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若い先生の皆さんへ第2部⑩_「教育が未来を作る」その言葉を空虚にしてはいけない。

これはこの辺りに住む、トビラAIと申すものにて候。いつも読んでくださりありがとうございます。のんびりなさってくださいね。

今回のQUIZは
(    )体制を取らないと最悪の結果を生む
ということです。詳細は以下をご覧ください。
前回はあなたと友達が勉強を頑張るか、楽をするかで、どのような利得があるかを考えるワークを提供して終わりました。詳細は下を御覧ください。

今日はその解答例です。解答「例」、というのはこのテキストには答えが付与されていないので、あくまで例として提示しますね。

この問題は、ゲーム理論における「囚人のジレンマ(あるいはフリーライダー問題)」の典型的な例で、ご存知の方も多いでしょう。

 結論から言うと、お互いが合理的に自分の利益(「成績」と「楽さ」の合計)を最大化しようと考えた場合、起こりそうな結果は 「友達もあなたも怠けた場合(両者ともD評価)」 となります。

なぜそのような残念な結果になるのか、点数化して分析してみましょう。

1. 状況の点数化(利得表の作成)

問題をわかりやすくするために、成績と「労力の不快さ」を数値化します。

  • 成績の価値:

    • A評価 = 4点

    • B評価 = 3点

    • D評価 = 1点

    • (※通常BからDへは2段階下がるため、1点と仮定します)

  • 労力のコスト:

    • 怠ける(標準) = 0点(コストなし)

    • 頑張る(楽をしない) = -2点

    • (※「成績が2つ下がる(A→C、あるいはB→D)のと同じくらい不快」という条件より)

この数値を各シナリオに当てはめて、あなたが得られる「満足度(利得)」を計算します。

2. あなたの戦略を考える

あなたは相手が「頑張る」か「怠ける」かを知りませんが、どちらの場合でも自分にとって得な方を選ぼうとします。

  • もし、相手が「頑張る」としたら?

    • あなたも頑張る(①)= 満足度は 2点

    • あなたは怠ける(②)= 満足度は 3点

    • 結論:**怠けたほうが得(3点>2点)**です。楽をしてBを取る方が、苦労してAを取るよりコスパが良いからです。

  • もし、相手が「怠ける」としたら?

    • あなたは頑張る(③)= 満足度は 1点

    • あなたも怠ける(④)= 満足度は 1点

    • 結論:点数は同じですが、わざわざ努力して相手に楽をさせる(フリーライドさせる)リスクを負うより、怠けたほうが無難です。

上記はaの解答にもなります。

つまり、相手がどう出ようとも、あなたにとっては「怠ける」ことが常に正解(支配戦略)となります。

3. 結論

あなたにとって「怠ける」ことが合理的であるのと全く同様に、友達にとっても「怠ける」ことが最も合理的です。

その結果、二人ともが「怠ける」を選択し、あなたも友達もDの成績だが楽をする、になってしまいます。

解説:なぜ協力できないのか?

本来であれば、二人とも頑張るほうが、二人とも怠けるよりも満足度は高いはずです(2点>1点)

しかし、個人レベルで見ると、「自分だけ怠ければもっと得をする(3点)」という誘惑や、「自分だけ頑張って損をしたくない(1点)」という恐怖が働くため、話し合いや強制力がない限り、お互いに足を引っ張り合う悪い結果に落ち着いてしまうのです。これをナッシュ均衡(不幸な場合)と呼びます。

教育現場の場合

学校現場において、この「囚人のジレンマ」と同じ構造の問題は非常によく発生します。教育心理学や学級経営の分野では、これを「フリーライダー(ただ乗り)問題」「社会的手抜き(リンゲルマン効果)」と呼びます。

1. 学校で起こりうる「全員D評価」の具体例

お互いが「相手任せ(怠ける)」を選択した結果、クラスやグループ全体が損をする例です。

  • グループ探究・班活動

    • 現象: 「誰かがやるだろう」と思って全員が資料作成や調査をサボる。

    • 結果: 発表当日に中身のないスカスカの発表になり、班全員の評価が下がる。あるいは、締切直前に特定の「真面目な生徒」が泣く泣く全員分をカバーする(不公平感が爆発する)。

  • 合唱コンクール

    • 現象: 「自分一人くらい歌わなくてもバレない」と考え、多くの生徒が口パクや小声で済ませる。

    • 結果: 声量が全く足りず、迫力のない合唱になり入賞を逃す。クラスの雰囲気もシラケて終わる。

  • 掃除当番・ゴミ拾い

    • 現象: 落ちているゴミを見ても「自分が拾うと損(面倒)」と考え、見て見ぬふりをする。

    • 結果: 教室がどんどん汚くなり、最終的に先生に全員が怒られたり、長い説教時間を取られたりする(全員にとってのマイナス)。

2. なぜ学校では「協力」が難しいのか?

