丸暗記の限界】「み・じ・は」の円に数字をハメるだけマシーン思考プロセス: 「先生が言ってた『みじは(木の下のハゲおやじ)』の図に数字を入れよう。えっと、速さは60。時間は……3分30秒ってどうやって入れるの? 2つ数字があるよ?(フリーズ)」
ノートの惨状: 円の中に「3分30秒」とそのまま書き込まれ、割り算なのか掛け算なのか分からなくなり、最終的に 60 × 3 = 180 だけ計算して30秒を無かったことにする。
🎬 授業デリバリー用台本(教師の語りかけ)
先生:「さあみんな、今日の問題はこれだ。『ハルキくんが分速60mで3分30秒走ったよ。何メートル進んだかな?』」
生徒たち:「はーい!公式知ってる!『速さ×時間』だから、えーっと……60×3.30? 60×330?」
先生:「(ニヤリと笑って)ストーーップ!今、ノートに 60 × 3.3 って書こうとした人、正直に手を挙げてごらん?」
生徒たち:(クラスの半分、約18名がギクッとして手を挙げる)
先生:「だよね!だって3分30秒だもん、3.3って書きたくなるよね。じゃあ、ちょっと考えてみよう。1分って、何秒だっけ?」
生徒たち:「60秒!」
先生:「じゃあ、30秒って、1分のうちのどれくらい? 半分? それとも3つに分けたうちの1つ?」
生徒たち:「半分……あ!半分だから、0.5だ!」
先生:「その通り!30秒は0.3分じゃなくて、0.5分なんだ。だから3分30秒は、合わせて『3.5分』になるんだよ。ここが、算数の神様が仕掛けた最大のイタズラトラップです!」
🧱 躓きを乗り越えさせるための「足場かけ(穴埋め問題)」
クラスの35人全員を置いてけぼりにしないために、ノートの端にこれを書かせてステップを踏ませます。
💡 ハルキくんの問題をクリアする3つのステップ【ステップ1】時間の単位を「分」にそろえよう!1分 = [ 60 ] 秒30秒は、1分のちょうど半分(はんぶん)だね。だから、30秒を「分」に直すと、[ 0.5 ] 分になります。ということは、「3分30秒」は、合わせて [ 3.5 ] 分のことだ!【ステップ2】言葉の式(公式)に当てはめよう!道のり(m) = [ 速さ(分速) ] × [ 時間(分) ]【ステップ3】しきを立てて計算しよう!しき: 60 × [ 3.5 ] = [ 210 ]答え: [ 210 ] メートル
先生:「どうかな?『3分30秒』を『3.5分』に変身させちゃう魔法さえ使えれば、みんなが得意なかけ算だけで一発クリアだね!」
AIはただのマシーン:先生の「机間巡視の愛」と「泥臭い経験知」を掛け算せよ
この問題の場合、3分30秒をどう扱うか、が鍵になります。私の経験上では第2位の3.3分はよくやりますね。第1位と第3位は見たことないですが、ひょっとしたらやっている可能性もあります。
また逆に言うと、私が一番よく見たのは3分30秒を210秒にして、60✕210=12600mとし、お前どこまで走らせるんかーい、というケースですね。これは前回も強調したように、先生が問題演習中に机間巡視したり、補習をしたり、テストの誤答を記憶したりすることの重要性を示しています。そのような間違いの事例を打ち込む(もしくは手書きでもよいからpdf)にしてGemの知識に加えておくと、Gemくんはその知識を参照して回答をしてくれるようになります。
Gemを修正したい場合
最後に作ったGemを修正したい場合を覚えましょう。この画面の左に「Gem」というダイヤモンドが新しく増えています。

拡大したのが、これです。

はじめてGemを作るときは表示されませんが、1個でも作るとここに出現します。これを押してみましょう。そうすると以下の画面になります。

右下に「つまずき発見くん」がいますでしょ。その右側に鉛筆マークがあります。これを押すと先ほどの画面になりました。

ここで修正したら、右上の「更新」が押せるようになりますので、更新すると修正されたGemが使えるようになります。
Gemを削除したい場合
またGemそのものを消したい場合は、

この画面の一番右に「⋮」があります。そこを押すと、削除を選択できます。
Congratulations!
おめでとうございます。これで、紙面Gem構築講座は修了です。1回も作ったことがない方は、ここまでに私が書いてきた内容を「実際にやってみる」ことをおすすめします。繰り返しますが、自転車と同じで実際にやってみないとうまくならないからです。
また、RoleからFormatまで、いろんなことを試してみてください。例えばFormatはワード形式で、とか指定することも可能です。ただ、1つのGemでたくさんのこと(ここで言うたくさんのこととはカスタム指示の長さではありません。文章も画像も、ワード作成も、といった違う種類の作業をさせること<これをマルチタスクといいます>)を要求するとうまく動いてくれません。文章は文章、画像は画像、と役割を分けたGemを作るのがいいでしょう。
ぜひたくさんのGemを作っていただいて、先生方の作業が楽になることを願っています。
ありがとうございました。
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トビラAI拝
トビラAIプロフィール
※ 本稿では画像生成と文章の推敲に生成AIを使用しています。