ゲーム理論の視点から見ると、生徒たちが「怠ける」を選択してしまうのには合理的な理由があります。

  • 「損をしたくない」心理

    • 「自分が頑張っても、サボっているあいつと同じ評価になるのは許せない」という心理です。馬鹿を見るのが嫌なので、あえて努力レベルを周囲の低い基準に合わせようとします。

  • 努力が見えにくい(非匿名性の欠如)

    • 合唱や掃除など、集団で行う活動は「個人の努力」が外から見えにくいです。頑張っても先生に気づかれないなら、コスト(労力)を払わない方が得だと判断してしまいます。

3. この「ジレンマ」を解決するには?

このゲームの残酷な結末(全員D評価)を避けるには、先生やリーダーが「ゲームのルール(利得表)」を変える必要があります。

  1. 「個人の努力」を見える化する(評価の分割)

    • グループ評価だけでなく、「相互評価シート」などで個人の貢献度を点数化します。「怠けるとB評価(楽をする)」という選択肢を消し、「怠けると個人点が下がる」ようにルールを変えます。

  2. グループを小さくする

    • 人数が少ないほど「自分がやらないと終わらない」という責任感が生まれ、サボることが難しくなります。

  3. 「協力すること」自体の価値を高める(動機づけ)

    • 「良い成績」以外の報酬(達成感、クラスの絆、先生からの称賛など)を大きくします。これにより、表の数値が書き換わり、「みんなで頑張る」の満足度が「怠ける」を上回るように仕向けます。

結論

学校現場で何も介入せずにこの状況を放置すると、「正直者が馬鹿を見る」空気が蔓延し、クラス全体の活動レベルが最低ライン(全員D)まで低下します。

講義・授業の目的

 これを防ぐのが「教師」や「リーダー」の役割であり、彼らは「頑張った人が報われる仕組み(新しいルール)」を作るために存在していると言えます。
 私は講義・授業を以下のように捉えます。授業とは「教室は未来の社会の縮図であることを前提とし、講義・授業は分かりやすく1人1人に丁寧であり、彼らの考え方・行動を変え、かつクラスメート間で協調させて、点数アップに結びつけ、教室全体の幸福を実現する営み」です。
 以前U理論のお話をいたしました。オットーシャーマーによると、資本主義はエゴシステムからエコシステムに向かっていかないといけないのに、昨今の各国の政治状況はエゴそのものです。


先日ではチリでも極右派が台頭いたしました。もはや先進国も自国優先主義に変わってしまいました。温厚な日本人ですら、外国人の流入を嫌がる排他主義を取っている。本当にそれでいいのでしょうか。協調体制をとらず、自分のことのみ考えていると、上のゲーム理論の囚人のジレンマで示されているように最悪の結果を招きます。
それを教育現場が講義・授業で変えないといけないのです。
 「そんなオーバーな」と思われる方、「教育は未来を作る」という言葉は空虚なものではありません。2000年から2010年頃まで、私は高校生に日本史を教えていましたが、必ず強調したセリフがあります。それは「君らにとって第2次大戦は60年〜70年前の大昔の話、と思っているかもしれないけれど、君らは今日からあと60年〜70年は生きるのだろ?何が起こるかわからんぞ。君等1人1人が責任を持って協調してやっていかないと、同じことがまた起こる」と。あれから15年ほど経ちました。徐々に世界は悪い方向に向かっている。これを教育が止めねばなりません。これが学校・塾の先生の授業の目的なのです。

リーダー教育とかいらんねん。

 あと、私が通っていた塾には「英才教育専門」という肩書がついてましたが、今はなくなったみたいです。しかしリーダーを育成するとか、CEOを育成する教育だとか言う塾や商材を売る企業も存在します。
 声を大にして言いたいのは、なんでリーダーだけやねん!という話なんです。国民全体をプラスの方向に変えていかないといけないのに、ごくごく一部のエリートを集めて育てて、どうしようというのでしょうか。何かギフテッドでしたっけ、賢い子は別の教育をみたいなことを言っている記事を新聞で読んだことがありますが、勘違いも甚だしい。そんな賢い子は学校以外で好きに勉強していくはずです。放っておいたらいいのです。我々(学校・塾)の使命は国民全体の底上げと未来を明るくすることであって、そんなん一部のリーダーだけで達成されるものではありません。

AtoZスキルセット

 以上のことを実現するために、AtoZスキルセットを開発しました。AからZまでの26項目を【Phase 1】から【Phase 5】まで5段階に分けています。1日に3項目できる日もあれば、1項目に3日かかるような内容もあります。それを明日から1つずつ提示していきます。
何卒よろしくお願いします。

QUIZの解答は
協調(協力)
でした。

明日へのヒント

教師やリーダーが「囚人のジレンマ」を解決するために介入する必要性について述べなさい。その上で、本文書で提案されている3つの解決策(「個人の努力」の見える化、グループの小規模化、「協力すること」の価値向上)が、それぞれどのようにして「ゲームのルール」を変え、協力的な行動を促すのかを具体的に説明しなさい。

トビラAI謹上

ありがとうございました。
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感謝一入
Warm Regards,
トビラAI拝

トビラAIプロフィール

https://note.com/tobiraai/n/n87af404f0287


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